羽田雄一郎参院幹事長は20日、定例記者会見を国会内で開き、森友学園決済文書改ざん問題に関する佐川前国税庁長官の証人喚問が27日に実施されることについて見解を述べるとともに、記者の質問に答えた。

 佐川前国税庁長官の証人喚問が27日午前に参院予算委員会、同日午後に衆院予算委員会で行われることが決定したことについて、「これまで幹事長会談や参院国対委員長会談、参院予算理事懇談会等を通して要求し、やっと実現する。質疑者はしっかりと追及していただきたい。佐川さんには事実をしっかりと述べてほしい」と注文をつけた。

 2018年度予算成立後の政府への追及の在り方について記者から問われ、「まず予算成立前に参院予算委員会で証人喚問ができることはたいへん大きいと思うし、佐川さんだけでいいのかという話もある。今後のことは党内でしっかりと議論しながら、また、予算成立後も追及の手を緩めるということではない。事実関係が分かるまで今後もしっかりと詰めていかなければならない問題だ」と語った。「1年以上、この問題については取り上げてきたわけで、それが今回のこと(証人喚問の実現)につながったわけだから、今後も手を緩めずにやっていく」などと述べた。

 民進党が求めてきた安倍昭恵総理夫人、谷総理夫人付きなどの証人喚問の要求に関しては、「まずは佐川さんの話を聞いたうえで、考えていかなければならない。佐川さんだけ呼べばいいとは思っていない。まずは1歩進んだということだ」と語った。

 野党の要求する証人喚問に応じることを決めた与党の対応については「もっと早く決めてくれればよかった。(早く決めれば)もっと早く国会が正常化し、混乱を避けることができた。もっと早く決断すべきだったと思うが、予算が参院で自然成立する前に決めたことは一定の評価はしたい」との見解を示した。

 証人喚問に関しては、「政府はとにかく財務省のせいにしようということで、財務省で事を終わらせようと思っているようだが、財務省理財局だけでこのことが完結しているとは誰も思っていない。そのことをしっかりと聞いていかなければいけない。佐川さんにはしっかりと答えていただかなければいけない」と述べ、いわゆるトカゲのしっぽ切りで終わるようなことがないよう追及していく考えを語った。

 民進党内で円満な分党を求める声が上がり、署名活動が行われているとの情報の確認を求める記者の問いには「円満な分党を求める署名などはしていない」と回答した。

 以前の会見で「桜の咲く頃には新しい党の形を」と羽田幹事長が発言をしたことから、その進捗を問う記者の問いに、「そろそろタイムリミットが来ているという実感はある。今、国としての大きな問題が揺れ動いている時なので、そういうことも含めてしっかり慎重に、しかし一歩一歩進めていかなければならない」「統一自治体選を迎える議員の皆さんは、どの党で戦っていくかについて1年前には明らかにしてほしいと思っている。私自身も参院選は7月になれば1年前になるので、その時にどの党で戦うかが分からないようでは戦いも進んでいかない。やはり自分自身のことを考えても統一自治体選はひとつ大きな分岐点であると思う」などと語った。