民進党は第193通常国会が開会された20日午前、両院議員総会を党本部で開いた。

 蓮舫代表は、「昨年の臨時国会は悔しいことばかりだった。カジノ解禁、年金カット、動かない予定のTPPと強行採決ざんまいだった。民進党は、国会軽視は絶対許してはいけないという姿勢で臨む」と表明した。

 蓮舫代表は今国会で大きな焦点になる問題について言及。働き方改革について、「政府案は出されている。それは規制の緩和だが、こんなものでは人の命は守れない。過労死、長時間労働をなくすためにも、私たちは規制を強化する対案を堂々と掲げたい」と強調。共謀罪については、「過去3回廃案となった理由は国民の強い不信だった。私たちは国民に寄り添う政党だ。権力による監視に使われないか、自由な市民、団体活動の抑制に使われないか、その中身をしっかりと見て向き合っていく」との考えを示した。

 文科省の天下りあっせん問題について蓮舫代表は、「久しぶりに分かりやすい問題が出てきた。助成金の権限を持つ文科省の人事課が大学に対して、文科省幹部職員の再就職のあっせんをしていた。これは法律違反で、事務次官が辞めれば済む問題ではない。担当大臣は他人事のように話しているが、再就職等監視委員会の調査に虚偽の答弁をしていた上に、再就職あっせん先と口裏合わせをする想定問答を作っていた」と厳しく批判し、他省庁でも同様のことがないかどうか、問題解明に向け徹底的に取り組んでいくと話した。

 民進党が進める「人への投資」について蓮舫代表は、最近聞いたという19歳の女性が祖父と母親の介護のために仕事を辞めなければならなくなった例を挙げ、「これはレアなケースではないと思う。皆さんも地域でこうした声を聞いていると思う。介護離職ゼロのスローガンだけが踊る政治ではなく、『人への投資』、まさにこれが求められる」と述べ、「私たちは今の政権に見えていない、聞こえていない声への対案を持っている。今年1年、飛ぶ鳥を落とす勢いでしっかりと戦っていきたい。その先頭に立って発信していく」と、力強く決意を述べた。

野田幹事長

 野田佳彦幹事長は報告で、「今日から政治決戦の幕開けとなった。まずは何よりも国会活動で成果を上げることだ。われわれ民進党は、『自由』『共生』『未来への責任』を理念とし、『生活者』『納税者』『消費者』『働く者』の立場に立つという立ち位置を確認している。2016年度第3次補正予算、17年度予算については、しっかりと納税者の立場に立って厳しくチェックしていく」「この国会では働き方改革が重要な争点になると思うが、働くことを軸とした安心社会を掲げる応援団の皆さんともよく連携しながら、真に働く者の立場に立った働き方改革を提案し、実現していかなければいけない」と表明した。

 天皇退位問題については、「論点整理は党としてまとめたが、皆さんと問題意識を共有しながら頑張っていく。有識者会議では結論ありきで議論を誘導している感があるが、国民の声を代表する国会議員、政党が主体的に合意形成していくことが筋だ」と述べ、論陣を張って考えを示した。

 選挙対策については、「早期の衆院解散・総選挙の可能性が消えたわけではない。われわれも、ゆめゆめ準備をおろそかにしてはならない。空白を埋め、他の野党とできる限りの協力を進め、いざ解散の時には万全の態勢で対応できるようにしていく」「国会対策と選挙対策の2正面作戦でいく。国会論戦が主たる活動だが、地元活動もおろそかにしないよう、車の両輪として2つの活動を両立させていただきたい」と述べた。

 山井和則国対委員長、榛葉賀津也参院国対委員長もそれぞれ報告に立ち、衆参連携して今国会に臨む決意を表明した。

両院議員総会

両院議員総会