新代表を選出する民進党2017年9月臨時大会が1日午後、東京都内で開かれ、前原誠司、枝野幸男(届け出順)の両候補がそれぞれ代表選挙最後となる決意表明を行い、支持を訴えた。

 冒頭、8月28日に逝去された羽田孜・元総理に黙とうを捧げたのち、神本美恵子代表選挙管理委員長が代議員の過半数が出席しているとして大会の成立を宣言。今回の代表選挙について、蓮舫代表が辞意を表明したため、任期途中で代表が欠けた場合に行う代表選挙であり、党規約第12条第5項に基づいて党員・サポーターと地方自治体議員を含む有権者によって実施されるものだと説明。有権者数は一般党員・サポーター22万8753人、地方自治体議員有権者1543人、国政選挙の公認候補予定者は128人、国会議員は145人であると報告した。

 各候補者の決意表明の要旨は次の通り。

■前原誠司候補

決意表明を行う前原誠司候補

決意表明を行う前原誠司候補

 私はすべての子どもが大学に行くべきだとは思わないが、親の所得によって子どもの機会平等が変わる社会はおかしい。われわれですべての子どもに平等な社会をつくろう。今まで家族のため、会社のため、そして国家のために頑張っていただいた方々が老後の不安、日々の暮らしにさいなまれている。こんな世界、自己責任の社会をつくったのは誰か。自民党ではないか。大切なのはどのような社会を作り、実現するための具体策はどうなのか、そして未来をこじ開ける覚悟がわれわれにあるかどうかだ。われわれはもう一度この党をしっかりと選択肢として国民に示す社会的な使命がある。「All for All」で新たな社会をつくろう。24年間の国会議員のすべてをかけて乾坤一擲(けんこんいってき)の勝負、荒波の先頭に立たせてほしい。

■枝野幸男候補

決意表明を行う枝野幸男候補

決意表明を行う枝野幸男候補

 この選挙戦を通じて繰り返し強調してきたのは、政治のリアリズムだ。理念や政策をしっかりと示すことも大切だが、重要なのは実現する力。どんな理想も選挙に勝つことなしには絵に描いた餅だ。今の政治に怒りや危機感を持つ多くの国民の声に応え、政治の流れを転換させる。怒りや危機感を希望へと変えていく。1人でも多くの仲間に当選してもらうのはそのためだ。これは、国民と未来に対する民進党の使命だ。分断を食い止め、多様性を守り、共に支え合う社会を実現するために。私の言うリアリズムは、地をはってでも勝ちに行く、死に物狂いのリアリズムだ。国民のため、未来のため、私は次の選挙に勝利するために、ここにいる国会議員、候補予定者、それを支える多くの皆さんと共に、死に物狂いで、その先頭に立って闘っていく。

決意表明ののち、笑顔で握手する両候補

決意表明ののち、笑顔で握手する両候補