安井美沙子議員は、30日午前の参院本会議で登壇し「地域再生法の一部を改正する法律案」について政府に質問した。

 安井議員は、「安倍内閣の『地方創生』の基本には、相変わらずの国主導、中央集権の考え方がある。『東京への過度な一極集中を是正し、疲弊が進む地方を活性化する』と言っているが、むしろ地方の疲弊を加速するものだ」と批判した。そして、「地方を本当に活性化させたいのであれば、地方に権限と財源を移譲するしかない。ヨーロッパの地方都市がそれぞれ魅力的な個性を発揮できているのは、州政府がそれなりの権限を持っているからだ。地方創生を本気で実現するならば、憲法第8章(地方自治の規定)改正も視野に入れた、地方への権限と財源の移譲を検討すべきではないか」と提起した。

 また、「安倍内閣は、国がしっかり分権ビジョンを描いて地方を誘導していくべきところは地方に丸投げし、逆に、地方の裁量に任せるべきところを国がガチガチに縛っている。アベコベだ」と批判し、「地方分権改革の勢いは削がれ、むしろ中央集権の色彩が濃くなっている」と指摘した。

 法案で創設をうたう「地方創生推進交付金」については、「民主党政権時の一括交付金は1年目で5120億円、2年目は6754億円だった。今回の交付金はたったの1千億円で、実質新たに交付できる額は584億円に過ぎない。いくらなんでも少な過ぎる」と指摘し、「今また新たな交付金を創設して現場の混乱を招くよりも、ヒモ付き補助金の縛りを廃した民主党政権の功績を素直に認め、継続したらどうか」と訴えた。