増子輝彦幹事長は9日、定例記者会見を党本部で開き、(1)新党への動き(2)参院決算委員会質疑で明らかになったイラクの日報隠ぺいや森友学園問題をめぐる新事実(3)京都府知事選挙結果(4)今後の国会対応――等に関して見解を語った。

 希望の党で分党に向けた両院議員懇談会が14時すぎから開かれていることにふれ、「それを待って大塚代表と玉木代表との党首会談を予定している。そのうえで新党協議会の立ちあげなど両代表の党首会談のなかでいくつかのことが決まってくる」との見通しを示し、希望の党の議員懇談会が終了し参院の決算委員会の質疑終了時点で民進・希望両党党首会談を開催予定であることを明らかにした。

 同日の参院決算委員会質疑では民進党・新緑風会からは大島九州男、藤田幸久、小西洋之の3議員が質問に立ったことを紹介するととともに、同日の質疑でイラクの日報隠ぺいや森友学園問題をめぐって新事実が出てきたことにふれ、「行政がいったいどうなってしまっているのかという思いだ。民主主義の崩壊につながってしまう状況だと危惧している。立法府が行政にないがしろにされている」との見方を示した。そのうえで、同委員会質疑で(1)小野寺防衛大臣が、南スーダンPKOに関する新たな日報を防衛省情報本部で確認したことを明らかにしたこと(2)財務省の太田理財局長が、森友学園への国有地売却問題をめぐって、理財局職員が昨年2月20日時点で森友学園側の弁護士に電話で地下埋設物の撤去について「費用に関して相当かかった気がする」「トラック何千台も走った気がする」といった言い方をするよう求めていたことを明らかにしたこと――の2点を取り上げた。「安倍総理には総理としてしっかりと行動していただかなければならない」と述べるとともに、「私どもはこの問題について真相解明のために国会を通して明らかにしていく」と表明した。

 8日投票の京都府知事選挙で党推薦の西脇隆俊さんが当選したことについては、「票の中身、出口調査の中身を分析する必要もある。票の中身は微妙な物を私どもに示している」として、民進党支持者の半数以上が、また立憲支持者の6割以上が相手候補に投票したという出口調査があることを紹介し、「今後、党が推薦あるいは支持をしたとき、候補に対する投票行為が一体となってできるように党活動の中でしていかなければいけない。京都の知事選挙をよく省みながら党としての態勢をよく構築していかないくてはいけない」と述べた。

 世論調査で安倍内閣の支持率に厳しい数字が出ていることにもふれ、「これをよく見極めながら今後の対応をしていかなければいけない。政党支持率が低迷していることをわれわれも反省しながら、これからの党のあり方について、国民の皆さまに信頼され、支持率が上がるように、新しい党に移行するなかでさまざまな努力をしていく」と語った。