山尾政調会長は18日、定例記者会見を国会内で開いた。

 山尾政調会長は冒頭、2点の話をした。

 1点目は、16日の衆院予算委員会で自らが使用したパネル資料の件。16日の委員会では、このパネルは与党からの要望により、与党の各施策に対する態度を説明した部分を黒塗りで示していたが、この日は黒塗りの部分を外して説明した。

 山尾政調会長はパネルを示して、政府が「1億総活躍プランでやりたいやりたいと5点の施策を示しているが、与党は保育士の給与アップは審議拒否、長時間労働規制も審議拒否、同一労働同一賃金は反対、介護職員の給与アップは与党の反対で否決。返済不要の奨学金については、入れ込んでいたけど、反対しつつ、1億総活躍プランを見ると給付付き奨学金も先送り。まずはこのことをファクトとしてお伝えしたいと思いお持ちした」と予算委員会では話せなかった民進党と与党との各施策への態度の違いを説明した。

 2点目は、この日に開催された党首討論について、「消費税について岡田代表の提案は建設的だった。憲法については自民党の憲法改正草案についての安倍総理の思考の浅さが岡田代表との討論で浮き彫りになった」と感想を述べた。

 党首討論の中で、岡田代表が消費増税のために示した四つの条件にある『行財政改革』に必要なものは何かという記者からの質問については、「国会議員の歳費の問題、公務員の人件費の問題、ここを中心に身を切る改革を具体的に示す必要がある。自民党にはできない身を切る改革だと思う」と答えた。

 岡田代表が消費増税は先送りをするべきと表明したことに関して、このタイミングでの表明についての受け止めを聞かれると「代表なりにもちろん経済の状況を見ながら、党首と党首という最もストレートでしかもそれが同時に国民に伝わる場面ということでを考えたタイミングなんだと思う」と述べた。

 安倍総理の党首討論での答弁ぶりに関する受け止めを聞かれると「岡田代表が消費税の建設的な提案をした直後の総理の答弁は、しどろもどろ。象徴的だったのが、自民党改憲草案を前提とした自民党の安全保障または平和に対する考え方。岡田代表の質問は大事な質問だったと思うが、総理は全部話をすりかえた。自民党の安全保障は9条を変え、全面的な集団的自衛権を認め、ただし、侵略戦争はしないというもの。これから先、侵略戦争が起こるとは考えづらい。自民党の安全保障政策はこの国独自の平和主義というよりも、ほかの国と同じ普通の国になる。そう感じた」と述べた。

 また、おおさか維新の会が政党支部から選挙区内の有権者への寄付を禁じる公選法改正について他党に協力を求めたいと言っていることについて考えを問われると、「まずはきっちり法案を提出する数をそろえて、正式に(民進党に)提案したらいかがでしょう」と自身の見解を述べた。

 1億総活躍プランが待機児童対策に力を入れようとしていることに関しての受け止めを聞かれると、「プラン全体を詳細に検討していないが、言葉がおどる印象。やりたいやりたいといっているが、保育のことで言えば、やりたいといっておきながら、1カ月半われわれの法案を審議拒否。同一労働同一賃金もやりたいというが、男女の同一という概念がわかっていないままやりたいといってもできない。まずは(全産業の女性労働者との差を踏まえ賃金差がなくなるよう処遇改善すると述べた)発言を撤回してほしい。同一労働同一賃金を語るのはそのあとにして欲しい」と安倍総理の発言の撤回を求めた。

 この日に発表された2016年1-3月期のGDP速報値に関して、前期比0.4%増、年率換算で1.7%増と2四半期ぶりの増加についての受け止めを問われると、「今日の速報値は総理が認めたとおり、消費があいかわらず弱い。うるう年効果も含めて考えると、消費も設備投資もマイナス、公共事業も年度末ということを考えると弱い。そういったことを含めて、アベノミクスの効果が出ていない。アベノミクスが失敗だということが日に日に数字で裏付けられている。あとがないということだと思う。」とアベノミクスが失敗していると指摘した。

 また、個人消費が0.5%プラスになっていることの受け止めを聞かれると「個人消費、家計の消費は前期があまりにも悪すぎたというのもあるし、うるう年効果を考えると全消費が悪いということ」と景気の現状を悲観的に述べた。

PDF「(パネル資料)共生社会創造に向けて」(パネル資料)共生社会創造に向けて