民進党は、議員立法や政府案への対案作成など、政策面での対応を機能的かつ効率的に行うため、対応する衆参両院の委員会を4部会に集約する体制を取っている。各部会の状況と、重要議案を解説する。

第三部会

  第三部会は、衆参両院の農林水産・経済産業・国土交通・環境、沖縄北方特、及び衆・原子力特の各委員会を所管している。

部会長 田名部 匡代(たなぶ・まさよ) 参院議員 青森選挙区・当選1回

部会長 田名部 匡代(たなぶ・まさよ) 参院議員 青森選挙区・当選1回

 2003年に繰り上げで衆院議員に当選して以降、幾度の当落を繰り返し、一昨年、参院議員として初当選をさせていただきました。

 第三部会長として、農林水産政務官として行政の立場からさまざまな政策に携わった貴重な経験を生かしつつ、経済、国交、環境等、幅広い分野を担当することになりました。

 政策の基本となるのはやはり国民の皆さまからの声です。私も毎週末は地元に戻り、農家や漁師の皆さん、中小企業の経営者、子育て中のお母さん、それぞれ立場の違う多様な声に耳を傾けることをいつも心がけています。党内の議員でも一人ひとり多少意見の違いはありますが、それでも話し合いを重ねて一致結束できるよう、私も部会長としての責任を果たしてまいりたいと思います。

副部会長 石上 俊雄(いしがみ・としお) 参院議員 比例代表・当選1回

副部会長 石上 俊雄(いしがみ・としお) 参院議員 比例代表・当選1回

 2013年7月の参院選に民主党比例代表で立候補し、当選させていただきました。現在、経済産業委員会、決算委員会、ODA特別委員会、国民生活・経済調査会に所属しています。生まれは新潟県で、現在は妻、娘、うさぎと暮らしています。

 「全力で聴く! 全力で届ける! 全力で挑む!」の政治姿勢で皆さんの声を国政に伝え、誰もが支えあう社会「共生社会」の実現を目指し、具体的には産業政策・労働政策・社会政策を中心に、働く者の視点で魅力あふれる未来やすべての働く方が安心・安定して生き生きと働ける職場、誰一人社会から孤立することなく将来にわたって安心して暮らせる社会の実現に向け取り組んでいます。

重要議案の解説

福島第2原発廃炉法案を再提出へ

 2011年の東日本大震災に伴い起きた福島第1原子力発電所事故を受け、新規制基準が制定され、既存の原子力発電施設は、これに適合させることが求められている。

 一方、福島原発事故のその後の状況や、福島第2原発の廃炉を求める福島県民の強い要望を踏まえ、民進党は、法施行日前に原子力緊急事態宣言及び解除宣言が出された原子力施設について、法施行後2年以内に適合性審査の申請のない場合は設置許可が取り消される「特定原子力発電所に係る核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の特例に関する法律案」を作成した。通称「福島第2原発廃炉法案」としたこの法案を昨年3月衆院へ提出したが、審議されないまま、9月の衆院解散により、廃案となった。

 第三部会では、原発事故からの福島復興と再生に向けた民進党の意思を明確にすべきだとして、前回提出した法案の理念を維持して再提出する方針を固めた。その結果、法制定の趣旨を明確化し、条文上の表現などを精緻化した新たな「福島第2原発廃炉法案」を作成した。法案は近日中に参院へ提出する見込みである。

持続可能な農業の発展に向けて

 政府・自民党による農業政策は、農業を他の産業と同一視し、規制改革会議で農業の専門家不在のまま拙速に議論した法案を次々に成立させるなど、あまりにも性急に効率化・大規模化の道を突き進んでいる。その一環として政府は、農地を全面コンクリート張りとした場合であっても農地転用とはみなさない内容を含む「農業経営基盤強化促進法等一部改正案」を国会に提出した。

 もちろん、農業用ハウスなど営農形態の多様化に伴いその一部をコンクリート張りとするニーズがあり、それに対応することは必要だ。しかし、全面コンクリート張りについては、農地の持つ多面的機能に逆行する恐れがないかなど、考慮すべき課題が多い。この点について政府の対応は、農地の利用状況の調査や是正措置、耕作放棄地の拡大防止などの点に不安が多いとして、民進党は法案に反対した。

 農業の競争力を強化して、効率化・大規模化を目指すこと自体は、一概に否定されるものではない。しかし、その過程で取り残されるのは、小規模農家と、安全・安心な食料を求める消費者だ。私たち民進党は、何よりも農業の持続可能性を重視した農業政策を提唱していく。

共生社会の実現に向け交通・住宅のバリアフリー化をさらに推進

 2006年、建築バリアフリー法と交通バリアフリー法を統合するバリアフリー新法(「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律」)が制定された。

 民主党政権では、各施設等の整備目標について、1日平均利用客数5千人以上のものから3千人以上のものに対象を広げ、より高い水準の新たなバリアフリー化の目標を設定するなど、「移動等円滑化の促進に関する基本方針」を拡充した経緯がある。今国会に政府から同法案の改正案が提出され、審議されることとなった。

 政府案の主な柱は、(1)基本理念の創設(2)旅客支援等ソフトを含む一体的なバリアフリー化を公共交通事業者等が行う仕組みの導入(3)バリアフリーのまちづくりに向けた地域連携強化(4)さらなる利用のしやすさ確保に向けた対象の拡大――等である。

 民進党は、この法律を不断に見直し、拡充を行って、すべての人に居場所と出番がある強くてしなやかな共に生きる社会をつくるとの立場を取ってきた。基本理念の普及、地方自治体への支援、ホームドア設置・人材確保など予算措置の拡充などについて政府の取り組みをただし、法案の成立に協力していく姿勢である。


議案一覧(見込みも含む)第三部会

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(民進プレス改題36号 2018年4月20日号6面より)

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