参院予算委員会で26日、安全保障・内外の諸情勢をテーマとして安倍総理出席の集中審議が行われ、民進党会派からは増子輝彦幹事長が1番手で質疑を行った。増子幹事長は、財務省が森友学園との国有地取引に関わる決裁文書を改ざんした問題を取り上げ、安倍昭恵総理夫人、今井尚哉総理秘書官の証人喚問を要求した。

 増子幹事長は、報道各社の世論調査で昭恵夫人の証人喚問が必要であると多くの人が答えていることや改ざん前の決裁文書に昭恵夫人の名前が記載されていることから、「夫人の説明責任があると思う」と安倍総理に迫った。これに対し安倍総理は、「文書の書き換えに妻は関わっていない」「妻がどう答えたのかどう考えたのかはすべて私が答えている。総理として委員会で述べるということは、総理としての責任で述べているので、極めて重い答弁をしている」などと反論。増子幹事長は、「奥さんとの間の会話は夫婦関係だからわれわれは立ち入ることができない。間接的に聞いても真実は分からない。やはり何らかの機会をもって総理夫人は国民に説明する責任がある」と追及し、昭恵夫人が公式な会見を開くよう求め、「もしできないならばあらためて安倍昭恵夫人の証人喚問を要求したい」と証人喚問を要求した。

 「2015年9月3日から5日までの間に非常に大きな動きが出ている」と指摘した増子幹事長は、15年9月4日に安倍総理が今井総理秘書官と大阪へ日帰りで出張したことや、前日3日には当時の理財局長である迫田英典氏と会い5日には昭恵夫人が森友学園が建設予定の小学校の名誉校長に就任している事実をあげた。そのうえで、安倍総理が森友学園関係者や近畿財務局長と会った事実があるか、今井総理秘書官がこの時に大阪に残った事実があるかを質問した。安倍総理は、「大阪に行ったのは報道番組2つの収録と生出演のために行った。食事して東京へ帰った。現地で近畿財務局関係者と全く会っていない。ここで理財局長と会ってはいない」とし、さらに今井総理秘書官が大阪に残ったことも否定したうえで、「彼がテレビ局との打ち合わせを全部やっていたので、そこで当然理財局とそういう話をするのであれば、当然私に報告があるだろうとこう思っているのでそれはまったくなかったと申し上げている」と不明瞭な理由をあげて答弁した。

 増子幹事長は、「今井さんの存在は極めて大きいと推測しているので、やはり大阪に行った件、あるいはさまざまなことについて今井さんが深くかかわっているのは事実。そういう形の中で今井さんという秘書官の存在は極めて大きいと思うので、今井秘書官の証人喚問を要求したい」と今井総理秘書官についても証人喚問を要求した。

 最後に増子幹事長は、「なぜ破格の払い下げがされたのか。責任は重大。やり取りしても明らかでないなら国会法104条の国政調査権を発動して調査が必要だ」と訴えた。安倍総理は増子幹事長の訴えに対し、「それは国会で決めることだが、真相究明のために必要なことはあらゆることをやらなければいけない」「調査において真実に向かっていくのであれば大変重要なこと」と真相究明に向かってあらゆることを行うことに賛同する答弁を行った。