党役員会見に関する基本的な方針について

野田佳彦幹事長記者会見

2017年1月30日(月)15時00分~15時39分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=V9EygHEn6nE


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○参議院予算委員会・「働き方改革」「天下り」「共謀罪」などについて議論

【幹事長】
 予算委員会が参議院でスタートしました。蓮舫代表、そして福山哲郎幹事長代理、大塚耕平さんが質問していますが、現時点で、それぞれのバッターが具体的なテーマを掘り下げて質問しておりました。
 例えば「働き方改革」。蓮舫代表が厳しく質問していましたが、長時間労働規制の一つの重要なポイントはインターバル、休息時間をどうとるか、これをどう規制するかというところなのですが、総理の答弁も含めてでありますが、どうやらインターバルをとってうまくいったところの好事例をどんどん広げていくとか、助成金をつけるとかなどを主たる内容に考えているようであります。
 我々の法案については、なかなか審議してもらっていませんが、要は労政審議会に委ねて、労使ともに入っているその労政審議会で具体的な時間などを詰めてもらう、省令に委ねる形について、(安倍総理は)「丸投げではないか」と言っていましたが、(予算委員会の質疑を)聞いている限りだと、政府が考えていることは、民間に丸投げしようとしているのではないか。むしろ、それで本当に実効性があるのかなという懸念を強く持ちました。
 いずれにしても、その政府の法案の提出時期も明示されていません。あらためまして我々が提出している長時間労働規制法案、しっかりと議論してもらい、そして成立させるように努力しなければいけないなと痛感しました。
 それから、天下りの問題についても、行革担当大臣が(調査について)どういう範囲でどういうやり方をするかについても何か明確に答えられないなど、本気で全容解明をして、そして新たな対策を講じようとしているのか、本気度がよくわからない答弁でございました。
 その他、「共謀罪」については、福山さんの質問に対して法務大臣はタジタジでした。立法事実がどこにあるのかがますますわからなくなってきたな、ということであります。これについては、これからもしっかりと追及していきたいと思いました。

○「イスラム圏7ヵ国からの米国入国禁止」大統領令について

【幹事長】
 なお、国際社会が今懸念しているのは、大統領令が次々と発令されていますが、そのことによる混乱が広がっております。国際社会だけではなくてアメリカ国内でも、入国管理の問題については「憲法違反ではないか」という主張や動きが随分と出てまいりました。この動きを我が国もよく注視をしていかなければいけないと思いますし、アメリカ社会の最も魅力であった寛容さが失われていくことに危惧を持たざるを得ません。そういう危惧の念を持ちながら、今後の動きを注視していきたいと思います。


■質疑

○予算委員会での蓮舫代表の質問について

【時事通信・岸本記者】
 冒頭の関連で、予算委での蓮舫代表の質問に関して。稲田防衛相に対する厳しい追及があったが、党として防衛相に対して、「ターゲット」というか、標的にされているというか、そういった点に関してコメントをいただきたい。

【幹事長】
 10年前の投稿内容についての質問をされていましたが、予算委員会で見る限り、随分乱暴な議論を10年前はしていたのだなということをあらためて思いました。極論をもってある程度知名度を上げて、評価を上げてきた方ですので、こういう責任ある立場になると過去の極論がいろいろな意味で妨げになるのではないかと思います。また、今、立場が変わって、10年たったので進化をしてきた、成長してきたというような答弁でありましたが、本質が本当に変わっているかどうかはよくわかりませんので、引き続き稲田大臣については厳しい質問が続くのではないのかなと思いますし、やはりその本音を聞き出す努力は国会として必要ではないかと思います。
 また、蓮舫代表の質問の関連で、憲法24条、「家族」にかかわることを安倍総理にたびたび質問しましたが、今日はずっとはぐらかしました。過去に個別の条文についてご意見を述べられたことがありますが、最近はずっと「憲法審査会に判断を委ねる」ということで、何か相当慎重です。ただ、一般的に、家族観であるとか、明治と比べて今がどうだとかなどについては、国のリーダーですから、一定の見識を示してしかるべきではないかということを強く感じました。

