蓮舫代表は28日、自身が代表質問を行った参院本会議終了後に国会内で記者団の取材に応じた。主なやりとりは次の通り。

 問 代表就任後初めての代表質問を行った率直な感想を。
 答 すっきりしない消化不良感が残った。昨日の野田幹事長が22回、私が24回提案した。今の政権の政策に問題があると考えるから提案したが、今日の総理の答弁は、経済政策や金融緩和については自画自賛で終わった。児童扶養手当や年金介護の私たちの具体的提案には、われわれへの悪口で切り返した。対案型にしたいのだが、なかなか双方向にならない。すっきり感のない答弁で残念だった。

 問 今後、総理にどのような答弁を期待するか。
 答 (本会議の)答弁に期待することは難しいと思う。予算委なら双方向なので、しっかりと向き合いたい。

 問 TPPの試算を総理が「見直さない」と答弁したことについて。
 答 SBS米偽装価格、TPP誤訳と次から次へと無理を通そうとしたことが明らかになった。なぜ間違いを率直に認めて話さないのか。何に固執しているのか。いよいよ分からなくなった。

 問 民主党政権時代と比較して反論する総理の答弁手法について。
 答 安倍総理の対応を真似したいと思わない。総理が私たちの悪口を言うのであれば、その手法を真似すると麻生内閣の問題を言わなければならず、どこまでさかのぼればいいのかということになる。特に子どもの貧困問題は、4年前がどうとかではなく、今どうするかを提案した。総理には、今について向き合っていただきたい。

 問 共同通信が行った世論調査で蓮舫代表への期待が59%なのに対して、民進党の支持率が9.9%だった。このかい離についての分析と党の支持率の高め方についての所見を。
 答 できれば縮めていきたい。私への期待に党の支持率が近づいてほしい。

 問 自民党の高村副総裁が民進党の提案型方針について「実現可能な提案をしてもらいたい」とコメントしたことについて。
 答 気にしていただけるだけで十分ありがたい。私たちは実現可能なものしか提案していない。ぜひそこの部分で認識を共有させていただきたい。

 問 質問の最後で取り上げた女性活躍に関する総理の答弁及びそれで質問を締めくくった思いについて。
 答 スローガンとして総理の思いを言い続けることは大事だ。所信表明演説の要所要所に女性という言葉が入っているからいいではないかという答弁だった。意味合いが全く違うと思う。丸めるのではなく、旗を掲げることが大切だ。特に輝く女性は、総理に対して私が評価している数少ないことの一つ。認識を強く持っていただきたい。1億総活躍にも触れたが、活躍したい人もいれば、目立たずむしろ活躍する人を支えたいと思う人もいる。活躍したくても活躍できない環境にいる人もいる。特にそこにいる女性の地位がまだ高くはないという意味合いを込めて、敢えて最後に質問した。

 問 最後に金子みすずさんの「みんな違ってみんないい」という詩を引用した狙いや思いと安倍政権との違いについて。
 答 私たちは多様性を認める社会をつくりたい。1億総活躍の思いを評価するが、みんなで一緒に活躍しようという社会ではなくて1人ひとりが自分の力、自分のやりたい方向を認めてくれる国をつくりたい。ここは対照的だと思う。私たちの政党がめざす社会、(安倍政権に対する)究極の対案だと思う。

 問 自民党が党大会を1月から3月に設定したことを受け、衆院の解散風がここ数日吹いていることについて。
 答 永田町ではいろんな風と声が降ってくることがある。民進党はチャレンジする政党として再スタートを切っている。どんな時でも常在戦場で頑張る。

 問 オリンピックや豊洲市場など東京都の問題を質問で取り上げた意図について。
 答 昨今の報道を見ると、食の安全は東京都民だけの問題ではなく、日本国の皆さま方の関心が高い。東京都政だけで切り捨てるのではなく、国政がしっかりそこに関与することが、予算、食の安心の意味でも重要だと思い取り上げた。

 問 質問で取り上げた築地の移転問題に民進党としてどう向き合うのか。
 答 まずは情報を徹底的に公開していただいて、なぜこうなったのか。真相究明を都議会でもしていこうと思う。そのうえで、ここから先は都知事も議会も判断が難しくなると思うが、都民が国民が納得できる形に持っていかなければいけないと思う。抵抗ではなく、ここはしっかりと対案で都議会も対応する。

 問 来る衆院東京10区補選で東京都の豊洲市場移転問題について訴えていく考えはあるか。
 答 国政で安倍政権に対案型で対峙(たいじ)していく立場にある。補選では国政の課題を主に訴えていく。

 問 オリンピック準備や豊洲移転問題などでの小池都知事の対応についての所見と今後の都知事との連携の可能性について。
 答 これまでの対応は頑張っておられるとの一言に尽きる。オリンピック、パラリンピックの最終的な財政保証は国家である。その部分で連携を取っていかなければ、都民だけではなく国民の税金の無駄につながるリスクもある。ぜひできるところは取りたい。

 問 代表質問にあたって選んだ今日の服装について。
 答 「母が着ていきなさい」と貸してくれた。