野田佳彦幹事長は19日朝、東京・品川区内のJR五反田駅前で7月に実施される東京都議会議員選挙のあべ祐美子(あべ・ゆみこ)党公認候補予定者らとともに街頭演説を行った。

 品川区議である、あべ公認候補予定者は、自身が小中学生時代に森友学園問題の舞台となった大阪府豊中市に住んでいたことを紹介し、「豊中のあの土地が、わずか実質数百万円で手に入ってしまうなんて考えられない」と述べ、「目黒駅のすぐそばに今年品川区は特別養護老人ホームをオープンした。これは100床ほどある。この土地は国有地を購入したもの。29億円。全然負けてもらえなかった。1割も負けてもらっていないその金額で、品川区は国有地を購入した。もしかしたら区長が総理とお友達だったら、もう少し安かったかもしれないけど、品川区ではそういうことは起こらない。でもこれは当然のこと。国有地は国の財産であると同時に国民の共有財産だから、そんなに簡単に恣意的に相手が誰だからと言って値引きしてはいけないし、特に9割引きというような通常ありえない割引をしてしまうのは国民の財産に対する侵害行為だ」と一連の国有財産売却に関する手続きを批判した。そのうえで、「自治体が公共目的で特別養護老人ホームを作る時こそ値引きをして欲しい。9割引きであれば、品川区の税金が20数億円浮いた」「ルールを相手によって変えるのは不公正な社会であると断言できる」などと国がルールをねじ曲げて社会を不公正にしていることを指摘した。

 野田幹事長は、あべ公認候補予定者が触れた森友学園問題の交渉記録が破棄されていることについて、「公文書管理法改正を行い、こうした記録が1年未満で破棄されることの無いような、厳格な文書管理を徹底する法案を6月に提出した。東京都も同じことをやってほしいと思うし、公文書管理の基本条例は先般できたそうだが、さらに充実させてほしい」と東京都に対して要望した。そのうえで、「なぜ豊洲の移転は決まったのか。その後土壌汚染の問題、盛土の問題などプロセスにおいてしっかりと記録が残り、何が行われ、何がやられてなかったのか、その過程で何が起こってどういう行為があったのか。こういう記録というものはしっかりと残していくことがその後の検証に不可欠であるので、東京都においては行政の手続きの透明性を確保するためにはこうした公文書管理の徹底などをあべ祐美子さんが先頭に立ってやって欲しい」などと訴えた。

 演説会の司会は松原仁衆院議員が務めた。