○日米関係・米国の“壁”政策について

【朝日新聞・松井記者】
 冒頭発言にあったが、日米関係についてお聞きしたい。先日、安倍総理とトランプ大統領との間で電話首脳会談があった。また、この後、対面しての日米首脳会談も行われる予定だ。先日の電話会談の評価と、今後行われる日米首脳会談ではどんなことを話し合われるべきかということをお聞きしたい。

【幹事長】
 比較的長時間、45分ですか、電話会談されたということですが、ちょっと事の詳細が、中身がよくわかりませんので、なかなかコメントしにくいなと思います。
 一般論で言うと、電話をしたり直接顔を合わせて議論したり、首脳間で対話をたくさんすること自体は悪いことではありませんが、どういったやりとりがあったのかは、これはよくお聞きしなければいけないだろうと思いますし、特に電話会談でもドイツやフランスは結構厳しいやりとりがあったようです。私、日米同盟は大事だと思いますし、大事な2国間関係だと思いますが、きちっと言うべきことを言うということも決して忘れてはいけないと思いますので、その点はこれからもよく注目していきたいと思います。

【朝日新聞・松井記者】
 トランプ政権は中東・アフリカ7ヵ国などからの入国禁止を打ち出し、それによって国内外で大きな混乱が広がっている。そのことについて安倍政権は今のところ、「アメリカ政府のやることなので日本政府がとやかく言うことではない」と、特にコメントしない姿勢を打ち出しているが、そういった日本政府のあり方について野田幹事長としてはどのようにお考えか。

【幹事長】
 これは先ほど冒頭でお話しした、骨格に関わる部分だと思います。
 次々と大統領令を発出しています。ほぼ、選挙期間中に言ったことをすぐ実行しようということなのですが、今の入国・出国に関わることについては、相当混乱が起こり始めました。各国の首脳はそれについて懸念を表明されています。
 日米の同盟は大事であります。信頼関係を築いていかなければなりませんが、日本も当然このやり方については懸念を持たなければいけないのではないかと思います。日本にもどういう影響が出るかということを注視しなければいけませんから、単なる「ノーコメント」というのではちょっと思考停止ではないのかなという感じがします。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 前首相としての見識を伺いたい。“壁”政策は「過激派への贈り物だ」とイランの外相は言っている。この先、恐怖の循環というか連鎖というか、戦争みたいなことになるという恐怖感はあるのだと思うが、野党第1党の前総理としては、そういう危機感というのはどのようにお持ちなのか伺いたい。

【幹事長】
 イランがどういう形の主張か詳細は知りませんが、一般的にも“壁”を取り払ってきた歴史の歩みだと思います。物理的にも、心の壁も。それが人類の進化・進歩だったと私は思います。その流れに逆行する動きになってきていることを、やはり私も懸念せざるを得ません。物理的な壁、これも問題だと思いますが、心理的な壁というのはまさに分断ですから、そういう傾向がアメリカを中心に広がることのないようにしなければいけないなと思います。

