枝野幸男幹事長は12日、衆院北海道5区補欠選挙で民主党が推薦を決めているフリーソーシャルワーカーの池田真紀(いけだ・まき)さんとともに北海道石狩市内を回り、「ふつうの暮らしを底上げしていくための政治の流れをつくっていこう」と民主党への支援を呼び掛けた。

 枝野幹事長は、「少子高齢化社会が進んでいくなかで、多くの皆さんにとって本当に必要なのは、株価が上がることではなく、安心して歳を重ねていくことができる老後の安心や、安心して子育てできる社会、安心して働ける雇用環境、ふつうの暮らしをふつうに続けていける、そんな暮らしの安心ではないか」と述べ、安倍政権の3年間で介護や保育の現場がますます厳しくなり、正社員を希望しながら不安定な非正規雇用で働かざるを得ない人が増えるなか、暮らしの安心が脅かされていると指摘。「老後の安心、子育ての安心、働くことの安心は、目に見えて良くなったと派手に感じられるものではない。じわじわと効いていく漢方薬のようなものだ。この3年間、痛み止めとカンフル剤に頼り過ぎてきた日本の社会と政治の状況を変えていくためには、地味だけれども確実に、漢方薬で暮らしを立て直していくこと。そのことを前に進めていこうではないか」「ふつうの暮らしを地道に着実に底上げしていく政治の流れをもう一度つくっていこう。それを実現するための仲間が池田まきさん。石狩の皆さんには日本の政治を動かすチャンスがある。その力を有効に使っていただき、しっかりと地に足の着いた政治を取り戻していく力を貸してほしい」などと訴えた。

池田まきさん

 池田さんは、20年間、福祉や介護の現場で働いてきた経験から、「さまざまな人生のハプニングに遭い、生きづらさを抱えてきた皆さんと向き合ってきた。市場原理に基づくサービスが先行し、本来政治や政府が行うべき大切なものが失われ、憲法やさまざまな法律、制度があるにもかかわらず、その狭間で苦しむ人たちがたくさんいる。一生活者として、生きづらさを知る一人として、現場を知っている者として、これを結びつけていきたい」と決意を表明。「介護保険制度があっても地域のなかで老老介護、貧困の末に心中、餓死といった痛ましいできごとがいまだになくならない。子育てに悩みお母さんが、仕事をしなければいけないのに子どもを保育園に入れられない。そんな矛盾のある制度を何十年続けているのか。生活を知らない政治に一方的に決められ、私たちの声が全く反映されない、現場の声が全く通じない。そんな政治、政府にお任せはもうやめよう」「多様性を認め合う社会を実現するためには多様な政治参加が必要。社会、政治に置いてきぼりにされてきた、政治に参加をさせてもらえなかった、そんな市民の思いを全部受け止めてこの地から新しい政治をつくろう」などと呼び掛け、「私は、絶対にこの北海道5区のなかで家庭の環境やさまざまな事情に悩む全ての人が豊かになれる、個人の尊厳ある暮らしをつくっていく」と誓った。

 安全保障法制をめぐっては、安倍政権が昨年の9月に強行成立させた安全保障関連法は憲法で認められていない集団的自衛権の行使を可能にしてしまったとその違憲性を指摘。自民党の憲法改正草案の問題点にも触れ、「民主主義、立憲主義を私たちの手でつくっていきたい。皆さんと一緒に平和というこの日本のブランドを、私たちの思いが届く政治を皆さんとつくり、進めていきたい。『戦争をする国か平和を守る国か』『個人の尊厳のある暮らしが守られる憲法か』否かが問われていることを皆さんと一緒になって広げていきたい」と訴えた。

泉ケンタ衆院議員のお母さんとがっちり握手

北海道5区補選と同日に行われる京都3区補選に立候補予定の
石狩市出身の泉健太衆院議員のお母さんも応援に。池田さんとがっちり握手