民進党は22日夕、「次の内閣」の会議を国会内で開き、いわゆる「年金カット法案」(公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案)への対応について、反対の方向で大串政調会長と足立ネクスト厚生労働担当に一任することを決めた。

 反対の方向とした理由について足立ネクスト厚労担当は、(1)国会で法案を審議中であるにもかかわらず、短時間労働者への被用者保険の適用拡大の実施が2016年10月としてあること(2)物価が上がっても賃金が下がれば年金が下がるという形で年金の実質価値が一方的に下がり続けること(3)GPIFの監査委員を経営委員の中から任命することになっており、監査委員の独立性が担保されていないこと――等を挙げた。

 会議ではこのほか、民進党議員立法である(1)「租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律の一部を改正する法律案」(法人コード統一法案)(2)「国の財務書類等の作成及び財務情報の開示等に関する法律案」(公会計法案)――の2法案の再提出を了承した。

 「法人コード統一法案」は、法人税関係特別措置ごとの高額適用法人の報告書用法人コードについて、経年変化が追えるように統一するとともに、適用実態調査の結果の活用状況等に関する報告書の作成・提出を義務付けるもの。

 「公会計法案」は、発生主義・複式簿記による国の財務書類等の作成及び財務情報を開示し、また国の資産・負債や事務事業コスト等の国の財務に関する状況を明らかにするとともに、決算審査の充実によって政府による説明責任の十分な履行、適正な予算編成・効率的な行政の推進の確保を図るもの。

 また、超党派議員立法である(1)「官民データ活用推進基本法案」(2)「無電柱化の推進に関する法律案」――の2議員立法案を審査し了承するとともに、(3)「自転車活用推進法案」(4)「道路運送法及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案」――の2法案を議員立法登録した。

 「官民データ活用推進基本法案」は、国民が安全で安心して暮らせる社会や快適な生活環境を実現するため、インターネット等のネットワークを通じて流通する多様かつ大量の官民データの活用に関する施策を総合的かつ効果的に推進することを目的とするもの。民進党からの個人情報保護や市町村等の負担軽減・支援等の6項目の修正が法案に盛り込まれたため、衆院内閣委員長提案として国会に提出される。

 「無電柱化の推進に関する法律案」は、災害の防止、安全・円滑な交通の確保、良好な景観の形成等を図るため、無電中化の推進に関し、基本理念、国の責務等、推進計画の策定等を定めることにより、施策を総合的・計画的・迅速に推進することを目的とするもので、衆院国土交通委員長提案として国会に提出される。