○米国のTPP離脱後の日米通商交渉について

【産経新聞・豊田記者】
 トランプ大統領がTPP参加国との2国間の貿易交渉を始めようとしているが、幹事長は日本としてこの交渉に応じるべきだとお考えか。

【幹事長】
 日米間で通商のあり方をこれから議論することは大事だと思います。
 とは言いながらも、2国間の、日米のFTAとなると、先般まとまったTPPの協定をベースにした上で、アメリカは「あれでは自分達の国益は図れない」という前提の上で2国間でやろうとするわけですから、日本にとってはよりハードルの高いものになりかねないと思います。TPP自体についても我々は、本当に取るべきものを取ったのか、守るべきものを守ったのかという意味で疑問を持っていますが、その疑問を持っているものよりもさらに高いハードルが出てくるのではないかという意味で、安易に2国間の交渉に応じることには慎重であるべきだと私は思います。いろいろな協議は必要ですが、「2国間の協議に入るぞ」と決めるのは、それはまだ早計過ぎるのではないかなと思います。
 今、トランプ大統領は、自分が選挙期間中に言ったことをとにかく電光石火で早くやろうとしている、そういう気持ちが強烈に表れていると思いますが、次第に閣僚が選ばれつつありますよね。その閣僚の中には現実的なことを言っている人達もいます。むしろ、まさに「チーム対チーム」で、カウンターパート同士、日本の閣僚とアメリカの選ばれてきた閣僚達のコミュニケーションなどをしっかり図った上で、まさにチームとしての信頼感ができた上で、どうするかということの判断をしたほうがいいのではないか。
 トランプ大統領も今ちょっと前のめり。我が国の首相も、いろいろな意味でトランプさんの評価が前のめり。前のめりの2人だけで走っていくというのはちょっと危険だなと私は思います。もう少し面的な信頼関係醸成に努めることのほうが、前提条件をつくる上では大事ではないかと思います。

【産経新聞・豊田記者】
 民進党は昨年のTPP関連法案に反対していて、今回出てきた2国間交渉についても党内では「引きずり込まれてしまうのではないか」というような懸念の声もあるが、日米間の貿易協定はどうあるべきだとお考えになるか。

【幹事長】
 今言ったとおりです。  我々、自由貿易は大事だと思います。だからFTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)の実現であるとか、日中韓FTAとか、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)とか、日EU経済連携協定とか、基本的には国益を踏まえて合意可能なものについては引き続き交渉していくべきだと思います。
 日米も、これはお互いに経済関係は大事ですから、どうするかということは大事だと思いますが、通商戦略はその意味では今まさに大きな転換点であって、今、「民進党は」とお聞きになりましたが、我が党も考えなければなりませんが、政府そのものも今その転換期に入っているのではないでしょうか。TPPについては去年の段階で強行採決までしてしまったから、引っ込みがつかなくなっているから、なんていうことではなくて、アメリカとのおつき合いの仕方を含めて、どういう戦略をつくるかというところに今差しかかっていると思います。

【フリーランス・横田記者】
 日米2国間交渉について慎重な姿勢はまさに正論だと思うが、篠原孝先生が、「TPPのひな形」といわれる米韓FTA、韓国とアメリカの2国間交渉の現場を視察して、いろいろ問題があることを以前調べているが、そういう現在の2国間交渉の弊害について、党としていろいろ調査を強化するとか取り組まれる考えがあるかお聞きしたい。

【幹事長】
 2国間、日本もやってきています、いろいろと。マルチでできるものと、バイでやるものと、これは使い分けをしながらやってきています。バイでやってうまくいっているものもあります。おっしゃったように、他の、外国ではバイでうまくいっていないものもあるかもしれません。
 どっちがいいとか、マルチがいいとか、バイがだめとかいうことではありませんが、日米については、少なくともバイは今すぐ前のめりでいく話ではないと思いますし、そのためにアメリカと結んだバイのものがどんなものがあるかはよく検証したほうがいいと思います。

○原発・エネルギー政策について

【TBS・牧野記者】
 「原発ゼロ基本法案」について、今の状況を伺いたい。党内の検討状況とか、幹事長の所見を。

【幹事長】
 従来、「2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」ということを方針として決めてきました。基本的な枠組み、考え方は変わっていないのですが、その具体化をするための工程表づくりを、エネルギー環境調査会をつくって玄葉光一郎衆議院議員を会長に、議論をしていただいている。その工程表づくりを今やっている最中ですので、その中でどういう検討のものが出てくるかを我々は待っているという状況です。

