蓮舫代表は18日夕、一連の視察を終えて広島市内で記者団の取材に応じた。

 蓮舫代表は、「今日は農業女子を中心に取材をしてきた。女性が思っているだけでなくて、動けば変わるんだなというのがよく分かった」とコメント。農業女子の企画で商品化されたトラクターや作業着にも触れ、「今まで軽トラックというのは、やはり白とかグレーのイメージだったが、今ではブルーやピンクまである。作業着もずいぶんおしゃれになった。ちょっとした女性の発案をきっかけにそれをなんとか実現させようという力強い行動は、同じ女性として励みになった。女性が、思っているだけでなく、動けば変わるんだなというのがよく分かった」と述べた。

 障害者就労支援授業については、「こうして障害をもっている方たちでも、食べ物を育てる、野菜を育てる、そしてそれが育っていき、自分の食卓に並べられて、食べることができる。そのありがたさというものを自ら育むその力、支えている皆さま方の思いというのが、実に尊い。そしてそれは、政治でしっかり支えてあげないといけないということを今日学ばせていただいた」と語った。

 米軍がオスプレイの飛行再開を日本政府に打診し、それを政府も認める方向だという報道を受けて、「まず多くの方があれは着水ではなくて墜落だと思っている。このことからしても政府が米軍発表をそのまま、文字一つとっても活用しているのにはちょっと違和感がある」と述べた上で、「一体何が原因で墜落したのか、そして再発防止はどのように講じていくのか、安全はどのように担保されるのか。まさにその部分がしっかりと米軍から、そしてわが政府から沖縄県民、日本国民に説明があった上での再開でなければ、残念ながら不信感は高まるばかりだと思っている。不信感、不安感をあおる問題ではなく、ほんの一歩間違ったら、まさに人々が暮らしている地域に墜落したリスクも否定できないわけであり、どのように安全を担保したのかを政府はしっかりと説明する責任があると思う」と指摘した。この段階での再開については、「何をもって再開を是とするのか。それを決めるのは政府だけか。私は国民の感情というのはとても大切なものだと思うので、今の政府はそこを軽んじてはいけないと思う」と重ねて政府の姿勢を問うた。

 政府が7年ぶりに赤字国債を年度内に追加で発行する方針になっていると伝えられていることには、「為替に左右されない実体経済の確かな成長を作るのがアベノミクスだと私たちは理解をしていたが、それが為替だけで税収が下ぶれをして、借金をするという事態になったことについて、政府から謙虚な姿勢での説明があってしかるべきだと思ってる。その前になぜこんな事態になったのかという説明を私たちは国会でも聞いていない。これは来年、3次補正予算の議論をするときには大きな大きなテーマになると思う」と指摘した。

 蓮舫代表の白菜、キャベツの収穫体験、野田幹事長のレンコン掘りについて、地方創生の観点から今回の農業視察への思いを問われると、「すべての産業は現場が一番だと思う。農業も現場でいま何が元気なのか。何が足りないのか。まさにその声を聞くこと、それを支えることが政治だと思う。残念ながら今の政府は全農どうこうというような規制の部分で農業を変えようとしているが、私たちはそれは違うと思う。やはり、答えは現場にあるし、そこの声を大事にすることで、この国の農業、元気にすることが私たちは実現できると思っている」と力を込めた。