蓮舫代表代行は5日、大分県を訪れ、「日本の分かれ道 6・5危機突破集会」に参加し、この夏の参院選に立候補予定の足立信也参院議員、大分1区の吉良州司衆院議員らとともに、雨天にもかかわらず会場を埋めた1300人の支持者に向けて、この夏の参院選での勝利を訴えた。

 蓮舫代表代行は、「日本のトップは果たして世界に誇れるトップだろうか。戦後71年目に、現職の米国大統領を広島に招くことができたことは率直に評価し、日本のトップに対し敬意を表した。しかし、サミットの場を利用して、いきなり世界経済の危機宣言とは、いつから世界経済はリーマンショック前夜になったのか」と指摘。自分の経済政策の失敗を認めずに、「世界経済が悪いから消費増税を先送りする」と表明するようなやり方を、「あまりにもせこい」と、厳しく批判した。

蓮舫代表代行

 消費増税の延期について蓮舫代表代行は、「私たちは先送りすることに賛成で、そのための法案も国会に出している。その代わりに、国会議員の数、給与を減らす。行革を行い財政再建を先送りにはしない。そして軽減税率よりも、取り過ぎた人に税金を戻す制度を訴えている。そして、社会保障制度を守る法案も出している。対して安倍総理は、消費増税を延期するなら社会保障を削らざるを得ないと言う」と述べ、参院選でこれらの点をしっかりと問わなければならないと訴えた。

 足立議員は、「私は、今年は日本の分かれ道だと考えている。今年中には衆院選もあると思っている」と切り出し、安倍総理の言う憲法改正については、「私は憲法を全く変えてはいけないとは思っていない。国と地方、衆院と参院の役割りなどについては、変えていくべきだろうと思っている。しかし、自民党が党是としている憲法改正は、改正ではない。憲法を作り直そうとしている。戦後70年間、われわれが国是として守ってきた、海外では絶対に武力行使をしないということをなし崩しにしようとしている。さらに立憲主義や基本的人権の尊重まで削除しようとしている」と批判した。

足立参院議員

 教育への投資の重要性についても言及。「教育や人材育成をやり直さないと、人口が減少する社会の中で日本はやっていけなくなる。国からの教育への支出、子ども・子育てへの国の支援も先進国の中で最下位だ。せっかくわれわれが納めた税金の使い方が違うのではないか」と述べ、教育の仕組みを作り変えたいと強調した。

 「皆さんの思いをかみしめながら、一歩一歩前に進んでいくために、ぜひ皆さんのより一層の支援をいただきたい」と足立議員は参加者に呼びかけた。

吉良衆院議員

 吉良議員は、「この夏の参院選は、打倒安倍政権の大きな一歩を記したい。そのことを皆さん方と心合わせをしていきたい」と冒頭で参加者に向けて語りかけた。

 「政治家は何を言ったかではなく、何をやったかだ。民主党政権は期待外れだったと厳しい評価をいただいているが、しかし良いこともたくさんしてきた。その一つが医療改革。医療崩壊という言葉はほとんど耳にすることがなくなったが、それは、民主党政権時に足立議員が中心になり、医療崩壊させないという執念で取り組んだ結果だ。ぜひ評価は評価として、しっかりと受け止めてほしい」などと吉良議員は述べた。

 アベノミクスについては、「日本を奈落の底に落としかねない愚かな政策だ」と切り捨て、「安倍政権に限らず歴代の自民党政権は、日本が先進国になっても、発展途上国的な政策を打ち続けてきている結果、日本の成長力は弱ってしまった。成長のパイは増えていないのに、輸出企業がもうけているということは、その分を地方の一般庶民が損をしているということだ」と指摘し、地方からしっかりと批判の声を上げていくことの重要性を説いた。

 集会には、村山富市元総理、連合大分の佐藤寛人会長も出席し、会場参加者に向けて訴えた。

6・5危機突破集会