民進党は26日、党の今後の在り方に関する地方組織幹部との意見交換の一環で九州ブロック(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)広聴会を福岡市内で開いた。党本部からは増子輝彦幹事長と足立信也政務調査会長が出席。地元選出の野田国義、古賀之士両参院議員も出席した。

地方組織の幹部と熱心な意見交換が行われた

地方組織の幹部と熱心な意見交換が行われた

 増子幹事長は冒頭のあいさつで、「民進党を取り巻く環境は大変厳しいことを認識しながら、民進党の立ち位置、政策理念を明示しなければならないことを大塚耕平代表のもとで確認した」と表明。「新執行部の最も重要な使命は次の統一自治体選・参院選で勝利できる体制を作ること、もう一度政権交代可能な組織体制・活動を行っていくことだ」と述べるとともに、都道府県連のネットワークは民進党の大きな強みであり財産だとして、「これからも一体となって党活動をしていかなければならない。寄せられた意見や批判を受け止めながら党を再生するためイノベーションを徹底的に行っていかなければならない。イノベーションができて、この新しい組織体ならばもう一度期待しようと国民の皆さんに思っていただける政党にしていきたい」と述べ、出席した地方組織幹部らに協力を呼びかけた。

 出席した各県連から出された意見や質問の概略は次の通り。

  • 再び政権交代を目指す政党としての姿を明確に示すことを決定したことは評価する。その方向さえ決まれば都道府県ごとに事情は違うがそれに向けてやっていけばいい。
  • 再来年の統一自治体選はほとんどは民進党公認として戦う構えである。
  • 総支部の会計の引き継ぎについてのガイドラインを明確に示し、総支部の収支報告に関しては第三者のチェックを経るように徹底してほしい。
  • 自治体議員選挙が次々行われているが、多くは民進党公認で立候補している。
  • 希望で立候補した衆院議員と、希望の党側が許せば連携していきたい。
  • 県連への交付金はどうなるか。どういう財政になるのか明示してほしい。
  • 統一自治体選・参院選の候補者は年内に確定することで連合と協議している。党本部からの公認料・活動費はいつ頃支給されるのか明示してほしい。
  • 希望の党から立候補して落選した総支部長を支援するような形にならないものか。
  • 立憲で比例復活した衆院議員がいる状況でもあるので、民進党で残りたいというよりも立憲民主党に行って頑張りたいという空気感もある。
  • 政権を取るための政党として生まれ変わるということで安心した。
  • 民進党が分裂したなか、連合もそれぞれの産別によって分裂していくことが懸念される。民進・立憲・希望がばらばらのままでは、政権を担う政党として大きな疑問をもつ。
  • 党員・サポーターの募集は従来通りではない、新しい募集の仕方を検討すべき。
  • 自治体議員を長とする総支部の在り方に関して、衆院選になった際に自治体議員が公認候補になれるのか等も含めて充分な検討を。
  • 立憲の勢力だけでは政権交代にはつながらない。リベラルな保守が必要。
  • 党を残す、総支部を残すということだけでなく、政策の柱もきちんと決めてほしい。

■増子幹事長ぶらさがり記者会見

 会議後に増子幹事長は、記者団の取材に応じた。会議の概要について、「この党が存続するのが果たしていいのかという声がこれまでも一部であったが、みんなでこの党がもう一度政権を取れるようにしていくということでご理解いただき、地方組織を残しながら皆でがんばっていこうと、結論は私から申し上げた」と述べ、総支部の存続に向けた手続きの詳細等については問題提起を踏まえて、年内にガイドラインを示していくことになるとの見通しを語った。

 「3つに分かれてしまった党の再結集というのはそう容易ではないが、あらゆる国会対応、選挙対策をするには、この固まりがどんな形にせよ結集していくことが大事だということで、皆さんのご意見に感謝している」「危機感は皆さん持っている。(民主党時代から)20年近くこの党に関わってきた皆さんで、党が存続できるかどうかの瀬戸際であるから、トップダウンではないボトムアップのご意見をいただいて、決定できるものは速やかに決定をしながら、前に進むという話し合いだった」と振り返った。