井出庸生議員は12日午前、衆院予算委員会の集中審議で安倍内閣の基本姿勢について質疑に立ち、(1)東京オリンピック等の経費(2)特定秘密――について質問した。

 2020東京オリンピック・パラリンピックの経費の問題で井出議員は、「オリンピックの経費について、東京都知事が3兆円と試算した。その思いは共有できるか。成功のために必要なことはやっていくが、税金を使うことでもあり出来るだけ無駄の無いように透明性、説明責任を果たすことが重要だ。この部分で会計検査院の果たす役割は大きいはずだ」と質問した。安倍総理は、「会計検査院が無駄な経費を省いていくという意味において、政府がしっかりと説明責任と透明性を確保していく上で極めて重要な役割りを果たしている」と答えた。

 井出議員は、「会計検査院に特別検査課というものが出来て、一つの問題を取り上げて横断的に検査をする体制が整った。ぜひ東京オリンピックについてもしっかりと検査をしていただき、次年度以降の予算編成につなげるよう持っていってほしい」と指摘した。

 特定秘密について井出議員は、「特定秘密は443件あるとされているが、これはあくまで項目であり、この中に特定秘密に指定された行政文書や記録などが27万2千点余りある。しかし今年、特定秘密がゼロであるとして5件の指定が解除された。ゼロのものがあるとは想定していなかったが、なぜこういう問題が起こったのか。また他に記録が入っていないものもあるのではないか」と質問した。金田法務大臣は、「他にあるのかとの点については、該当する具体的な情報が現存せず、今後も出現しないと確定したので指定を解除すべき特定秘密は、現時点で承知していない」と答弁。

 井出議員は、「5件については期限が決まっていたから指定解除になったもの。特定秘密とされているものの中に、文書が入っていない空指定のものが他にもあるのではないか。それを確認しているのか根拠を求める」と再度質問したが、金田大臣は、ややピントの外れた答弁に終始した。

第1委員室のようす

第1委員室のようす

 井出議員は、「内閣保全監視委員会はこれまでに4回しか開かれていない。今年4月に空指定の問題が発覚し、他にも空指定のものがあるかもしれないのに会議を開いていない。特定秘密の管理には専任の担当大臣を置くぐらいの気持ちでなくては責任を果たせないと思うが、今のような金田大臣の答弁では専任でもいかがなものかと感じた」と、金田大臣の資質に疑問符を付けて質問を終えた。