枝野幸男幹事長は5日夕、訪問先の高知県で記者団の質問に答えた。

 7月10日投開票の参院選で、合区になる徳島・高知選挙区の情勢について問われると、「高知では相当頑張って体制もつくられて運動も活発に進んでいる。徳島でどう戦っていくのかということが課題。作れるとか作れたとは思っていないが、高知で追い越し、徳島の頑張りで全体としてかわしていくという構造が作りうる状況だ」と答えた。

 無党派層や保守層にどう支援の広がりを作り出していくかについては、「民進党の役割が一番大きいと思っている。保守本流の民進党が、自民党を保守と勘違いしている人たちにしっかりとアピールしていく」と訴えた。

 今回導入された合区選挙区について、「自民党が強行し、われわれが反対した合区は、全く合理的根拠なく恣意的に4県にだけ合区を強いた。2倍以内に収めるならもっと多いはずだし、なぜ4県だけなのか。明らかに恣意的に自民党が強行したものだ」と指摘し、「本来、こういったことは避けるべきだと思うし、早く解消したいと思っている。そのためには憲法について冷静な議論が必要だろうと思う。選挙制度、両院の役割という話を憲法を視野に入れて、しっかりと政党間で冷静な議論をするという姿勢を示すことが責任ある政府与党の態度だ」と答えた。

 自民党が参院選公約で合区解消のために憲法改正を検討すると掲げたことに対しては、「自民党・公明党・おおさか維新が不合理を強いる法案を強行した。そのことを指摘しておきたい。まさに粉飾の極みだ」「自民党は(マニフェストに)中途半端なことを書こうとしているが、マニフェストで各党がそれぞれ違うことをやったら、とても憲法改正なんて出来ずに絵に描いた餅。いつでも自民党は『新しい判断』をするから、それで良いのでしょう」などと厳しく批判した。

 安倍総理が消費税率の10パーセント引き上げ時に予定していた社会保障の充実・拡充の全てを行うことはできないと発言したことについては、「それによって計画されて期待されていた社会保障の充実が予定通り行なわれないことで、たいへん大きな影響を受ける人たちがいる。いち早く、その中身を示さないといけないのに、こんな無責任なことはない。われわれは税の使い道を転換し、無駄を削減することで社会保障の充実は約束通りやるということを明確にしている」と批判した。

 また、党首討論でその社会保障充実のつなぎ財源として赤字国債発行すると岡田克也代表が提案したことに対して、安倍総理が非常に無責任だと批判したことについては、「どうしても足りない部分があれば、赤字国債もやむを得ない。一方で、建設国債か赤字国債かの差異は、いまや財政の世界ではほとんど意味がない。われわれはその分建設国債等を抑制することによって、全体として次世代への負担はしっかりと抑える。この間、建設国債をばらまいてきたのは誰か」と答えた。