衆院予算委員会で16日に行われた2016年度補正予算の締めくくり質疑で、大島敦議員が質問に立った。

 震災発生後に現地を訪れ、被災者の声を聞いてきたという大島議員は、現地にハウス園芸農家が多いことから、「一昨年の大雪被害の経験からしても、被災農家への補助率を上げてほしい」と政府に要請し、菅官房長官は「しっかり対応したい」と答えた。

 稲作農家については、「後継者のいない農家も多く、地域に合った支援が必要だ」と述べ、「補正予算には賛成だが、納税者の立場から有効に予算が活用されているか見守る」と表明した。

 また、行政書士などが地元に入って罹災証明などの作成を支援する動きがあるとして、「専門家の支援も必要だということを踏まえて対応してほしい」と求めると、河野防災担当相は「的確な位置づけを検討する」と答えた。

 大島議員は、「日本は毎年何らかの自然災害がある」と指摘して、地震予防についても国として民間の知恵を借りるべきだと提案すると、安倍総理は「民間の知見を取り入れるよう勉強したい」と述べた。

 また、人工衛星の活用について「準天頂衛星を7機持てば、日本独自で運用できる。安否確認と情報提供が可能になり、防災の視点から民主党政権で検討したが現政権下ではどう対応しているか」と確認すると、麻生財務大臣は「必要なもの」、安倍総理は「しっかり検討する」と答えた。

 加えて大島議員は同一労働同一賃金の課題に触れ、「まずは政治家同士がしっかり議論すべきだ」と申し入れた。

 衆院予算委員会で質疑が終局し、予算は賛成多数で衆院本会議に上程され、可決して参院に送付された。衆院本会議では石関貴史議員が賛成討論を行い、政府の予算編成を評価しつつも「被災地の要求にきめ細やかに沿った支出が行われるよう精査し、注文をつける」と述べた。