【TBS・牧野記者】
 法案を提出するかどうかというのは、まだ決まっていないということか。

【幹事長】
 法案というのは中身が必要ですから、つくるか、つくらないか、今、役員会でそういう議論があったという報道はありましたが、まだ中身というのはわかりません。

【TBS・牧野記者】
 幹事長として、法案を、今そういうものを出す意思があるわけではないということか。

【幹事長】
 私としての意思はありません。党としての意思をまだ決めていませんから、その調査会を、役員会でご検討いただいて、原発ゼロ社会を目指すという方向性をもうちょっとクリアカットにするために工程表をつくっている。その工程表をつくる中でどんなアイデアが出てくるかは、それは今、調査会の範囲の中で議論されているということです。

【フリーランス・横田記者】
 原発政策を変更するに当たっては、党内議論に加えて、連合との意見調整・議論等が必要になってくるのではないかと想像するが、以前もお聞きしたが、その後の進展等があれば伺いたい。

【幹事長】
 「変更」とおっしゃいましたが、変更するとかしないとかではなくて、「2030年代ゼロを目指す」というこれまでの合意があります。その合意を具体化するための工程表をつくっているわけですから、「変更」というよりも、その工程表をよりわかりやすくする作業をしているということです。
 その作業の結果出てくるものについては、もちろん関係する人達には周知徹底して、ご理解をいただけるようにしていきたいと思います。

【フリーランス・横田記者】
 一歩踏み込んだ原発政策にするという記事も読んだ記憶があるが、新潟県知事選で米山知事が訴えたように、もっとわかりやすく明確に踏み込んだ政策にするということではないのか。

【幹事長】
 「踏み込んだ」という表現は、表現はそれぞれあるでしょうけれども。
 工程表をつくっている。4年半前につくった方針に比べて、いろいろ進んでいる現実などもあります。それを踏まえて、より現実的な工程表をつくっているということで、その内容がわかりやすく国民に伝わるようにはしていきたいと思います。
 もともと直嶋正行さんが、去年の夏、参議院選挙の前に勇退されましたが、その調査会でつくったものをベースに議論をしているということでありますので、私は今その作業をしっかり見守って、出てきたものはわかりやすいものとしてお伝えしていけるようにしていきたいと思います。

○「天皇陛下の退位」「安定的な皇位継承」をめぐる議論について

【読売新聞・藤原記者】
 皇室について伺いたい。先週の衆議院予算委員会で安倍総理が、安定的な皇位継承に関して、「今やっている退位の議論とは切り離して、引き続き検討したい」と考えを述べられたが、この方針について野田幹事長はどう評価されるか。

【幹事長】
 基本的な方向性としては、総理のご認識は、私も「妥当なご判断だ」と思ってお聞きしました。
 退位の問題については、やはりしっかりと結論づけなければいけないと思います。どう実現するか、その法整備。
 あわせて、やはり今問われているのは、象徴天皇の安定的な皇位継承ではないですか。退位も含んでいます。これは急がなければいけない。その象徴天皇の安定的な皇位継承をどうするかというのが大命題だと私は思います。それは当然、こういう退位の問題が、議論があって、結論を出せる環境になったならば、そのすぐ後にも、次に結論を出すテーマは何かというと、安定的な皇位継承、そして皇族方の減少にかかる問題です。
 そういうことについて引き続き議論をちゃんとやっていこうという姿勢を(総理が)持っていらっしゃるということがわかりましたので、それは私も問題意識を共有できると思いました。

【読売新聞・藤原記者】
 今のお答えの確認も含めて。幹事長は、この通常国会中に結論を出そうと各会派がしている議論のテーブルに、安定的な皇位継承の問題も俎上に載せたいという考えをおっしゃっていたと思うが、そこは切り分けるということで、退位の問題に結論を出した上で、どのタイミングかは政権が決めることだろうけれども、引き続いて、その後に議論を始めるということで構わないということか。

