岡田克也代表は8日午後、党本部で最後の定例の記者会見を開き、これまで1年9カ月の党運営を振り返っての感想を述べた。

 岡田代表は、「これまでお世話になりました。1年9カ月、この間私としては全力投球でこの党の立て直しに取り組んできた。120%自分としては力を尽くしたという思いがある。特に思い残すことはない」「この党が国民の皆さんの信頼を取り戻して、もう一度政権を担える状況までにはまだまだ乗り越えないといけない課題はたくさんある。それを新しいリーダーのもとでしっかりと乗り越えて、全員野球で政権交代ある政治の実現に向けて一丸となって頑張っていかなければならない」と冒頭で述べた上で、「執行部からは退くが、代表でなくてもできることがたくさんある。新執行部を後ろから支え、全員野球の一員としてこの党の再生に向けて全力で努力したい」との考えを示した。

 この1年9カ月で一番印象に残っていることを漢字1文字で表すと何かとの問いに、「漢字1字なら『進』。民進の進。一番の思い出は参院選。3年前と比べればほぼ2倍になった。これはわが党を支えてくれた一人ひとりの皆さんの努力の結果だ。再生に向けて一歩踏み出したという意味で思い出深いことだ」と答えた。

 1年9か月前とどう変わったかを聞かれ、「網膜剥離を患ったこともあり、かなり人に任せて党運営をしてきたと思う。何でもかんでも自分でやろうとした10年前の代表の時とは変わったと思う。私が変わったこともあるが、それだけ人材の層が厚くなったということだ」と述べた。

 一国会議員として今後取り組みたいことを問われ、日中関係をこれからをどう構築するか、日米同盟をどう深めていくか、財政の健全化などいくつかのテーマを挙げたうえで、「民進党という意味では、女性がもっと増え、見識のある人がわが党に入ってもらいたい。地方の立て直しや優秀な新人の後押しなど、いろいろなことをやっていきたい」と答えた。

 これまでの党首討論などでの安倍総理との議論を振り返って、最後に言いたいことは何かと問われ、「安倍総理とはがっかりすることが多かった。まともに答えが返ってきたことはほとんどなかった。こういうことが続くと議会政治が形骸化してしまう」と批判。対して小泉総理との議論については、「変な答弁はたくさんあったが、議論していて楽しかった」と称賛。安倍総理とは徒労感、どれだけ意味があったのかと自問するやりとりだったと答えた。

 民進党が2大政党の一翼を担うためにもっとも必要なことはとの問いに、「自信をもって前に進むこと。民進党の支持率は地域によって差はあるが、われわれの考えをしっかりと自信を持って訴え、それを徹底することが大事だ」と、力強く述べた。

 これから何をするのかとの質問に岡田代表は、「いろいろな人と交流したいが、やらなければならないことは犬の散歩。ほとんどできていないので、夫婦でやるのが当面の予定。もうコースは出来ているらしい」と答え、最後の定例記者会見を終えた。