衆院環太平洋パートナーシップ協定(TPP)特別委員会が17日開かれ、升田世喜男議員は「農業で働く方々に寄り添い、不安を訴えたい」と質問に立った。

 升田議員は、「米国の大統領選挙では、クリントン、トランプ両候補ともTPPに反対だと言っている。『自民党もかつては反対だと言っていたのに、安倍総理はなぜTPPを急ぐのか』と農家から質問が出る」と述べた。

 さらに、政府がTPPに伴い農業の産業化を吹聴している点について、「農業の産業化と言っても、皆ができることではない。ほんの一部の人しか実現できないことを、皆ができるように言うことが農家の不安の元になっている」と指摘し、農産品の輸出は農家の収入増には直結せず、「内需創造、内需拡大が輸出以上に大切だ」と指摘した。また、地域で農業は「高齢であっても働ける、例え額は少なくとも現金収入になる。農業は産業というだけではなく、生活の安定に寄与している」と実態を示した。

 TPPによって「都会と地方の格差がさらに拡大するのではないか」との懸念も示し、「地方が置き去りになってはいけない。地方において農業がないがしろにされれば、社会がもたない」と述べた。