民進党は16日午後、「ムダ遣い解消プロジェクトチーム(ダレノミクス)」(江田憲司座長=党代表代行)の第4回会合を国会内で開き、築地市場の豊洲への移転問題について卸売会社の関係者から話を聞いた。
「今回は豊洲の市場問題に切り込みたい」と切り出した江田座長は、「小池都知事はこの豊洲移転問題について、(1)安全性の検証(2)環境アセスメントの実施(3)対策工事の実施(4)農水大臣の認可――の4つのステップを表明した。この4番目の農水大臣の認可の部分が国政政党であるわれわれ民進党が取り組む課題だ」として、しっかり取り組むと述べた。
江田座長は、「卸売市場法の農水大臣の認可基準に食の安心・安全について明記されていないと指摘もあったので、その法改正も含めて議論させていただきたい。現在危惧されているのは、豊洲ブランドのイメージが土壌汚染問題で傷つけられていることだ。風評被害も現にあり、豊洲に移転しても、取引停止を通告されている会社も出ていると聞いている。豊洲の管理費は1日2100万円かかるというが、このお金は豊洲市場に入る業者の拠出金で賄われる。こうした形でブランドイメージが損なわれ、豊洲に入る業者の数が少なくなれば、市場自体の経営の安定という観点からも心配だ」「間口や、1店舗当たりの面積が狭い。電源容量が少なく電気機器の使用に制限がある。また床の荷重限度が低い、荷台が横に開くウイング型のトラックにあまり対応が出来ていないなど、信じがたい話が耳に入ってくる。建物の構造や設計がここに入る業者のニーズに合っていないということを聞いた。これらの実情について皆さんにお聞きしたい。安心・安全も大事だが、市場が十全の機能を果たすのかどうかという観点からもしっかりと検討していかなければならない。すでに設備投資をした業者からは、仕事をする一方で、いつ開業するのか、豊洲への移転はどうなるのかとの心労が多いと思う」などと話し、党としてもこの問題にしっかりと取り組むと決意を述べた。
会合に参加した業者からは、「市場は社会資本であるという視点で見てほしい」「風評被害が出ている。早く安全宣言を出してもらいたい」「安心・安全は当たり前のことだが、豊洲にお客さんが来てくれるのか心配だ」「豊洲は国道で分断されているので使い勝手が悪い。提案もしたが取り合ってもらえなかった」「社会資本である市場を、だれがどう考えてどう作るのかを考えてもらえれば、こんな不細工な市場にはならなかった」「このままでは私たちの行き所がなくなってしまう。みんなが働ける市場を作ってもらいたい」などの切実な意見が出された。
江田座長は、「まず豊洲ありきで始まったところにいろいろな無理が出ている」とした上で、今後の農水大臣の認可については、「流通の機能があるのか、市場としての機能も備わっているのかも認可基準になる。わが党としてもこれらの点をしっかりと監視していく」と述べ、安心・安全な市場づくりに取り組んでいく考えを表明した。