岡田克也代表は6日、長野県長野市を訪れ、党公認の杉尾ひでや候補、志位和夫日本共産党委員長、又市征治社民党幹事長、SEALDsの諏訪原健さんらとともに合同街頭演説会を開いた。

岡田克也代表

岡田克也代表

岡田克也代表

 「残すところあと3日。この選挙、どうしても負けるわけにはいかない」と岡田代表は切り出し、まず憲法の話題に触れた。「憲法の平和主義が危ない。安倍さんは侵略戦争をしなければ憲法の平和主義は構わないんだと言う。しかし違いますよ皆さん。専守防衛、海外で武力行使をしない。これが日本国憲法の平和主義。これをねじまげて憲法9条2項まで変えようとしている。(改憲勢力が)3分の2の議席を取れば憲法改正がやってくる。危機感をもっとお互いに持とうじゃないか。新聞各紙は与党あるいは改憲勢力が3分の2の議席を取りかねないと言っている。皆さん本気でこれを許していいのか。憲法改正の道に一歩踏み出すことは絶対に阻止しようではないか」と述べ、改憲勢力に3分の2の議席を取らせないように強く協力を求めた。

 続いてアベノミクスに触れ「自民党が単独過半数をとるというメディアもある。もし、自民党が単独過半数になれば安倍さんとアベノミクスにお墨付きを与えたことになるが、皆さんそれでいいのか。アベノミクスは円安株高に引っ張られた恵まれた政策だったと思う。しかし、円安株高も終わった。政府は今年度予算を作るにあたって為替レートを122円と設定したが、今いくらか。20円以上円高に振れている。税収も上がらない。安倍さんは成長の果実を分配に回すと言っていた。安倍さんの言う成長の果実とは税収が上振れしたもの。昨年の補正予算では、まさしくそれを使って景気対策をやった。だが、もう税収の上振れなど期待できない。安倍さんはこの選挙が終わったら5兆とか10兆とか20兆とか補正予算を組むと言うが、結局それは借金を当てるしかない。借金をして公共事業をどかんとやる。古い昔の自民党に戻るだけですよ、本当にそれでいいのか」と疑問を表明した。

 長野県選挙区の情勢について岡田代表は「私はこの選挙を国民の良識と安倍政治の戦いだと思っている。この長野選挙区では長野県民の良識と安倍政治の戦い。皆さん勝とうではないか。今はまだ接戦だが、長野市では負けている。長野市民の勢いで変えてほしい。どうかこの杉尾さん、素晴らしい候補者を間違いなく皆さんの力で国会に送ってくださるようお願いしたい」と述べ、杉尾候補への支援を強く訴えた。

杉尾ひでや候補

杉尾ひでや候補

杉尾ひでや候補

 35年ほどTBSの記者、キャスターとしてテレビの最前線に立っていた杉尾ひでや候補。新人ながら知名度抜群ではあるが、ここまでは接戦が伝えられている。その杉尾候補は最初に「今の政治を変えてほしい、安倍政権を変えてほしい、平和の日本を守ってほしい。その市民の皆さんの一人ひとりの思いが、今回の歴史的な野党共闘を実現させた。本当にありがとうございます」と1500人の聴衆に感謝を表明。「日本中の注目を最も集めているのがこの長野県選挙区」と自身の選挙区を位置づけ、だから自民党は必死になり、安倍総理は3回長野に入り、人気がある小泉進次郎衆院議員も2回入ったと、自民党も必死になっていることを説明した。

 杉尾候補は、安倍総理が演説で何度も繰り返して触れる話と、全く触れない話があると指摘。何度も繰り返して触れる話の一つは「野党は与党の批判ばかりしている」という野党批判で、もう一つは野合批判だとしたうえで、「元祖野合政党の自民党に野合批判なんかされる覚えは全くない」と断じると、聴衆から大きな拍手が沸いた。

 安倍総理が演説で全く触れない話は年金積立金の株式運用を2倍以上に増やした結果の10兆円とも言われる巨額損失の「消された年金」問題。「誰がこんな風にしたか、誰が責任を取るのか。こういうことは絶対言わない。安倍総理は泥沼に片足を突っ込んで足が抜けなくなっている」と表現した。杉尾候補は安倍政治が数の力で押し切って、強者の政治をしていると指摘したうえで「生活できない人がいるんです」と述べ、その例として相対的貧困世帯、ワーキングプア、シングルマザー、年金を減らされている高齢者、障害を抱えて働こうにも働けない人を取り上げた。そして「一人ひとりの弱い人の生活を支え、暮らしを支え、弱い人たちのために政治があるんじゃないか。強者のための政治から弱者のための政治に変えよう」「われわれはそういう人への投資、ここにもっとも重点を置く。そういう政治に変えていかなければいけない。強い国家があっての国民じゃない。国民あっての国家だ。そのために何が何でも今の政治を変え、安倍政権を退陣に追い込み、将来的には政権交代につなげていく。その一歩にするための大事な戦い。絶対に負けられない戦いがここにはある」と訴えると、聴衆からも「そうだ」と大きな声があがった。

 「どうか皆さん。皆さんの力が頼りだ。自民党と公明党が本気で進めてくるなら、われわれは自由と平和と民主主義を愛する、それを次の世代に引き継ごうと思っている皆さんの強い意思、これがあればわれわれは勝つことができる。どうかみなさん、一緒に戦ってほしい。ともに勝利の日まで頑張ろう」と杉尾候補が演説を締めくくると、1500人の「杉尾コール」が起こり、杉尾候補は両手を挙げて声援に応えた。

多くの方々と一人残らず握手する杉尾候補

多くの方々と一人残らず握手する杉尾候補

声援に応える
多くの聴衆