【幹事長】
 少なくとも、議論する場をどう担保するかは決めておかなければいけないと思います。退位を実現するための法整備の結論を出すと同時に、皇族方の減少にどう対応するかといった問題にも。
 我々は「女性宮家」と言っています。この間、安倍総理は「旧宮家の復活」のお話をまたされていました。ただ、ご自身も、断られたらしょうがない、該当者がいるかな、という懸念も表明されていました。それぞれメリット・デメリットというか、あると思います。
 でも、そういう議論をちゃんとしていくということが大事。その議論をする場を、言葉だけではなくて、きちんと担保するというところまではこの国会でちゃんとやり切らなければいけないのではないかと思います。それは、今、議長のもとでつくられている場もあるし、国会の中でつくるという議論もあるかもしれません。それは今後の議論に委ねていきたいと思います。

【朝日新聞・松井記者】
 天皇の退位の問題に関連して、先日の野田幹事長のぶら下がりの中で、「党内でも門戸を開いて幅広く議論をする場を設けたい」というご発言があった。今後、具体的にいつ頃、どういった形でそういった場を設けていくのかお聞きしたい。

【幹事長】
 「いつ頃」というか、まだ期日まで決めているわけではないのですが、(皇位検討委員会の)長浜博行委員長と馬淵澄夫事務局長には、早急にそういう場をつくるようには申し上げています。
 「そういう場」というのは、例えば有識者会議の論点整理が出てきたわけですから、有識者会議の論点整理を政府に説明してもらう場、例えばみんなに聞いてもらうとか、あるいは我々がまとめたものについてとか、あるいは両者を比較して誰か識者を呼んでコメントしてもらうとか、いろいろアイデアはあると思うのですが、そういうものをなるべく早くつくっていくようには指示をしています。

【産経新聞・豊田記者】
 先ほど触れられた「旧宮家の復活」に関して、先週の衆議院予算委員会で細野豪志代表代行が、「そんなことをやった瞬間に、国民の気持ちは天皇家から急激に離れる。国民が親しみを持たない方に陛下になっていただいて、現在の天皇制度がもちますか」という問いかけをされた。「旧宮家の復活」に関して、幹事長も同じような考えをお持ちか。

【幹事長】
 そうですね。  旧宮家、要は皇族から離脱されたのがもう70年以上前です。ずっと民間として過ごされてきた方、あるいはそのお子さん達やお孫さん達が対象になるということですよね。どなたになるか、大体イメージが湧かないんじゃないですか。イメージが湧かない人を皇族に据えるということについては、やはり国民に違和感があるのではないでしょうか。
 佳子様や眞子様、皆さん皇族方のことはよくご存じ、親しみを持っていらっしゃるし、その行動を見てこられているから親近感があるわけで、全くない人が突然出てきた場合、本当にそれが国民が受け入れられるかというと、感情的には相当難しいような気がします。そういう意味では、細野さんの指摘というのは私も同感であります。

【共同通信・橋本記者】
 皇族の減少対策の議論だが、議論が担保できればとおっしゃったが、その議論の場というのは、例えば政府内で議論すればいいのか、あるいは野党もかかわっていく形で国会で議論しようとしているのか。どちらをイメージされているか。

【幹事長】
 ある種、政府に委ねてきましたよね、これまでは。我々が論点整理をした「女性宮家」についても、基本的には皇族方の減少をどうするかということで、官房長官の答弁では「引き続き検討している」みたいなことを国会では答弁されてきていましたが、本当にそうだったか、どこまで検討されているか、よくわからないではないですか。
 そうではなくて、やはり実質的にきちっと検討されるようにするにはどうしたらいいかということの知恵を出していきたいとは思います。

【産経新聞・豊田記者】
 弊紙とFNNの世論調査で天皇陛下の譲位に関する法整備について質問したところ、今後の全ての天皇を対象に退位できるよう「恒久的な制度に変えるべきだ」が6割で、「1代に限り退位できるようにすべきだ」が3割と、差が開いた。民進党がなぜ「恒久制度が望ましい」と考えるのかは何度もご説明いただいているが、多くの国民も「恒久制度が望ましい」と考えているのにはどんな背景や理由があると思われるか。

