大西健介議員は4日、衆院予算委員会で補正予算に関する締めくくり質疑に立った。

 冒頭、大西議員は今回の補正予算について「3年半に及ぶアベノミクスの成果が十分に上がらないなかで、安易な国債発行による財源調達や、公共事業中心の内容になっており、かつての失敗の構図を繰り返すかのような内容になっている。とても賛成できるような内容でない」と述べた。

 8月の内閣改造に際し「最大のチャレンジ」と位置づけた「働き方改革」について、大西議員は労働者目線ではなく経営者目線の改革になっているのではないかと指摘した。従来、ワークルールの改定は、労働政策審議会(労働者側・使用者側・公益代表の3者それぞれ同数で構成)の合意で進めるというのがILOの国際労働基準にのっとった手順であり、労働政策の根幹として長年守られてきたが、「安倍政権になり、産業競争力会議や規制改革会議など、財界代表を中心に労働者の代表を入れない会議体で雇用政策や労働政策をまとめ、閣議決定し、ほとんど固まった後に労働政策審議会にかけるという手法を多用している」とし、労政審を軽視しているのではないかとただした。これに対して安倍総理は「働き方改革実現会議では労使のトップが入っており指摘は当たらない」と答えた。

 大西議員は「働き方改革実現会議も労政審飛ばしになっている。(構成は)安倍首相の他8人の関係閣僚と、15人の民間有識者で構成されているが、使用者側団体の代表が3人、労働者側の代表は1人。労政審よりも官邸の意向が反映しやすくなっている」とさらに指摘した。これに対して安倍総理は、「それはいろいろな見方があるが、そこでしっかりとした深まった議論がなされることが大切なんだろうと思う」「働き方改革や同一労働同一賃金など、経済界側にも慎重な意見が多い。十分納得していただく上で彼らにもしっかりと参加をしていただいて、ともに責任を担っていただこうという考え方だ」と述べるにとどまった。

 労働基準法改正案についても、大西議員は高度プロフェッショナル制度や課題解決型提案営業などを追加した裁量労働制の問題点などについて指摘したが、議論は平行線に終わった。

 最後に大西議員は「残念ながら安倍総理の言われている働き方改革というのは、1億総安心労働社会に至る道ではない」と述べ質疑を終えた。

働き方改革について追及する大西議員

働き方改革について追及する大西議員