枝野幸男幹事長は27日、14日から続く地震で大きな被害を受けた熊本県に入り、南阿蘇村や西原村の被災現場などを視察、自治体の首長らに面会した。同行したのは、辻元清美役員室長、神山洋介衆院災害特委員、松野頼久衆院議員、森本康仁衆院熊本県第3区総支部長ら(写真は西原村で日置村長=左=から被害状況を説明を受ける一行)。

 南阿蘇村では、長野敏也村長から被害状況や現在の避難生活の実情などについて話を聞いた後、今回の地震で崩落した阿蘇大橋など同村の被害状況を見て回り、同村の長陽体育館では、長野光洋農政課審議員から避難所の状況を聞いた。

 西原村では、日置和彦村長の案内で村内の被害状況を視察、復旧・復興についての課題、国への要望などを聞いた。

 視察後、記者の取材に応じた枝野幹事長は、視察の感想を求められ、「まず被害の大きさ。特に阿蘇大橋や周辺のがけ崩れ、住宅の壊れ方など被害の大きさをあらためて感じた。2つ目として、東日本大震災は大変大きな面的な被害だったが、(今回の震災は)一定の幅はあるが線的な被害だった。活断層に近い所と遠い所の落差の大きさは想像以上だった。3つ目は一番初期の水・食料・最低限の生活を、という段階から次のフェーズに入ったと思う。特に第1次産業や観光業ができない状況の地域が多いので、できるだけ早い段階で産業復興に向けての布石を打ち始めないといけない。特に観光については、ひどい所・危険のある所と、そうでない所のメリハリを付けないと、なかなか大変だと(感じた)」

 党としての今後の対応を問われると「政府も一生懸命やってくれていると思うが、いろいろな立場から何をしなければいけないのか提言していくことが重要で、足りないことがないようにしっかりと提言していきたい」と述べた。

 また政府の対応で足りないと感じる部分について「今の体育館などの1次避難から、一般的には仮設などと言われる2次避難に移るのだろうが、地域のコミュニティがしっかりしているだけに、それを無視して単に建物だけ作って、ここなら安全だから逃げてくださいというわけにはたぶん行かないのだろう。そういうことに十分に対応できるのか、しっかり指摘していきたい。2つ目は、観光や農業・畜産業・酪農などについて、この間あまり政府の中から聞こえてきていないので、活断層の周辺部のところは出来るだけ早く、そういう所を復活させていかないと、被害の一番大きかったところを支えていくことも出来ないと思う。その辺を指摘していきたい」と語った。

 最後に熊本復興へのエールを求められ「あえて言えば一番厳しい段階を今なんとか乗り越えて来ている段階だと思う。ここからも長い戦いになるとは思うが、今日実は阿蘇の方に初めて来て、本当は平時に観光に来たかったと思うくらい観光資源があるので、それが生かせるようにわれわれも政府と野党の違いを超えて頑張って行く。住民の皆さんも頑張っていただければと思う」と語った。