岡田克也代表は27日、栃木県を訪れ、宇都宮市内のホテルで開かれた「たのべたかお後援会集会」「柏倉ゆうじ民進党結成報告会」に参加し、今夏の参院選栃木県選挙区の推薦候補予定者の田野辺隆男さん、衆院栃木1区総支部長の柏倉祐司さんらとともに民進党の政策を訴えた。その後向かった小山市では、衆院栃木4区の藤岡隆雄総支部長が開いた「岡田代表企業懇談会」に参加、中小企業経営者らと交流した。連合栃木の加藤剛会長をはじめとする役員とも参院選に向けての活動について協議した。

岡田克也代表

岡田克也代表

 たのべたかお後援会集会で岡田代表は、1カ月前に民進党を結成したことについて「野党がバラバラでは勝負にならない。考えが近い野党はまとまっていかなければならない。選挙での自民党の得票は増えていないが、これだけ多くの議席を衆院で得ているのは野党が分裂しているからだ。国民の期待に応えて、自民党に代わって日本の政治をしっかり担える政党を創っていかなければならない」と述べ、民進党への理解を求めた。

 夏の参院選については、日本の将来の方向性を決めるうえで重要な選挙だと指摘し、「(民進党が目指す)日本の平和を守る路線で行くのか。(自公政権が目指す)日本が攻撃を受けていないにもかかわらず、自衛隊が海外で武力行使できる国を選ぶのか」「(自公政権による)経済を大きくすることを自己目的にして国が全力を集中するのか。(民進党が目指す)経済を大きくすることは大事だけれども、それ以上に再分配し格差を少なくしていくことが政治の果たすべき役割だとするのかが問われている」と力を込めた。

 今夏の衆参同時選挙が遠のいたなどとする報道が出ていることに触れ、「ダブル選挙の可能性は5割以上ある。そういう記事に惑わされることなく、勝利できるようぜひ皆さんとともに力を合わせ、民進党が日本の政治を担いうる存在であることを示したい」と参加者に協力を呼びかけた。

田野辺隆男候補予定者

田野辺隆男候補予定者

田野辺さんは、午前中に農村地域を回ってきた感想から切り出し「美しい田園風景を見るにつけ、この風景を守らなくてはいけない、日本は田んぼがあってこその国だと思う。農業を守らなかったら、地域社会も経済も崩壊してしまう。国民の声を聴かないのが安倍政治の特徴だが、その象徴が農業だ。TPPは輸出に効果があるように言うが、自動車関税の引き下げが25年後だというのに、農業だけが割を食っている」と、国民や地域のことを考えない安倍政権の姿勢を批判した。

柏倉祐司公認予定候補

柏倉祐司候補予定者

 柏倉総支部長は「民進党が新しく結党した。これからの政党・政治の使命は、『格差社会からの脱却』『最大幸福社会の追求』だ。しかし安倍政権が行っていることは真逆で、お金持ちのためのお金持ちによる政治をしている。皆さんの年金をつぎ込んで、株価を上げる。介護で苦しんでいる人を尻目に介護報酬を切り下げる。必死で働いている人の労働環境を改悪し、解雇しやすくする。これ以上、自公政治を野放図にさせては絶対にいけない」と訴えた。

藤岡隆雄候補予定者

藤岡隆雄候補予定者

 藤岡総支部長は小山市内各所から集った中小企業経営者からの地域経済の現状についての話しを聞いて「地域に元気がないという声が満ちあふれている。その課題は分かっている。それに本気で取り組めるかどうかが政治の使命だ。今のままの政治ではいけないという強い危機感を持って戦っていく」と来る衆院選に臨む決意を示した。

 岡田代表は一連の栃木訪問日程を終えて記者団の取材に応じた。民進党が結党して1カ月が経過した感想を求められ「自民党に代わる政権交代可能な政党を創ろうという思い1つでしっかりまとまっていくことだ」と強調した。また、参院選の栃木選挙区の情勢について問われ「1人区が非常に重要になってくる。栃木選挙区はぜひ取りにいきたい選挙区だ」と力を込めた。