党「TPP交渉過程解明チーム」は6日午前、5日夜に提出された甘利前大臣とフロマン米国通商代表の交渉に関する黒塗り資料について説明を求めるべく、会合を開いた。政府からは、高鳥内閣府副大臣が出席した。

 実は高鳥副大臣は、5日午後に開かれた同チームで、「黒塗りであっても資料は出せない」「野党から言われても出せないのではなく、与党でも誰に言われても出せない」「出すことになれば責任を取る」という趣旨の発言をしていた。ところがその後、民進・自民国対委員長会談を経て、同日夜に黒塗りの資料が提出された。民進党は、こうした政府の対応が変更した経緯について説明を求めるべく、同夜に再開したチームの会合に高鳥副大臣の出席を要請し、数時間にわたって到着を待ったが、高鳥副大臣は「政務(=個人日程)がある」として出席しなかった。この「政務」には同僚議員のパーティが含まれることはすでに判明している。

 今朝の解明チームの会合では、出席者から高鳥副大臣に対し、(1)自身の発言と異なる政府の対応について、自らの発言を釈明し、経緯を説明しようとは考えなかったのか(2)本日のTPP特別委員会での審議入りを前に、野党への説明より同僚議員のパーティへの出席のほうが重要だと判断したのか――など、厳しい追及が行われた。

 高鳥副大臣は、解明チームへの出席について「最初の会合には石原大臣から出席するよう指示があったが、夜の会合には大臣の指示がなかった」「事務方の出席で十分だと思った」などの言い訳に終始し、政治家として事の軽重を自ら判断できない高鳥副大臣の姿に出席者からは怒りの声が飛び、また、TPP協定の承認という重要案件の審議入りを前にその緊張感が全く感じられない政府の姿勢に対しても批判の声が上がった。

(6日18時・追記)

 高鳥副大臣は、本日午後の解明チームに昨日の自身の日程表を提示し、会合に出席しなかったことを謝罪。これを受けて民進党は、中断されていた衆院TPP特別委員会での政府からの趣旨説明聴取を了承した。高鳥副大臣はまた、同特別委員会の理事会に対し、自身の対応のまずさによって本日の委員会開会が大幅に遅れたことを謝罪したとのこと。近藤洋介同委員会野党筆頭理事が明らかにした。