民進党総合交通ビジョン検討ワーキング・チームとJR北海道路線維持検討小委員会(いずれも荒井聰座長)は4日、5日の両日、北海道を訪れ、JR北海道の路線維持問題について意見交換と現地視察等を行った。

 4日には、釧路市を訪れ、地元の労働組合、釧路地方総合開発期成会JR花咲線・釧網線特別委員会との意見交換等を行った。この中で、荒井座長は、「これまで、JR北海道が廃線を表明している13路線中、11路線に実際に乗ってきたが、JR北海道は株主(国)しか見ていないと感じた。会社は、顧客のものであり、地域のものであり、従業員のものではないか」と述べた。また、「鉄道の駅をモデルにした道の駅が栄えて、鉄道の駅が寂れているのはあべこべだ」と述べた(写真上は釧路市内でのJR花咲線・釧網線沿線自治体首長との意見交換の様子)。

 その後一行は、JR釧路駅から釧網線に乗車し、JR北海道から説明を受けた。

JR北海道本社での意見交換

JR北海道本社での意見交換

 5日には、JR北海道の島田修社長らとの意見交換を行った。参加した議員からは、「色々な計画を考えているのかもしれないが、最終的にどちらの方向を向いているのか。お客様本位の意識改革をしていただかなければ、再建計画あるいは地域の方々に話を聞いてもらえるような状況にはならないのではないか」(伴野事務局長)。「今の経営状況をいくら説明されても何も前に進んでいかない。もう一歩踏み出すべきだというのがわれわれの最大のテーマだ。現状は我々もある程度は知っているつもりだ。だからこそ対策本部をつくっている。もう少し現状を前に進めていくのかというところに、踏み込むべきではないか」(佐々木副座長)。「夢のある提案もしていきたいというのは、一つ明かりが見えるような話だった」(大島議員)といった意見などが出された。

党北海道連で今後の対応を協議する荒井座長ら

党北海道連で今後の対応を協議する荒井座長ら

 また、党北海道連で会議を開き、今後の対応等について協議した。

 終了後、荒井座長は記者団に対して、「一番最初に必要なのは、JR北海道の経営体質を変えることだ」と述べ、この30年間、地域との関係が希薄になっており、株主(国)の方だけを向いている会社になっていることを強く批判した。その上で、「上下分離やバス転換を前提にするような話が先行し過ぎていて地方自治体から反発が出ている。それらの前提を一度白紙に戻した方が、話し合いがスムーズに進むことになるのではないか」とJR北海道に伝えたことを明らかにした。

 今回の日程には、荒井聰座長、鉢呂吉雄副座長、佐々木隆博副座長、伴野豊事務局長、大島九州男参院議員らが参加。地元からは、市橋修治道連幹事長、三津丈夫道連選対委員長、佐藤勝秋釧路市議、酒巻勝美釧路市議らが参加した。