民進党は17日夕、「次の内閣」会議を国会内で開催し、特別養子縁組その他の養子縁組の促進、児童の福祉の増進を目的とする民進党の議員立法「特別養子縁組の促進等のための児童の養子縁組に関する法律案」を了承した。

 同法案は、社会的養護を必要とする子どもたちが、より家庭的な環境で健やかに育つことができるよう特別養子縁組制度を拡充するために(1)養子縁組あっせん事業を行う者について許可制度を実施する(2)児童相談所及び民間あっせん機関の養子縁組のあっせんに係る業務の適正な運営を確保するための措置を講じる――という内容。

 提案者の阿部知子ネクスト内閣府特命担当は本法案の特色について「特別養子縁組を行っている民間あっせん機関の質を維持し、適正な養子縁組を拡充させるために登録制から許可制にする。今まで児童相談所では養子縁組を行ってこなかったので、多くの赤ちゃんは乳児院などに預けられている。家庭的な環境の下で養育し、それが継続するという安定感を子どもたちに与えたい。児童相談所と民間あっせん機関が連携、業務の情報を共有しながら縦横にネットワークを広げてスキルアップを図る。これまでの養子縁組が出産後からであるのに対して、ハイリスク妊娠あるいは医療機関にもつながらないような妊娠をした女性たちを支える女性団体とも連携しながら妊娠期から進めるところに踏み込んだもの」と説明した。

 会議ではこのほか、預金者が名乗りを上げないまま10年間放置された休眠預金等を国民一般に還元するための超党派議員立法「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律案」に賛成、犯罪をした者の円滑な社会復帰を促進することによって再犯防止を図る超党派の議員立法「再犯防止等の推進に関する法律案」と、現在も部落差別があること、インターネットの発達によって生じている新たな差別問題に対処するための自公提案の「部落差別の解消の推進に関する法律案」の2法案に賛成の方向で山尾志桜里政務調査会長と井出庸生ネクスト法務担当に一任を決めた。

 また、衆院農林水産委員長提案である「真珠の振興に関する法律案」、衆院災害対策特別委員長提案である「平成28年熊本地震災害関連義援金に係る差押禁止等に関する法律案」、国会承認案件である「特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第5条第1項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件」――の3案件を審査し、賛成を決めた。

 政府提出案件では、児童虐待の発生予防、発生時の迅速・的確な対応等を目的とする「児童福祉法等の一部を改正する法律案」に修正を求めつつ賛成の方向で山尾政調会長と川田龍平ネクスト厚生労働担当に一任、再婚禁止期間の短縮等を柱とする「民法の一部を改正する法律案」に賛成の方向で山尾政務調査会長と井出ネクスト法務担当に一任することを決めた。「平成26年度決算」は否認、「旧外地特別会計の昭和19年度・20年度決算」は是認を決めた。