【幹事長】
 それは、やはり今上陛下だけの問題ではないと。超高齢社会における象徴天皇の皇位継承のあり方を考えた時に、おのずと国民世論のような方向で知恵を出すべきだということなのではないのでしょうか。自然な結果ではないかと思います。

○党内グループの活動について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 参議院予算委員会で代表が質問に立つ朝に、大新聞で早くも「蓮舫降ろし」というような大きな見出しが立ち、幹事長としては立つ瀬がないのではないかと思うが、これは当たらずとも遠からずというスクープなのか、どういう受け止めになるのか。「蓮舫降ろし」ということだが、どうなのか伺いたい。

【幹事長】
 当たっているのかというのはちょっとわかりませんが。要は、(新たなグループ活動のための)準備会合が今晩開かれるということの中での膨らんだ記事でしたよね。
 いろいろなグループがありますし、どこか新しいグループができようという準備会合があることによって、代表を降ろす話に直結する話とは思っていません。したがって、「当たっているのか」というと、当たっていないだろうと思いますし、遠い話だろうと思います。

○福岡県北九州市議選の結果について

【西日本新聞・豊福記者】
 昨日投開票された北九州市議選の結果と、次期衆院選での共産党との候補者調整について伺いたい。
 北九州市議選では定数57の中で、民進党の公認候補が7人当選され議席現状維持、共産党は1増の10議席を獲得した。北九州市は衆院選小選挙区の福岡9区・10区と全く重なるが、共産党が両方の選挙区を「必勝区」と位置づけ、現時点では民進党と共産党の候補者が競合する状態になっている。この北九州市議選の結果だけを見ると、福岡9区の民進党と共産党のそれぞれ候補者が取った票を合わせると民進党がやや上回っており、一方で10区では共産党が大幅に上回っている。この市議選の結果と、今後、福岡9区・10区で候補者調整を共産党とする場合に今回の結果が与える影響について、どのようにお考えかお聞きしたい。

【幹事長】
 今回、北九州の結果は、現有議席と同じ7議席獲得ということになりました。ギリギリの戦いだったのだろうと思います。  これは個別によく分析しなければなりません。今おっしゃったように、9区と10区対象ですが、5人全員勝ったところと2勝3敗に終わったところとあります。そういう原因等をよく分析したいと思います。
 それと共産党の「必勝区」との関連ですが、それをもって「共産党が強いから譲る」という話では全くないと思います。国政選挙は国政選挙。例えば、私の船橋市、民進党の議員より共産党が圧倒的に多いです。でも、私は負けたことはありません。今のが答えです。

○東京都議会議員選挙について

【日本経済新聞・根本記者】
 都議選の関連で伺いたい。公認候補の2名が離党届を出されたという一部報道がある。事実関係と今後の対応について伺いたい。
 関連して、幹事長はかねて「公認候補36人の全員当選が目標」と口にされていたが、こういう動きが出たてきたことに対する受け止めをお聞きしたい。

【幹事長】
 事実関係で言うと、先週の金曜日に、目黒区と文京区でいわゆる前都議が離党するという届けを、それぞれの総支部長が民進党の都連の事務局に渡し、都連事務局が預かった、というのが現時点での事実関係です。
 それをどうするかの対応は、基本的にはまず東京都連で今後ご判断をいただくことになるのだろうと思いますが、公認自体は最終的には党本部が決めておりますので、都連の対応を見た上で、その扱いについてどうするかを党本部がその次の順番で対応することになるだろうというのが、事実関係と今後の手続にかかわることであります。
 そういう動きが出てきたということ自体については、私も大変残念に思っています。「一身上の都合」と、届け出にはそういうことだったそうでありますが、事実関係としてそういうことが起こったことは残念に思っています。

