民進党の野田佳彦幹事長は8日山形県を訪れ、吉村美栄子山形県知事と面談、県連大会や衆院選必勝決起集会であいさつし、さくらんぼ農家の視察も行った。

■吉村山形県知事と面談

野田幹事長が吉村知事との面談

 吉村知事との面談では、豪雨など自然災害に対する山形県内の防災体制や北朝鮮によるミサイル発射への対応など、危機管理について意見交換を行った。吉村知事からの「ぜひ体制や設備の整備に向けた支援をお願いしたい」という要請に対し、野田幹事長は、「危機管理は大事なこと」として、民進党としてできる限りの後押しをしていきたいと応えた。

■衆院選挙総決起集会

野田幹事長

 衆院選必勝決起集会のあいさつに立った野田幹事長は、「自民党のおごり、ここに極まれりというところまで来ている。強権的な国会運営、権力の私物化、お友達優遇政治、説明責任を果たさない不誠実な態度、真実を言おうとする人たちをねじ伏せようとする恐怖政治のような政治手法。言い出したらキリがないが、そういう自民党に取って代われる民進党かが問われている。受け皿になるのは民進党だ、この山形県ではここにいる3人の候補予定者だ。今日はそれを確認する場にしたい」と表明した。

 野田幹事長は、3人の衆院選候補予定者について、「荒井候補予定者は、介護・福祉の分野に明るい人だ。少子高齢化が進み深刻化な問題となっていく中で、そのことを一番分かっている」「近藤衆院議員は、特に経済・産業政策ではわが党の第一人者だ。そして立ち位置を地方と中小企業にしている。これからは民進党のみならず、日本のリーダーになっていく人だ」「阿部候補予定者は、地方の首長としてやってきた。地方が豊かにならなければ、日本が豊かにならないということがその身に染み込んでいる。それを国政で生かしてほしい」と紹介し、協力を訴えた。

荒井寛公認内定候補(山形1区)

荒井寛公認内定候補

 この愛する山形を元気にしたい。そして山形を元気にして地方から日本全体を活力に満ち溢れたものにしたい。子どもたちの世代に、現世代のツケを押し付けてはならない。若い世代に負債や負担を残すのではなく、夢と希望を残していかなければならない。人への投資で未来を創るという理念のもと、少子化対策、格差、貧困、教育の問題など、さまざまな課題を解決していきたい。民意を無視した安倍1強体制に何としても終止符を打たなければならない。

近藤洋介衆院議員(山形2区)

近藤洋介衆院議員

 一人の政治家を作るということは、皆さんお一人お一人の力のたまものだ。議席を預かったらしゃにむに努力をしなくてはいけない。頑張らなくてはいけないとあらためて思う。故郷のために、この国のために全力を尽くす覚悟だ。今の安倍政権は山形県人には合わない。謙虚ではない、人の声に耳を貸さない、これではダメだ。山形らしさを取り戻す、きちんと仕事をした人が報われる当たり前の政治をしてほしいという思いに応えていく。

阿部寿一推薦内定候補(山形3区)

阿部寿一推薦内定候補

 私を動かしているものは、私たちが生まれ育った故郷への深い愛だ。人口減少、若者の流出は止まらず、2018年からは農家への所得補償もなくなる。介護保険や年金の例を出すまでもなく、アベノミクスが描いていたことは幻想だと認識しなければならない。このことをしっかりと突きつけていかなければ、愛するこの故郷がおかしくなる。また、安倍総理の「こんな人たち」という言動は、総理大臣としてふさわしくない。これは民主主義の危機だ。その危機を見過ごすわけにはいかない。

■ぶら下がり記者会見

 次期総選挙に向けての山形県内の取り組みについて考えを聞かれ、「3人とも非常に素晴らしい候補予定者だ。いい支援者にも恵まれている。3選挙区とも十分小選挙区で戦える。勝てる選挙区にしなくてはならない」と答えた。

 民意の受け皿として、(民進党を)全国でどう立て直していくのかとの問いには、「山形では空白区がない。地方議員、党員・サポーターも増えているので受け皿になる。同じような県を一つ一つを作っていく。民進党に政権を任せられるということに応えられる大きな骨太の政権構想をしっかりとまとめていく」と述べた。

 九州の豪雨での災害出動の最中に防衛省の政務3役がそろって不在だった問題で、稲田大臣が「問題ない」と発言したことへの受け止めを聞かれ、「その認識に問題がある。九州で現場の自衛隊が汗をかいているときに、『司令塔の防衛省に政務3役がいないことは問題ではない』という感覚自体がずれている。そういう問題認識を持てないところに深刻さを感じる」と述べた。

■さくらんぼ農園視察

さくらんぼ農園を視察

 山形県の名産であるさくらんぼ農園を視察するため、天童市の仲野観光果樹園を訪れた野田幹事長は、同園の代表取締役社長の仲野大輔さんの案内で、さくらんぼハウス内を見て回った。今年は豊作という仲野社長の説明に耳を傾けながら、試食したさくらんぼに舌鼓を打った。