皇位検討委員会の長浜博行委員長、馬淵澄夫事務局長は21日、同検討委員会メンバーである野田佳彦幹事長も同席のもと党本部で記者会見し、同日行われた常任幹事会で了承された「皇位継承等に関する論点整理」(下記ダウンロード参照)を発表した(写真上は、左から野田幹事長、長浜委員長、馬淵事務局長)。

 「国民的検討にむけた論点」として(1)退位についての論点として天皇の退位を認めるべき(2)皇室典範か特例法かに関しては皇室典範の改正によるべき(3)皇室典範改正の基礎的論点については皇室典範第4条の改正が中心になる。「天皇は、皇嗣が成年に達しているときは、その意思に基づき、皇室会議の議により退位することができる。」との規定を新設すべきである――等の項目を概要で提示している。

 長浜委員長は、「小泉内閣でも野田内閣でも天皇陛下のお仕事や皇位継承の問題について議論があったわけだが、今回8月8日、象徴としてのお務めについて天皇陛下のお言葉がなされた。特に最後の部分の『国民の理解が得られることを、切に願っています』という陛下のお言葉について、国民の代表の国会議員で構成されている政党の一員として、そのお言葉をどう考えるかというところから議論がスタートした」と語った。

 そのうえで長浜委員長は「天皇の退位については認めるべき」との立場に立っていると説明。「ご高齢等で象徴天皇のお務めが果たせなくなった場合、一定条件の下に退位を認める制度を整備することが憲法規定、天皇陛下の問いかけに合致する」と盛り込んだ点を提示し、論点整理における一つのポイントである旨を説明。「日本国憲法のなかでの象徴天皇としての能動的な象徴性を陛下が問われていたと考えるからだ」とも解説した。

 法律改正に関しては「政府の方で特例法をいう意見が出ているように聞くが、私どもとしては恒久的な皇室典範改正によるところの退位の位置づけがいいのではないか。今上天皇の一代限りの対処を行うことは、安定的な皇位継承という問いかけの本質から外れるものではないかと考えた」と述べた。長浜委員長はまた、「日本国憲法第2条において、皇位の継承について、特に『皇室典範の定めるところにより』とし、皇室典範によるところを要請している。したがって、この場合は特例法によるのではなく、皇室典範を改正していくべきと思っている」とも説明した。

 そのうえで、「繰り返すまでもないことだが、この議論の性格にかんがみて、当たり前ではあるが民進党は決して政争の具にされるようなことがあってはならないと考えている。静かな環境でこの議論が進むことを願っている」とも述べた。また「皇位継承の問題はここに留まるべき話ではない」とも語り、女性宮家の問題についても引き続き議論していくことが必要との認識に立つ旨を語った。

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