岡田克也代表は1日午後、定例記者会見を党本部で開き、(1)台風10号による被害(2)党代表選挙(3)2017年度予算の概算要求(4)築地市場移転延期――等について発言した。

 台風10号の影響により岩手県、北海道を中心に甚大な豪被害が出ていることを受け、党として対策本部を設置(本部長・枝野幸男幹事長)、枝野幹事長、山尾志桜里政務調査会長がそれぞれ岩手県、北海道を訪れ現地視察を行う予定だと報告。「しっかり情報収集をし、必要があれば政府に対し要望をしていきたい」と述べた。

 党の代表選挙をめぐっては、「お互いに双方向で議論するなかでいろいろな問題が深まり、見ている方にも分かりやいものになると思う。活発な討論が行われることを期待したい」と求めた。

 2017年度予算の概算要求については、「これから査定の作業があるので、概算要求だけを見て物事を決めつけるのはよくないと思うが」と前置きしたうえで、「非常に膨張型の予算要求になっている。一方で補正予算を用意しながら、さらに来年度予算を膨らませるというのでは財政健全化は一体どうなってしまうのか、心配するのは私だけではないと思う。大事なのは選択と集中であり、付けるべきところはしっかり付けていかなければいけないが、従来の予算に切り込むことも同時に行っていかなければ増えるばかりだ」と問題視。外務省の大使館や総領事館を増やそうとしていることを一例に、「民主党政権の時には先進国の総領事館をなるべくコンパクト化、あるいは数を減らし、それを財源にして新興国やアフリカといった必要な大使館などを増やしていった。新興国が伸び、アフリカが発展してきているなど全体の経済構造も変わってきているなかで、従来手厚かったOECD(経済協力開発機構)に加盟している国の人員を削り、それを新興国や途上国に振り向けていくことをやっていた」とその姿勢の違いを指摘し、「今、そうしたことがどこまでなされているのか気になるところだ。2020年プライマリーバランス黒字化という旗は降ろしていないということだが、そのためのしっかりとした努力がどこまでなされているのか、非常に心配している」と懸念を示した。

 小池東京都知事が31日、11月に予定していた築地市場の豊洲移転の延期を表明したことには、「選挙で約束されたことであり、正しい判断だと思っている」としたうえで、「同時に、迅速に結論を出していくことも重要だ」と主張。小池知事が延期の理由として挙げた「安全性への懸念」について、「しっかりと安全性を確認することは極めて重要だが、全ての調査が出るまで待たなければいけないのか。もっと調査を早めることも可能だと思うので迅速に調査結果を出し、安全性を確認できるのであればいつまでも延期をしておくということではないだろう」と述べた。加えて、知事が挙げた「情報公開の不足」と「予算の膨張」についても、「私も知事と同じ認識だが、だからといって移転を遅らせる理由にはならない。遅らせることのデメリットもあり、並行してしっかりと迅速に進めてほしい」と注文を付けた。

 10月に実施される衆院東京10区と同福岡6区の補欠選挙の位置づけについては、「極めて重要だ。新しい執行部がスタートして1カ月ちょっとで投票日を迎えるという意味では、新執行部の問題である以上に現執行部の問題だ。しっかりとできるだけのことはやっていこうと、態勢をつくり進めているところだ」と強調。自身も今後現地に入る予定だとし、同選挙での野党共闘のあり方をめぐっては、「代表選でも議論があるところかも知れず、今の執行部で決めきるのは適切でないと思う」と述べるにとどめた。