岡田克也代表は3日、民進党公認の、たなぶまさよ候補の応援のため青森県入りし、青森、八戸両市内での街頭演説に参加。国民一人ひとりが安心して生活できる社会にしていくため、たなぶ候補へのさらなる支援を呼びかけた。青森市での街頭演説会には連合の逢見直人事務局長、SEALDsの林田光弘さんはじめ多くの同志が応援に駆けつけた。

 青森市での街頭演説で岡田代表は、非正規雇用労働者の割合が4割を超え、不安定な雇用環境のなか結婚や子どもを持つことを望みながらもあきらめざるを得ない人が増えていること、子どもの6人に1人が貧困、1人親世帯の半分が貧困世帯と格差が拡大し、親の収入格差が子どもの教育格差につながっている現状に対し、「政策が間違っているからだ」と批判。民主党政権時代に高校授業料の無償化を実現したことで経済的な理由で高校を中退する生徒の数が半減したことに触れ、「今度は給付型の奨学金の創設を提案している。若者や子どもは日本の宝だ。だからこうした子どもや若者への支援策を一つひとつやっていく。どうか私たち民進党に、たなぶさんにやらせてほしい」と訴えた。

岡田代表

 高齢の単身女性の2人に1人が貧困であることには「一生懸命年金保険料を払っても食べていけないのは政治が役割を果たしていないからだ」と述べ、民主党政権時代の社会保障と税の一体改革で、当時野党だった自民、公明両党とも合意し決めた低年金者に対する毎月5千円の給付金や、低所得者に対する介護保険料の軽減措置が消費税増税が延期されたことでさらに先送りされると指摘。「安倍政権の経済失策のツケを低年金者や低所得者が負わされている」と問題視し、「一人ひとりの国民が安心して生活できる、将来に不安のない日本をつくることが持続的な経済成長につながる。安心してお金を使うことにつながる。そういう社会を一緒につくっていこう」と呼びかけた。

 憲法改正をめぐっては、自民党の谷垣幹事長が「野党第1党の民進党と議論がしたい」旨発言していることを受け、「そうであるなら自民党の憲法改正草案を白紙撤回すべきだ」と主張。「憲法の平和主義、専守防衛を守るためここで踏ん張ろう」と力を込めた。

 たなぶ候補は、「政治のやるべきことは何なのか、政治のあるべき姿とは何なのか。自分の努力だけではどうにもならないところで歯を食いしばって生きている人たち、自分の思いが届かないとあきらめながら一生懸命生きている人たちの思いをしっかり受け止め、寄り添って光を当て、そういう人たちに希望を感じてもらうことが政治の役割だ」と、安倍政権との違いを強調。青森県内を歩く中で、たなぶ候補の手を涙を流しながら握り、「この苦しみを分かってほしい」「たなぶさん、頑張って私たちの思いを政治に届けて」と言う何人もの人に出会ったとして、「涙を流すほど追いつめられた生活をしている人たちが、それでも声を上げられずに歯を食いしばっている人たちがいることが安倍総理には届いていない」と断じた。

たなぶ候補

 「安倍総理は、アベノミクスの成果を強調したいばかりに都合のいい数字だけを取り上げている。『賃金3年連続2%上がった』と言うが、年収1千万円以上の人の収入が増えているからだ。平均値で見たら本当に見なければいけないところを見落としてしまう。本当に政治が救わなければいけないところに目が届かなくなってしまう」と指摘。年収1千万円以上の所得の人が増えた一方で年収200万円以下の人たちが増えているとして、「ますます格差が開き、低賃金、低所得の人が増えていったら経済は元気をなくしてしまうし、一部の大企業、富裕層だけが豊かになっても地方の経済は豊かになるわけない。一人ひとりの暮らしのなかにゆとりや豊かさを確実につくっていくことが大事ではないか」と提起した。

 子どもの貧困問題については、「親の収入を気遣って進学したいと言えない、夢をあきらめている子どもたちがいる」と、生まれた環境によって将来の選択肢が狭められてしまっている現状を憂うとともに、「子どもを大学に入れてやることができなかった」とある漁村で出合った人から、自分自身を責めるかのような話を聴いたことを紹介。「親だって子どもの夢を奪いたくはない。何とかしてやりたいと思っているが、どんなに頑張ってもどうにもならない人たちが世の中にはいる。家庭の環境に左右されることなく夢を持つのが、意欲ある子、能力ある子がその夢をつかみ、能力を伸ばし、技術を高める。こういうことがこの国の大きな力に変わっていくのではないか。この地方を支える大きな力に変わっていくのではなか」と訴えた。

 最後に、「平和の世の中で生活していくのが当たり前だと思っていたが昨年の安全保障法制の議論を見て、平和は当たり前ではなかった。ここにいる皆さんが必死にいのちを懸けて守り抜いてきたものだということに気付かされた。『誰の命も奪わない、誰の命も奪わせない』、この思いを共有して、安保法制の廃止を目指し、この国の平和を守り、次の時代に平和をつないでいかなければいけない」と表明。「このふるさと青森のため、未来のため、平和を守るために力を貸してほしい。残り1週間、全身全霊をかけて戦っていく。1人でも多くの支援の輪を広げてほしい」呼びかけた。

青森駅前に約400人が集結

青森駅前には約800人が集結