【朝日新聞・松井記者】
 先ほど、民進党の前都議のお二人が離党届を出されたことについて、「残念に思う」とご発言があったが、一方でそのお二人は小池都知事との連携を模索しているとされている。小池都知事とは民進党本部としても連携を模索している最中だと思うが、小池都知事との関係性において、今どのように民進党本部として考えているのかお聞きしたい。

【幹事長】
 前提がちょっとよくわかりません。お二人がどういう方向に行くのか、ですね。まだ「一身上の都合」としか聞いておりませんので。その関連性、小池さんとの関連性で、今コメントすべきではないと思います。
 小池都知事が都議会自民党と厳しく対峙をしていく中で、我々が連携できることがあるかどうかというのは、これはよく考えなければなりませんが、ただ、これも都連や都議会民進党がどう考えるかが基本だと思います。その動向をよく見ていきたいと思います。

【フリーランス・横田記者】
 小池都知事との連携について。豊洲問題が争点になると小池知事は言っているが、豊洲問題について民進党の立場をあらためて伺いたい。
 橋下徹さんがツイッターで、小池知事と太いパイプがあるらしく、「知事の本音は早く豊洲に移転することだ」と。このツイッターを音喜多駿都議、「都民ファーストの会」幹事長が引用・賛同しており、今まで小池さんの立場は築地存続も選択肢の一つとして残している印象を受けるが、もしかしたら小池さんは早期豊洲移転なのかもしれない。早期移転の場合は民進党としてどう対応されるのか伺いたい。

【幹事長】
 橋下さんのツイッターがどういう形で小池さんの考えを推測しているか、それはわかりませんが。
 要は、この間、高濃度のベンゼンなどが検出されたことは、これはやはりショッキングな事態だったと思います。それを受けて、今日、再調査が始まりましたね。その結果を見て、どういうことが起こっているのかということをまず現状把握することが必要ではないでしょうか。たぶん小池さんだって、その状況を見ての判断をされるということだろうと思いますし、なおさら我々もそう思います。
 なお、都議会では百条委員会の設置など、いろいろ要求しながら、そうした具体的な改革に向けての環境整備の提案をしていますから、そういうことが実現できるようになればいいなと思います。

【フリーランス・横田記者】
 確認だが、築地存続も選択肢の一つという立場だと理解してよろしいか。

【幹事長】
 そう何か幅寄せる話ではなくて、もっと冷静に、客観的に、とにかく結果が出てどうするかの判断をしていきたいということです。

【フリーランス・安積記者】
 昨日、千代田区長選が告示になったが、民進党が推薦とか支援されている方の立候補はなかった。前都議の離党問題も含めて、2012年に民主党が下野した時には、「中央の国政での議員数は減ったが、地方の厚い地盤がある。地方議員達がいる」ということで、党の存亡に対するよりどころになったところがあるが、東京に限らず、地方でこういう動きがあることについて、具体的にどうお考えか。もう少し詳しくお聞きしたい。

【幹事長】
 千代田区長選挙の対応は、総支部・都連から我々の対応は上がってきていませんので、「自主投票」というスタンスです。という形で、既に選挙戦がスタートしているということであります。
 地方選挙にどういう関わり方をするかについては、あるいはその地方選挙で公認候補をどれくらい擁立するかなどなど、首長選挙も含めて、それは基本的には地元総支部の対応です。総支部が決めたことを、一般市レベルでは都道府県連で決める。東京都議選とか県議選レベルについては党本部に上げてもらって、最後の判断をするという、その手続に沿ってやってきています。
 なお一般論で言うと、それは地方議員の数が多いほうが、国政選挙をやる時には基盤があるということになりますので、地方議員が多いほうがプラスになることは間違いありませんから、なるべく、今は国政では空白区でも、地方の議員の数は増やしていきたいという思いは持っています。