増子輝彦幹事長は27日午後、党本部で定例記者会見を開き、(1)全国11ブロックで順次開催しているブロック広聴会での議論内容(2)予算委員会審議――等に関して見解を語った。

 先の衆院選の経緯も含め「トップダウン方式ではなくボトムアップ方式で地方の声をしっかり聞いてほしい」との声を踏まえ、各地で開いているブロック広聴会が11ブロック中8ブロックまで開催したことに増子幹事長は言及。「総支部や都道府県総支部連合会を残してほしいというのが全部といっていい要望だったので、組織委員長のもとで都道府県連や総支部を残すことを決定している。29日の常任幹事会でガイドラインを含めてこのことを正式に決定する」と語った。

 民進党のこれからの立ち位置・方向性を早く明示してほしいとの共通した要望が出されていることも紹介し、「統一自治体選挙をしっかり戦い、参院選にしっかりと勝ち抜いていく。そして衆院選挙についても候補者を擁立して政権を奪取するための党としてこれから頑張っていく。そのために党のイノベーションを行い、大塚代表が言う『ポリティカル・イノベーション』をしていきたいと(広聴会で)申し上げている」と語った。資金の配分等の問題については、中川正春衆院議員を座長とする「党の戦略・組織・運営に関する改革本部」が党改革や今後の方向性に関して精力的に議論を重ねているとして、特別国会が終了するまでにまとめる予定の「中間取りまとめ」とブロック広聴会での地方組織の声を合わせて一定の方向を出していくと表明した。「いずれにしても党の最大の財産、宝は全国にある地方のネットワークと自治体議員の皆さん。これらを大事にしながら党の再生のために頑張っていくということで、(地方組織の皆さんには)ご理解をいただいている」と述べた。

 27日から衆院で、29日から参院でそれぞれ2日間ずつ開かれる予算委員会での審議については、「党として限られた国会質疑の場で、加計問題や森友問題も含めて安倍内閣を追及し、安倍政治に対する立ち位置を明確にしたい」と語った。特別国会以前に野党が一致して臨時国会の開催を強く求めたにも関わらず3カ月間にわたって国会を開かなかった与党の横暴も問題視するとともに、これまで「与党2対野党8」だった衆院予算委の質問時間の割り振りがこの国会では「与党36%対野党64%」となり、野党の質問時間が大幅に削られたことにも苦言を呈し、「国会でさまざまな問題が生じているので限られたなかで民進党は衆参一体となってしっかり質疑を行っていく」と表明した。

 29日の参院予算委員会ではどんな問題を取り上げるのか問われたのには、(1)安倍総理の政治姿勢(2)中国・韓国・日本との外交関係、北朝鮮対応、拉致問題といったトランプ大統領の一連のアジア歴訪(3)福島の復興――等の問題を取り上げていく方針を示した。

 また、野党がこれまで求めてきた安倍昭恵夫人らの参考人招致を引き続き要請するかとの問いには「基本的なスタンスは全く変わっていない。特に森友問題は会計検査院が報告を出してきて、さまざまな問題が新たに出てきた。当事者であった現・佐川国税庁長官の発言の問題、行政と立法の関わり合いの中で何らかの政治の関わり合いがあったということになれば、当然、安倍昭恵夫人に国会においでいただくことも必要になってくる。安倍昭恵夫人の証人喚問を要求したいと思っている。同時に、佐川国税庁長官初め、加計孝太郎さんも国会においでいただいて説明責任を果たしていただきたい。衆参ともにそういう対応をし、ぜひ実現したい」と語った。