衆院TPP特別委員会で19日、玉木雄一郎議員がTPP交渉で関税維持を目指した重要農産品5項目のうち、関税撤廃・削減や再協議の対象外となった「無傷」の品目数をただした。石原経済再生担当大臣、森山農林水産大臣の双方とも正しく答えることができず、交渉内容を把握していない実態が浮き彫りになった。与党側からもこれはひどいとの認識が示され、午前の質疑は打ち切りになった。

 午後に再開した同特別委員会であらためて玉木議員の質問に答えた森山農水相は、「単純に関税が維持されているものの数は155」だが「影響を受けていないものはない」という旨を答弁した。

 この答弁を受けて玉木議員は、「今日の審議で2つの重要なことが明らかになった」とし、(1)重要5項目の594品目の〝聖域〟のうち、無傷と言えるものはゼロだという事実(2)〝聖域〟をどの程度守れたのかを精査しなければ答弁できないという、政府の重要5項目死守に対する熱意・誠意の乏しさ――を指摘。「国会決議は守られていない」と結論付けた。

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