枝野幸男幹事長は18日午前、愛媛県入りし、連合愛媛主催の集会に出席。「この夏、『1強他弱』と言われてきた政治構造を大きく転換させる一歩を踏み出そう」と訴えた。集会では、党が推薦する無所属のながえ孝子候補予定者が「連合愛媛」と政策協定を結び、神津里季生連合会長、杉本宗之連合愛媛会長と政策協定書に調印、勝利を目指して全力で戦っていくことを誓い合った。

枝野幸男幹事長

 枝野幹事長は、安倍総理や自民党の幹部が街頭演説などで誹謗中傷、デマ、レッテル貼りといった事実と異なる批判を展開していることを強く問題視。特に「野合批判」「アベノミクスに対する対案がない」という批判に対しては、「参院選は政権選択の選挙ではない。衆院だけでは権力が暴走するのをしっかりとチェックし、時にブレーキをかける、軌道修正するのが参院のもともとの役割だ。いまの日本では、いろいろな違いはあっても安倍政治の暴走をこれ以上加速させてはいけない、歯止めをかけて軌道修正しなければいけないという点で共通する皆さんが違いを乗り越えて1人の人を応援するのは野合でもなんでもない」「日本の経済を元気にするためにいまやらなければならないのは、子育て支援の充実と教育の底上げ、雇用の安定と賃金の底上げ、年金・医療・介護といった老後の安心だ。安倍総理は時代の変化についていけず、こうした政策は社会保障や福祉の世界であって経済とは関係ない、下手をするとマイナスになると勘違いしているのではないか。あるいは分かっていながら誹謗中傷、レッテル貼りをしているかのどちらかだ」ときっぱり反論した。民進党がその具体策として国会に法案を提出してきた保育士や介護職員の処遇改善や同一労働同一賃金などの政策に対して、「参院選挙を前に見出しだけ抱きついてきているのは自民党の方だ」と指摘、「案がないのはどっちだ。見出しだけ並べて中身がないのは自民党だ」と断じた。

 「ここから、日本の未来を大きく変える2、3週間になっていく。日本を大きく動かす当事者として大きな力を貸していただき、この夏、1強他弱と言われてきた政治構造を大きく転換させる一歩を踏み出そう」と枝野幹事長は呼び掛けた。

神津里季生連合会長

 神津里季生連合会長は、消費増税の先送りを表明した記者会見での安倍総理の「これまでの約束とは異なる新しい判断」との発言を取り上げ、「人の道にあらず。ましてや政治家が発する言葉ではない。ましてや一国の総理が発する言葉ではない」と指弾。また、延期されたのは消費増税だけではなく、社会保障や借金の削減、経済の活性化が先送りされたのが私たちを取り巻く状況だと指摘、「社会保障や教育、若い人たちが不安をもって家庭を持ち子どもを子育てしようということになっていないこの状況を改めることこそが最大の経済政策だ」と説いた。

調印式

政策協定書に調印し固い握手を交わす(左から杉本

連合愛媛会長、永江候補予定者、神津連合会長)

 ながえ孝子候補予定者は地元放送局で25年働き、うち18年は「もぎたてテレビ」という番組を担当してきたなどと自己紹介。県内各地を訪れ現場で働く人々の話を聞くなかで自分自身が励まされたという。2012年12月の総選挙で落選したときは、イカ漁の漁師をしている父親の『いまはレーダーがあるが、昔、遭難しそうになったときには船の明かりを全部消した。全部消して漂っていると星が見えてくる。動かない北極星で北が分かると安心して勘が戻ってくる』という言葉を思い出し、しばし漂ったあと奮起したと振り返った。

 2014年の総選挙後、一度は政界引退を決意したものの、今回、杉本会長から参院選挙への出馬要請を受け、さらには市民の皆さんが1000人の署名を持って要請に来られたことで、出馬を決意したと経緯を説明。「私自身この参院選の重要性はよく分かっていた。本当に、ここで踏ん張らなければ将来がおかしな方向に連れて行かれかねないというとき。引っ張り出していただき本当にありがとうございました。やり残した仕事はいっぱいある」「みんなふるさとで暮らしたいと思っている。そこで働いて子育てをし、安心して歳を重ねていきたいと思っている。その願いがかなうお手伝いをしていきたい。原点は皆さんの声だ。社会の課題として政治の場に持っていき、ともに考えてともに行動し、解決を図っていく。そのために正しく税金を使っていく政治に変えていきたい」と表明した。