参院本会議で28日午後、民進党・新緑風会を代表して石上俊雄議員が2015年度決算等について質問した。

 石上議員は冒頭、決算に関する質疑に先立って、11月21日のトランプ次期米国大統領の「TPP離脱表明」によってTPP協定の発効が絶望的になったにもかかわらず、政府・与党がTPP承認案等の国会審議を継続していることを問題視し、「歴史的大敗北となった『TPP最優先国会』をどのように総括するのか」と、安倍総理に臨時国会の意味をただした。

 これに対して安倍総理は「世界は常に変化している。1つ1つの事象に右顧左眄(うこさべん)していては、国際社会の荒波の中、国家のかじ取りは担えない」などと強弁し、自らの失政を懸命に糊塗しようとした。

 15年度決算では、会計検査院が指摘した455件、1兆2189億円に上る「税金の無駄遣い」「不適切な会計処理」の中で金額の大半を占める預金保険機構の金融機能早期健全化勘定における多額の利益剰余金、いわゆる「埋蔵金」問題について質問した。民主党政権時代に約1.2兆円の埋蔵金を国庫に返納し、その同額を財源として補正予算に充てた事例を引いて、会計検査院が今回指摘した「余裕資金の1兆円を国庫返納など抜本的改善策を図るべき」との提言に対して、適切な対応を取るよう麻生財務相に強く求めた。

 麻生財務相は、「これは平成金融危機への対応を進めていく中で、預金等の全額保護のため10兆4千億円の国民負担が確定していることなどの経緯、預金保険の他の勘定の欠損金や含み損などが発生していること、金融市場の状況によってその含み損等が変動すること等を考えて、総合的に検討する必要がある」と述べるとどめた。

 石上議員はこの他、プライマリーバランス黒字化の実現可能性、1千兆円を超えた「国の借金」の返済のあり方、法人税収の強化と成長戦略の必要性等についてただした。

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石上俊雄議員

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