衆院予算委員会の集中審議(政治改革・税と社会保障)が19日開かれ、野田佳彦衆院議員(前総理)が質疑に立った。

 野田議員は、「衆院の定数削減、いまだに実現していない。(2012年11月14日の)党首討論で、当時総理である私と自民党の安倍総裁が国民に約束したことだ。約束の中身は『身を切る覚悟』ではないか。私は衆院解散という約束を果たしたが、『次の国会での衆院定数削減』の約束が実現されないまま今日に至った。第1党自民党の責任は重いが、その自覚がない。できなかったということは、国民に嘘をついたことになる。満身の怒りを込めて抗議する」と安倍総理に迫った。

野田議員が問いただす

 野田議員は現状について、「衆院の選挙制度改革は、遅きに失した。先の総選挙の前、消費税を8%に上げるまでに実現し、1票の格差を是正しておくべきだった。取り返しがつかない」とし、さらに定数削減数については「10議席削減にとどまってはいけない。引き続き定数削減を含めた政治制度改革について、お互いに議論していこうと確約していただきたい」と安倍総理に求めた。

 経済については、GDP実質成長率が民主党政権時には年平均1.7%、安倍政権では0.6%である点を指摘し、「これを上げて行かなくてはならない。成長戦略にもっと力をいれるべきだ。民主党政権は、社会保障、中小企業、地方に力を入れた。そこが安倍政権との立ち位置の違いだ。取り入れてほしい」と述べ、さらに「(安倍総理は)数字と向き合う素直さをもってほしい。自画自賛はだめです。異論・反論に耳を傾けよ」と安倍総理に忠告した。