岡田克也代表は5日、北海道を訪れ、札幌市内で徳永エリ参院議員、鉢呂吉雄参院選公認候補予定者とともに街頭演説を行い、「安倍政権の暴走を止め、政治の流れを変えるため何としても勝ち抜く」と訴えた。司会進行は道下大樹衆院北海道1区公認内定候補予定者が務めた。

■徳永エリ参院議員

徳永エリ参院議員

徳永エリ参院議員

 徳永参院議員は、安倍総理が東京オリンピック誘致活動の際に福島第1原発の汚染水漏れを懸念する世界の声に対し「アンダーコントロール」と説明して日本政府の管理のもとで汚染水は港湾内にブロックされているので心配ないなどとスピーチしたことや、アベノミクスの失敗を覆い隠すためにG7の場を利用して世界経済が失速状況にあるなどと主張したことを取り上げ、「本当ではないうそを言い、国民との約束を簡単にほごにしてしまう総理の姿勢がそこにある」と指摘。「今回の参院選はこれまでにない大事な選挙だ。1強多弱の国会。総理大臣がやりたいと言えば、何でも決まってしまう国会。これを是正していかなければ取り返しのつかないことになると危惧(きぐ)している。万が一、参院選挙で3分の2の議席を与党に許してしまうと安倍総理が進める政治を信任したということになってしまう。そうなれば今まで以上に独善的な政治運営を推し進めることになる。何が何でも1強多弱を是正していかなければならない」「都会と地方の格差、富める者と貧しいものとの格差がどんどん開いている今の政治、この流れを何が何でも止めなければならない」として訴えた。

■鉢呂吉雄参院選公認候補予定者

聴衆に笑顔であいさつする鉢呂公認候補

聴衆に笑顔であいさつする鉢呂公認候補

 「顔の見える、声が届く」をモットーに国民一人ひとりの地域の声を国会に届けるという現場主義に徹して26年間国会議員を務めてきた鉢呂氏は、「民主主義国には政権交代を実現可能にする2大政党が必要」と訴えるとともに、労働者派遣法の改悪が行われたことに象徴されるように、働く人、そして若者が将来に希望を持てる社会とは言えない状況に安倍政権のもとで突き進んでいると指摘。「4割の人が非正規雇用では未来に希望が持てない。一番の元凶はここにある。民進党はまず、この派遣労働を厳しく制限していく」と話し、不安定雇用を正していくと力を込めた。また「国内総生産の6割以上は個人消費だ。大金持ちがどんなに金を使っても500兆円の6割を消費することはできない。国民の皆さん一人ひとりの買い物が日本の経済を底堅いものにする。最低賃金を上げていくことこそ、経済が好循環で回っていくことにつながる」と説き、「それを民進党にやらせてほしい。派遣労働を制限させてほしい」と力説した。

■岡田克也代表

岡田克也代表

岡田克也代表

 最後にマイクを握った岡田代表は来たる参院議員選挙について「安倍政権の暴走を止め、政治の流れを変えるため何としても勝ち抜く」「皆さまに民進党を強く大きく育てていただき、2大政党を担いうる政党としてこの参院選挙でスタートを切っていく」と力を込めた。

 政治家人生のなかで今最大の危機感を抱いているとの認識も示し、消費税増税を先送りした安倍総理について「必ず上げると言ってきたにもかかわらず先送りしたのは経済運営を誤ったからであり、経済運営の誤りを国民の皆さんにまず謝罪すべきだ」と批判。同時に消費税増税延期によって社会保障費の拡充や国の財政の立て直しが見通せなくなる事態を招いた責任を微塵も感じていない安倍総理の政治姿勢を「無責任だ」と批判した。

 「国民の8割が景気回復を実感していないという現状にあっては、アベノミクスはうまくいっていないということで結論は出ている」。打開策として「民進党は経済成長は大事だが成長だけではだめ、成長と分配の両立の実現が経済政策の要だ。一人ひとりが安心して生活でき、将来に希望が持てる状況を作り出していけば消費につながる。GDPの6割が個人消費で支えれている現状のなか、安心して個人消費に回る状況をつくりだしていくことが経済を回していくことになる」と政策転換の必要性を説き、こうした経済政策を推し進める民進党への支持を求めた。