民進党・新緑風会の古賀之士参院議員は9日の参院本会議で、政府提出の消費税法改正案について会派を代表して質問した。

 古賀議員は、政府の消費税軽減税率の案を批判し、民進党が衆院で議員提案している給付付き税額控除の考え方がよりふさわしいという立場から、「政府提出法案が抱える大きな問題点である軽減税率ではなく、わが会派が提案する給付付き税額控除こそ、消費税の逆進性対策にもっともふさわしい。軽減税率は、なにが対象でなにが対象外なのかなど、あまりにも分かりにくい仕組みだ。現代社会は多様化・複雑化が進んでいるが、むしろそれがゆえに、制度や仕組みはできるだけシンプルで分かりやすいものにすべきだ」と訴えた。また、「軽減税率について、財源の確保が十分になされていないにも関わらず、実施を明言している。これこそまさに、無責任」と政府の姿勢を批判した。

 消費税率引き上げを2年半延期することについては、「引き上げの環境が整うにあたっては、わが国の競争力が向上するとともに、国民ひとりひとりの力が存分に発揮できるようにしていくことが必要だ。しかし例えば、世界銀行の発表した2017年版ビジネス環境報告書によれば、わが国は全体評価で先進国中23位と、前年よりさらに順位を落とした。政府の目標である『2020年までに先進国で3位以内』は極めて難しい状況だ」として環境の悪化を指摘した。

古賀議員が質問

 また、安倍内閣が最重要課題の一つとする「女性が輝く社会」についても、「残念ながら黄色信号がともっている。世界経済フォーラムによる2016年男女平等度ランキングでは、144カ国中111位と、前年の101位より低下した」と述べた。

 そして、「消費税については、たんに税率引き上げの時期を延期すればよいというものではない。10%への引き上げ時に実施予定だった社会保障の充実について、どのような対処が必要かを明示する必要がある」と迫った。

 古賀議員は、「社会保障と税の一体改革は、今後の日本にとって最も必要となる政策課題だ。民進党は、『人への投資が未来をつくる』を大きな政策理念としているが、投資には財源が欠かせない。財源の議論を真剣に行おう」と議場に呼びかけた。