長妻昭代表代行は26日、民進党公認の徳永エリ候補の応援のため北海道に入り、札幌市内で開かれた街頭集会に参加。激しい雨のなか集まった大勢の聴衆を前に、憲法改悪に歯止めをかけるためにも徳永候補への支援をと訴えた。

長妻昭代表代行

長妻昭代表代行

長妻昭代表代行

 司会者から「ミスター年金」と紹介された長妻代表代行は冒頭、第1次安倍政権時に発覚した「消えた年金」問題で民主党政権では1億3千人のうち1300万人、約2兆円の年金記録を取り戻したが、安倍政権になって記録の訂正業務を受け持っていた年金記録確認第三者者委員会を廃止したことに触れ、「安倍政権は国民一人ひとりの社会保障、人生にもっと目配りをしてもらわないと困る」と批判。イギリスの欧州連合(EU)離脱の影響により株価が下落、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が株の運用割合を倍にした年金積立金140兆円をめぐっても、「相当な損が出ている」と問題視した。

 そのうえで、「今回の参院選挙の最大の争点は憲法改悪に歯止めをかけることができるか否か」だと述べ、自民党の憲法改正草案では集団的自衛権を制約なく認め、武力行使をできるようにするとしていることや基本的人権について定めた憲法第97条を丸ごと削除していることなどを指摘。「参院選挙で歯止めをかけないとポイント・オブ・ノーリターン、後戻りできない一線を越えてしまうことになる。どうかこの危機感を共有してもらいたい」と訴えた。

 経済政策については、「経済成長を阻害している原因である『教育の格差』『雇用の格差』『男女の格差』の3つの格差を取り除かなければいけない」と強調。「男女の格差」をめぐっては、日本の国会の女性議員の割合は約1割と世界的にも低いと指摘し、民進党はクオータ制導入に向けた法案を国会に提出していることを紹介。「男性議員、おじさん議員ばかりでは新しい価値観や新しい予算配分、新しい価値観が生まれにくい。この北海道の立候補者のうち女性は徳永さんだけだ。ぜひ多様な価値観を認める社会をつくっていくためにも徳永さんへの支援を広げてほしい」と呼びかけた。

徳永エリ候補

徳永エリ候補

徳永エリ候補

 徳永候補は、「今の安倍政権が行っているのは強者がますます強くなり、富める者がますます富をふくらませていく、強者のための政治だ」と批判。イギリスのEU離脱により株価は下がり為替は円安から円高に推移していることにも言及し、「株や為替に依存するリスクの高い経済政策は元々だめだったのだ。この3年半でアベノミクスの恩恵を受けたのは一部の大企業。グローバル経済のもとではこうした危機への不安もあって企業はどんなに大きな利益を得ても内部留保に回し、それを働く人たちには還元しようとはしない。働く人の賃金は上がらないなか、政府は法人税を3年間で7%引き下げる一方、消費税は5%から8%へと引き上げ、多くが厳しい経営状況にある中小企業に対しては外形標準課税を強化した。政治は、国民の安心のために政治を行っていくことが第一ではないか。こうした強い者には優しく、弱い者には冷たい政治をいつまでも続けておくわけにはいかない」と力を込めた。

 また、集団的自衛権の行使を容認し、自衛隊の海外での武力行使を可能とする安保法制の廃止を目指す考えを示し、「平和を守る。子どもたちの未来を守っていく。憲法改正の議論と安倍政権下の憲法改正は分けて考えなければいけない。立憲主義を理解していない安倍総理の下での憲法改悪は阻止しなければいけない。そのために勝ち抜き、参院選後の国会で守るべきものを守るための戦いをしていきたい」と表明。TPPをめぐっては、「国益にそぐわない、国民の安心、安全が担保されていないTPPは止めなければいけない。農業、農村のみならず、国民の暮らしの安心安全を守らなければいけない。どうか皆さんの代弁者として国会で引き続き働かせてほしい」と訴えた。

 「政治は未来をつくる仕事であり、夢と希望と安心がなければいけない。政治は弱い立場の人に光を当てることが役割でもある」と述べ、「格差を拡大し、貧困を増やす今の安倍政治に未来を託していいのか。しっかり考えて判断してほしい」と呼びかけた。

 街頭演説会には、北海道連代表の佐々木隆博衆院議員、横路孝弘最高顧問、荒井聡衆院議員はじめ多くの自治体議員らが参加した。

雨の中懸命に訴える徳永候補
激しい雨の中徳永候補の必勝に向け多くの人が参集

激しい雨の中徳永候補の必勝に向け多くの人が参集