熊本地震災害からの復旧・復興

  • 支援金の額を300万円から500万円に引き上げ、対象を大規模半壊から半壊に拡大するなど、被災者生活支援制度を拡充します。また、被災地の高速道路について無料化を実施するなど、熊本地震災害からの復旧・復興に全力で取り組みます。

生命を守る防災力強化

  • 災害対策関連法の全面的見直しを行います。阪神淡路大震災以降、20年以上が経過しましたが、この間の政府の災害対策の取り組み状況等を検証しつつ、我が国の法体系を見直します。熊本地震や頻発する火山災害や水害等も念頭に、災害対策基本法、災害救助法、被災者生活再建支援法などを全面的に見直し、国民の命と暮らしを守る実効性を高めます。併せて、耐震化、地震係数、前震・本震・余震の考え方等についても総括と更新を行い、新たな地震防災対策の戦略策定を行います。

  • 大規模災害等に備えるため、内閣官房の危機管理部門、内閣府防災、消防庁等の発展的な統合による「災害対策庁(仮称)」を設置するとともに、地震に関する観測・体制の強化・見直しを行うため、国土地理院、気象庁、地震調査委員会等について、一元化や再編を含めた見直しを行います。また、原発立地地域については責任ある避難計画を策定します。

  • 大規模災害発災時の被災自治体バックアップ体制を強化します。発災後72時間への対応及び、応急対処レベル向上のため、全国の自治体職員が持つ経験・ノウハウをより早期に被災自治体へ派遣可能とする仕組み等を新設し、被災者の命と暮らしを守る力を強化します。また、大規模災害対応のノウハウを持つ、内閣府・国土交通省・消防庁をはじめとした各府省庁の担当者を現地の自治体に早急に派遣するなど国が責任を持つ仕組みを整備します。

  • 災害時に国民の命を守る緊急対応の観点を重視し、避難施設や経路の確保、防災情報や通信、防災訓練などソフト面を徹底的に見直します。また、地域のコミュニティを活かした地域防災力の強化を進めるため、地域で災害に備えて専門的に取り組む人材を育成するとともに、消防団、防災士、自主防災組織、市民消化隊、女性防災クラブ、災害ボランティア、町内会など様々な住民組織や住民の参加協力を得ながら、地域における防災教育と訓練など、防災への取り組みを進めます。

  • 事前防災を強化するための支援制度を創設します。災害が予想される段階での規制措置に伴う地域経済や生活へのダメージを軽減する「災害予防措置支援制度(仮称)」を新設し、事前防災措置を発動しやすくします。実際に災害が発生した場合に、復旧・復興への後押しを進めやすくします。

災害発生時における生活・復興の支援

  • 被災者に寄り添うきめ細かな対策を行うため、指定避難所以外に避難している方々(非指定避難所、車中泊等)の正確な把握や、避難先におけるトイレなどの衛生面、エコノミークラス症候群などの対策等に万全を期します。また、生活不安や避難生活での心身の疲労やストレスに対する心のケア対策、乳幼児、児童、生徒等に対するカウンセラーの派遣支援強化などを行います。

  • 特に、高齢者、病院入院・通院患者、小中学校、幼稚園、保育園、障がい者施設、児童養護施設などの要援護者の方々の避難計画に万全を期すとともに、災害が発生した際には、長期的な避難先を確保します。また、非指定避難所も含めた福祉避難所等で定員以上の人員を収容している施設への財政支援、福祉人材の派遣元への財政支援等を行います。

  • 経験を有する災害ボランティア団体等と自治体、また、ボランティア団体同士の連携がスムーズとなるシステムを構築し、きめ細かく機能的に連携した被災者支援が可能となる環境を整えます。

  • 旅館・ホテルなどの民間施設を借り上げた際の避難期間等の弾力的運用、また、みなし仮設住宅の充分な確保(広域での空家住宅・賃貸住宅の借り上げ等による住宅確保)をより迅速に行います。

  • 被災者生活再建支援金については、支給範囲を大規模半壊から半壊にまで拡大し、最高額を300万円から500万円へ引き上げます。

  • 中小企業・小規模事業者の事業の早期復旧と事業継続のため、政府系金融機関等による金融支援をはじめとした総合的支援、従業員の雇用維持のための雇用調整助成金等の拡充、雇用保険の給付日数延長、雇用対策の実施、観光をはじめとする風評被害に対する対策の強化を行います。また、農林水産業等支援として、農林水産業施設等の災害復旧事業の早期実施、経営困難な農林水産業従事者に対する特別支援の実施を行います。