参院予算委員会で28日、「内政・外交の諸問題」をテーマとする集中審議が行われ、小西洋之議員が質問に立った。

 小西議員は、2014年7月1日の集団的自衛権の行使を容認した閣議決定について、安倍政権がその基本的論理を「昭和47年(1972年)政府見解」に求めていることに疑問を呈した。安倍政権で閣議決定した「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」では、「憲法第9条の下で許容される自衛の措置」として、以下のような論理展開をしている。

  • この自衛の措置は、あくまで外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫、不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置として初めて容認されるものであり、そのための必要最小限度の「武力の行使」は許容される。これが、憲法第9条の下で例外的に許容される「武力の行使」について、従来から政府が一貫して表明してきた見解の根幹、いわば基本的な論理であり、昭和47年 10 月 14日に参議院決算委員会に対し政府から提出された資料「集団的自衛権と憲法との関係」に明確に示されているところである。

 しかし、この政府見解に対し小西議員は、(1)安倍政権では72年政府見解作成者が「わが国に対する外国の武力攻撃」と想定したものを、「わが国、もしくは同盟国に対する外国の武力攻撃」と読み替えていること(2)吉国一郎法制局長官ら47年政府見解の作成者らが集団的自衛権の行使を全否定していること――などを指摘し、安倍政権による論理のねつ造を指弾した。

 小西議員は「安倍総理は、真っ黒の物を『白だ』と言うように、『昭和47年見解の中に集団的自衛権がある』というレッテルを貼っているのではないか。法匪(ほうひ。法律を詭弁的に解して、自分の欲する結果を得ようとする者)と言われてもしょうがない暴挙だ」と断じた。