参院通常選挙が公示された22日、岡田克也代表は山梨県甲府市で、党公認で立候補した宮沢ゆか候補とともに第一声の演説を行い、「安倍政権の暴走を止め、政治の流れを変えるため、この日本に新しい政治の風を吹かせるため、民進党に皆さんの1票を託してほしい」と訴えた。この日の第一声では、中島克仁衆院議員、今期で引退する輿石東参院副議長も駆けつけ応援のあいさつを行った。

岡田克也代表

岡田代表

 岡田代表はまず憲法改正問題を取り上げた。「5月の党首討論で私は安倍総理に、憲法の平和主義とは何かと問いただした。対して安倍総理の答えは、侵略戦争をしないことだと答えた。憲法の平和主義はそんなことではない。そもそも侵略戦争は国際法違反。日本国憲法の平和主義とは、専守防衛、海外で武力行使をしないということだ」「ここで参院で3分の2(の議席)を許せば安倍総理は必ず憲法改正をしてくる。特に9条を変え、集団的自衛権の行使を限定なくできる国にしようとする。日米同盟を血の同盟にしようとする。そんな道に踏み込ませてはならない。そのためにはまず、参院で3分の2を取らせないことだ」と指摘し、「今の与党が改選議席で過半数を目指すというならば、それを打ち砕くことが私たちの目標だ。簡単なことではないが、不可能なことではない」と説き、民進党への支援を求めた。

 所得格差や貧困問題を取り上げた岡田代表は、「安倍総理は、アベノミクスのギアを上げるという。安倍総理の経済政策全てを否定してはいないが、もうアベノミクスは限界にぶち当たり、さまざまな大きな問題が生じている。非正規の働き方が4割を超えている。小泉政権で製造現場に派遣労働を認め、そして昨年は安倍総理が派遣法を改悪して、終生派遣ができる道を開いてしまった。不安定に働く中で、30代、40代になっても給料が増えない。だから結婚することをあきらめざるを得ない。そういう若者たちがたくさんいるこの現実を許しておいていいのか」「子どもの6人が1人が貧困で、1人親家庭の2世帯に1世帯が貧困という、こんな国は世界中の先進国の中にない。また、単身の高齢女性の2人に1人が貧困。一生懸命働いて頑張ってきて、しかし配偶者が亡くなれば、年金も半分になってしまい、生活ができなくなるから生活保護の申請をせざるを得なくなる。こんな国でいいのか。これは政策がおかしいからこんなことになっている」と、安倍政権の政策を厳しく批判した。

 「こういう弱いところにしっかりと手当てし、そして安心して生活ができる、将来に希望が持てる状況を作り出すことこそが経済成長にもつながる。GDPの6割が消費だ。安心してお金が使える状況。つまりしっかりとした分配。この分配と成長を両立させる政策こそ本当の意味の経済政策だ」と経済政策の転換を訴え、民進党と宮沢ゆか候補への支持を求めた。

宮沢ゆか候補

宮沢ゆか候補

 子育て支援事業に長年取り組んできた新人の宮沢ゆか候補は、「子どもたちが安心して生まれて幸せに育つ社会をつくりたい」と力を込めた。「子どもは私たちの未来だ。私たちの希望だ。子どもの生まれない社会に未来はない。いま日本は、人口減少社会という岐路に立たされている。子どもが生まれてこなければ、高齢者の介護をする人も足りない。この社会をつくる人がいなくなる。子どもの幸せと笑顔のために、ましてや安保法制なんてこんな恐ろしいものを次の世代に譲り渡すことはできない。私たちは、戦後70年、苦しい思いをしてきた先輩方が必死の思いで守ってきた平和を、次の70年にも渡さなくてはいけない。平和がなければ子どもに笑顔は生まれない」と説いた。

 「先日、若者たちと話す機会があった。まだ20歳そこそこの若者たちは、『就職が心配で恋愛なんかしてられない。給料が不安で結婚なんかできると思えない。ましてや子どもなんて一体いくらかかるのか』と、私に聞いてきた。普通に男女が出会って、普通に恋愛をして、普通に結婚して普通に子ども産み育てる社会が、どうして今ここにないのか。私は普通の人が幸せになる社会をつくりたい。子どもたちが安心して生まれて幸せに育つ社会をつくりたい」と宮沢候補は述べ、支持を訴えた。

山梨第一声