岡田克也代表は21日、党愛媛県連が松山市内で開いた「参院選に向けた決起集会」に出席し、民進党が参院選愛媛選挙区で推薦する永江孝子(ながえ・たかこ)候補予定者を激励した(写真上は永江孝子さん)。

渡部昭愛媛県連代表

渡部昭愛媛県連代表

 集会は、松井宏治県連幹事長が司会を務め、渡部昭県連代表が開会のあいさつをした。渡部県連代表は「3月27日は維新の党と合流して歴史的な日になった。全国で野党統一候補擁立が着々と進んでいる中で、おおもとの火付けになったのはこの日だったと思う。岡田代表でなければできなかった大偉業だった」と民進党の結党をたたえた。

 永江さんは、「7月10日参院選投開票のニュースが入って気を引き締めなおした。愛媛が変われば日本が変わると思っている。皆さんに自分の応援をお願いするのは心苦しかったが、(出馬を決意したのは)孫たちのためだと思っている」と強い決意を語った。1年半前の衆院選のあとにいったん政治の世界を離れ、働いている人に直接役に立ちたいという思いから、話し方の教室やコミュニケーションの取り方の研修を開いていたエピソードを披露した。人の役に立つための事業を開いているなかで、市民団体や連合愛媛、民進党から今度の参院選への誘いがあり、最初は悩んでいたが次の世代への責任だと思い、もう一度立候補する決意をしたと経緯を説明。

永江孝子推薦候補予定者

永江孝子推薦候補予定者

 安倍政権が、多くの反対集会が開かれる中で安保関連法を強行採決で成立させたことについて、「黙っていたら認めてしまうことになる。ノーということを声を大にして言わなければならない。後づけで憲法そのものを変えていこうというのは姑息だ。ノーと言わせてもらえるなら、やらせてもらうことにした」と安倍政権への対決姿勢を強調するとともに、1年半のブランクを経て、「みんなの中に起こっている疑問や不安を一から出直して考えることができた」という永江さん。「介護の職場を訪ねて話を聞くと、ある介護男性職員は結婚を機に寿退職しなければいけないという。介護の世界では男性がそうする。生活していけないから次の仕事をする。胸が本当に痛んだ」と話した。待機児童問題では、自身の経験を紹介し、「保育園に預けて復職しようと思ったが、保育園に落ちた。託児所に預けたら、夕方子どもを迎えに行くと抱いてもらえなくて声がかれてかれていた。胸が痛かった。30年たっているのに、日本は少子化対策が一番大事だと言われているのに、政府の対応はすごく残念。保育園の定員は増やすが、中で働いている保育士の待遇が悪いから保育士は戻ってくれない。その待遇改善は先送り。こういう経験がある私なのだから、母の気持ちを持ってやっていきたい」という。「農業、水産業の皆さんの声も聞いてきた。ほんのちょっとの支えがあれば頑張れるのにと言っていた」。地元テレビ局のアナウンサーとして20年以上県内を歩いてリポートしてきた経験も生かし、現場を歩き、現場の声を拾い、それを政治に反映させたいと決意を語った。

岡田克也代表

岡田克也代表

 岡田克也代表は、「永江さんのことはまったくあきらめていなかった。次はこの人で戦うと決めてきて、何度も本人と話をして、玄葉選対委員長にも何度も話をさせた。各党、連合、市民団体が支える流れができた。次の参院選は安倍政権対国民の、県民の良識の選挙だと思っている。永江さんの名前は多くの人が知っているが、それだけでは不十分。本人も50日しっかり駆け回る」と永江さん擁立の経緯などを説明。今夏の参院選を経済政策の転換と憲法の平和主義が問われる重要な戦いと位置づけ、「投票率が上がるような選挙をやらなければならない。投票に行かなくて、あとで振り返っても遅い。永江さんは(出ることを)決心してくれた。その決意にしっかり応えていきたい」と表明した。

 岡田代表は参加者からの質問にも答えた。「民進党は何を目指すのか」という質問には、「旧民主党と大きく違うわけではなく、大きな方向性は一緒。旧維新の党の方が改革を前面に出していた。旧民主党も未来志向の改革をうたっていたが、与党を経験して薄くなっていた。新しいエネルギーを注いで前を見て進む」などと答えた。

 最後に池田美恵松山市議会議員の音頭で「ガンバロウ」コールを行い集会を締めくくった。

■愛媛3区白石洋一支総支部長集会

白石洋一愛媛3区総支部長

白石洋一愛媛3区総支部長

 岡田代表は同日、新居浜市で白石洋一党愛媛3区総支部長が開いた集会にも参加した。白石洋一総支部長は元衆院議員で党県連副代表。「ひたすらに一生懸命」をモットーに地元活動を続けており、この日も満席の会場で岡田代表とともに支援者に語りかけ、多くの会場出席者からの質問に答えた。

■岡田代表記者会見

 岡田代表は、新居浜市内の集会後に記者の取材に応じた。

 愛媛県民が今回の選挙についてどういう思いを持っていると感じたかという問いには、「私は危機感を持っていて、同じ思いを持ち、安倍政権の暴走を止める、政治の流れを変えるという思いで活動している人々がいることを確認した」と今回の愛媛訪問の手応えを述べた。伊方原発3号機が夏に再稼働を目指していることについての見解を問われると、「われわれは政権時代から変わっていない。新たな原発は造らない。40年ルールを厳格に適用する。安全性が確認されたものは再稼働する」と説明。どのように安全性を確保するかについては、「一番は避難経路がしっかり確認されていること。市町村レベルではなく、国が安全な計画をつくるべきだ」と国の対応を求めた。