蓮舫代表は7日午後、今国会初、自身としても初となる党首討論の終了後、国会内で記者団の取材に応じた。

 党首討論を終えての所感として蓮舫代表は、「安倍総理は答えずに逃げてそらして、開き直られたが、私は挑戦者なので何度も何度も問うていきたいと思った。時間が限られているなかでは自分なりに聞きたいことは聞けたと思っている」とコメント。特に安倍総理の答弁については、「都合の悪いことは答えず、自分が見えているものには丁寧に答えるというのはいつものこと。党首討論であるのに予算委員会等での姿勢と変わらず残念だった」と指摘した。

 質問時間の大半をカジノ法案に割いたことには、「衆院では5時間33分の委員会質疑で採決。(与党側は)参院では今日審議入りしたものを明日採決してくれという。あまりにも国会を軽視し国民世論に鈍感だ。自分がやりたいことは数があればなんでもできるという怖さを捨て置くことはできなかった。議員立法だからこそあらためて国会の意思を含めて質問させてもらった」と説明。同法案への対応としては、「部門会議で『反対』を決めた。拙速な運び、法案の中身の問題にまったく答えていないこと、違法性の阻却について何の説明がないことも問題。反対でしかあり得ない。カジノを成長戦略の目玉にするというのは美しい国ではない。こんな国を次の世代に残したいとは思わない」と断じた。

 外交問題については、「32分のなかで今国民が最も関心を持っていること、立法府が最も敏感にならなければいけないこと、国会に身を置く者として見過ごしてはいけないということに重きを置いた。一方で、外交というのは現段階で話せないことも多くあるので、プーチン・ロシア大統領やオバマ米大統領とお会いした後にご自身の評価、私たちの見方も含めて第2弾の党首討論で議論したい」と語った。

 蓮舫代表が党首討論で取り上げた野党が共同提出している「長時間労働規制法案」や、女性の活躍推進の観点からクオータ制導入に向けた「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律案」に対し、安倍総理の答弁が不十分でなかったかとの指摘には「長時間労働規制法案は、『政府が出すものはきっちりしたものだ』という姿勢であり、議員立法をあまりに小ばかにし過ぎている。一方で同じ議員立法であるカジノ法案は強行採決で進めており、あまりにも矛盾していると思う」「女性の輝く政策は、私が唯一安倍内閣で評価しているところ。ただ、自民党はやっていることが真逆。今日お伝えしたことで総理がどのように動かれるのか、引き続き見ていきたい」と述べた。

 「長時間労働規制法案」をめぐっては特に、安倍総理が「野党案は具体的な時間を厚生労働省に丸投げだ」と反撃したことも踏まえ、「政府提出の法案を楽しみにしている。総労働時間の上限を法律に書き込むのかと驚いた。そんな法案は他の労働関連法でも例がないと思う。弾力性を持たせるために政省令に委ねるというのは法体系のなかでは自然なこと。だからこそ、閣法の高度プロフェッショナル制度や裁量労働制の規制緩和も対象の職種や年収要件などは政省令に委ねられている。そのことを棚に上げ、われわれの議員立法だけが政省令に委ねているという批判は当たらない。本当にそう思うのなら国会で議論すべきだ」と指摘した。

 国会最終盤を迎えるなか内閣不信任案等の提出の可能性を問われると、「土日を除いてまだ5日間ある。カジノ法案の扱いを含めて与党や総理・内閣の姿勢を見ながら慎重に見極めていきたい」と答えた。