大串博志政務調査会長記者会見

2017年6月27日(火)13時25分~13時36分
編集・発行/民進党政務調査会

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=mhTBLByqADw


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○閉会中審査・臨時国会開催要求について

【政調会長】
 国会は終わっていますが、いろいろな政策案件が動きつつありますので、記者会見をさせていただきたいと思います。
 国会は終わりましたが、私達は、安倍総理に「共謀罪」あるいは加計学園・森友学園問題について、国会でのさらなる国民への説明を求めているところであります。総理自身が「国民に丁寧に説明する」と、国会が終わってから記者会見で発言しているところでありますので、そうであれば、国会を開いて閉会中審査をし、かつ、私達は憲法に基づく臨時国会の開催要求もしていますので、これにも応えるべきということを申し上げています。しかし、今の段階で、自民党・与党からの回答はゼロ回答でございまして、閉会中審査も当面はしない、臨時国会の開催要請にも応じないということでございます。
 総理が記者会見で言った「国民に丁寧に説明する」というのとは全く裏腹の与党・政府側の対応でございますので、極めて遺憾に思います。加計学園問題・森友学園問題、「加計学園隠し」と言われてもおかしくない安倍総理の対応、政府・与党側の対応が続いていると思っています。

○加計学園問題①(獣医学部新設を全国で認める旨の首相発言について)

【政調会長】
 そういった中で、総理は相変わらず外に向かっては講演等々でこれまでなかったような発言をしていることが大変問題であります。
 先般の講演で、国家戦略特区に認定した加計学園への獣医学部新設に対して、全国で認めるというようなことを突然言い出しました。であれば、加計学園だけに認めるとしてきた国家戦略特区諮問会議での議論は一体何だったのかと言わざるを得ないと思います。国家戦略特区諮問会議のメンバーも、今回、加計学園に対する認定は適切に行われてきたと言っている中で、全国でやるべきだったと安倍総理が言うのであれば、国家戦略特区諮問会議に対しても、その仕組みがおかしいのではないかと言うような話であって、後ろから鉄砲で撃つような話なのですね。
 そもそも全国でつくるだけの需要があるのかという点に何ら答えられていない中で、全国でつくると言うのは、私には理解ができないです。
 これは普通の、何がしかのビジネス上の新規参入とは違います。ご案内のように大学ですから。かつ私立大学となると、私学助成金という税金が流れることになるわけです。ですから、より需給に見合った必要な人材を世の中に生んでいけるようにするという観点は必須だと私は思います。それを、とにかくどんどん養成できるようにすればいいんだと、山本幸三大臣はそんな言い方をして、市場原理で決まるようなことを言っていますが、とんでもない見識違いであります。補助金を使って国家試験の資格対象者を選んでいくものなのだという、そもそもの仕組みの理解が飛んでしまっているのではないかという気がしてなりません。国民の税金の無駄遣いにつながりかねないこの話に関しては、極めて強く違和感を覚えます。
 私達は国家戦略特区というものを使って、必要でない規制を変えていく、そして世の中のいろいろな良い活動につなげていくこと自体は大賛成です。ただ、今回のこの獣医学部を認定する、しないという問題は、先ほど申しましたように税金に絡む問題であり、かつ国家試験制度とも絡む、資格制度とも絡む問題ですので、これは単なる経済原理上の話ではないと思っています。

○「臨時国会に自民党改憲案を提出」首相発言について

【政調会長】
 それから憲法の話で、安倍総理は突然、秋の臨時国会に自民党案を出してくるということを言いました。これまた突然の話でございまして、このまま加計学園問題を憲法問題で覆い隠そうという意図がありありで、これも極めて不見識な話だと思っています。
 憲法審査会は与野党の合意のもとにきちんと進められるべき話であって、与党側がこうだああだと言って、そのことだけをもって進むというものではないことは総理に肝に銘じてほしいと思います。国会では総理は何も答えないにもかかわらず、国会の外ではべらべらとしゃべるという、この異様さが際立ったという気がしてなりません。

○加計学園問題について(今治市での工事・入札について)

【政調会長】
 やはり加計学園の問題に関してもしっかり国会の場で総理には説明してほしいと思っています。
 この加計学園問題等々、やり方に非常に無理があったのではないかという気がしてなりません。この問題はこれから文科省の認可というプロセスに乗っていくということだと思いますが、そもそもの成り立ちからして総理の意向等々を反映して行われたとすると、全体に無理があるのではないかという感じがしています。
 そういった意味からすると、例えば今、今治のほうでも問題が出てきています。もう業者も決まって工事は行われているわけですが、単価が非常に高いのではないかというような疑問点も投げられて、行政側はきちんと説明できていないという状況にあります。また、競争入札がどうなっていたかということも、今、(市民団体が)確認中であります。
 こういった全体の加計学園への特区認定自体が、「総理のご意向」ということを反映してかなり無理をして行われていたことが強く推測されるわけですが、これが今治市においても何がしかの、住民に説明しがたい取り扱いにつながっているとすると、これは大問題であります。現場の、今申し上げたような事業費の単価が適切に見積もられていたのかとか、あるいは補助金申請に当たっての競争入札がルールどおり行われていたのかということも、当然、文科省の認可の段階では加味されて判断されると思います。全体を通じて国家戦略特区認定というのは適切になされなければならないということをあらためて申し上げさせていただきたいと思います。


■質疑

○憲法論議について

【読売新聞・工藤記者】
 冒頭の話にも少しあったが、安倍首相が年内に衆参の憲法審査会に自民党原案を、憲法改正案を出すと明言された。まずこの受け止めと、民進党として対案の議論の進め方等々を伺いたい。

【政調会長】
 先ほど申しましたように、加計学園の問題が大きくクローズアップされているので、そこから国民の皆さんの目をそらしたいという思惑があるのではないかと推測します。「加計学園隠し」のために憲法を利用しているみたいな話であって、そんなことをする前に、私達が憲法上の規定に従って求めている(臨時)国会を開くべしと申し上げたいと思います。
 かつ、先ほど申しましたように、総理がこう言えば憲法論議が進むというふうに安倍総理は思っているかもしれないのですが、そうではないということを繰り返し申し上げさせていただきたいと思います。憲法の議論は衆参の憲法審査会において各党落ち着いた議論の中で行われるべき話であって、これまでもそうやって進んできました。どこかの党が、あるいはどこかの総裁が「こうする」「ああする」と言ったらそれに引きずられて進むようなものではないと思っています。ましていわんや憲法審査会の審査がそういう強硬的な運営のもとで行われるということは絶対にあってはならないものだと思っています。
 「未来志向の憲法を国民とともに構想する」というのが私達の大スタンスです。これはいわゆる立憲主義の考え方に基づいて、国民の皆様から「憲法はこうあってほしい」という大きな意向が生まれてくる、その道筋を丹念に国民の皆様と歩んでいきたいということでございまして、そういう意味でこの国会閉会中、時間があるのを活用しながら、国民との対話集会を各ブロックで行っていきたいと思っています。できたら早々やっていきたいと思います。都議選が行われていますので、これが終わった後の状況を見ながら、できるだけ早く1回目を開催し、できるだけ多くの場所で、ブロックごとに国民の皆さんからご意見を聞いて、国民の皆様とともに考えていくという中で方向性を見出していきたいと思っています。その方向性には予断を持っているわけではありません。