衆院予算委員会で安倍内閣の基本姿勢に関する集中審議が行われ、山尾志桜里議員が質疑に立った。

 山尾議員は保育士の処遇改善について、「平均給与との差額11万円を、せめて5万円上げようという法案を提出している。しかし、いまだに審議してくれない」と問うと、安倍総理は民進党提出の法案について「恒久的な財源の確保策が明らかになっていない点、人材確保のために必要な総合的な対策になっていない点に問題がある」と述べた。

 山尾議員は、「保育士の給与5万円引き上げを、保育士不足による待機児童の増加という抜本的な問題解決につなげようではないかと提案をしている。5万円アップは、2800億円の財源があればできる。例えば金融所得課税、現行20%の税率を25%まで上げれば、だいたい見合いの財源ができる。アベノミクスによる株高の中でゆとりを増やした方もおり、一部を子どもへの投資、未来への投資をすることとして、少し負担を増やしてもらうというのは現実的なわれわれの提案だと思う。その案がだめだというなら、あと1年半で9万人の保育士不足を解消して、安倍政権で増えてしまった2万3533人の待機児童をゼロにするという、目的達成のための対案を政府も出してほしい」と求め、「保育士処遇の改善は、政策目標を達成する手段であり、目標は待機児童の解消だ。待機児童の解消は、すべての子どもが安全で豊かな育ちを享受できるのか、女性がほんとうに自分の生き方を選べるのか、この国の人口減少に歯止めをかけられるのかという大事な問題。民進党が議論の先頭に立って続けていく」と宣言した。

山尾議員

待機児童についての質問をする山尾議員