日本労働組合総連合会(連合)の第87回メーデー中央大会が29日、東京・代々木公園で約4万人の組合員らを集めて開かれ、岡田克也代表が民進党代表としては初めてメーデーに出席した。

神津連合会長

神津連合会長

 主催者を代表してあいさつに立った神津里季生連合会長は冒頭、先の熊本地震災害の犠牲者の冥福を祈るとともに、被災者へのお見舞いを述べた。「今なお、厳しい避難生活を余儀なくされている多くの方々がいち早く普通の暮らしと仕事を取り戻せるよう国を挙げて取り組みを急ぐ必要がある。連合も全国での救援カンパやボランティア活動などできる限りの取り組みを展開をしていくつもりだ」と表明し、参加者に協力を呼びかけた。

 神津会長は、日本でのメーデーの起源に触れ「1920年に東京・上野で第1回が開かれた。多くの先輩方が『働く者の自由と権利』『明日への希望』『世界の平和』を求める思いをつないできた。そこから今日の状況を見渡したときに危機感を持たざるを得ない。失業率は見かけ上、改善をしているが、低所得の非正規雇用が増え、これを放置すれば『格差』『貧困』がさらに広がり、働く者が分断され、社会の崩壊を招きかねない」と現状に警鐘を鳴らした。

 最近の日本の政治状況にも言及し「労働者派遣法、安全保障関連法をめぐる国会運営に端的に現われてきたように(自民党)1強政治の中で、丁寧な合意形成の姿が失われていると言わざるをえない」と危機感を示すとともに、「『雇用と暮らしの安心』『健全な民主主義』を求めるもう一方の受け皿が求められている。そのためにも民進党には目先の人気取りに陥ることなく、社会の持続可能性に対する責任ある政策軸を示し、行動することで国民の期待に応えていただきたい」と民進党へのエールを送った。

岡田民進党代表

岡田民進党代表

 岡田代表はメーデーに祝意を述べた後、熊本地震災害への対応について「国会では連休明けに補正予算審議が行われる。こうした問題に与党も野党もない。民進党も早期に予算の裏づけのある対策を講じていきたい」との考えを示した。

 また、なぜ民主党から民進党を結成したのかについて「与党である自公、安倍政治の暴走を止めるために1歩前に出なければならないと考えた。2012年以来の3つの国政選挙で、私たちは結果を出すことができなかった。それは安倍政治が国民に支持された結果ではない。安倍政権の得票は増えていないが、野党が分裂した結果として安倍政治の独走を許してきた。だからこそ同じような考えをもった政党は1つになり、政権交代可能な政治を実現していく。そういう思いで民進党をスタートさせた」と説明し、民進党への理解と支援を求めた。

 そして来る参院選挙を格差社会に歯止めをかける選挙と位置づけて、「格差の少ない社会、中間層の厚みのある社会を形成する中で持続的な経済成長を実現していく。経済を大きくすることは大事だが、それが自己目的化してはいけない。経済を大きくすることは1人ひとりが幸せになるための手段であることを肝に銘じてがんばっていきたい」と参院選に臨む決意を語った。

ガンバロウコールするメーデー参加者
NPOふるさと支援センターブース前

NPOふるさと支援センターブースで買い物する岡田代表

民進党ブース前で岡田代表

民進党ブース前で岡田代表