党役員会見に関する基本的な方針について

蓮舫代表記者会見

2017年2月9日(木)15時01分~15時42分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=zQXMuNknJ0o


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○隠蔽3点セット「天下り」「共謀罪文書」「南スーダン日報」について国会で追及

【代表】
 まず国会、衆議院予算委員会、我が党の仲間が極めていい質問をして、問題点を次々と浮き彫りにしていると思います。
 まず、隠蔽3点セット。
 天下りの問題が全く明らかになってきていません。しかも予算案に、再就職と引きかえに(補助金等が)反映をされたのかどうなのか、いまだに隠蔽されたままで、情報が公開されていません。
 金田法務大臣、自らの気持ちをメモにしたということを、なぜわざわざ記者にお配りするのか。国会での議論、自由な発言、議員の質問権を制限するかのようなこういう動きには、私達は全く賛成できません。
 あるいは、陸自の日報の問題ですが、「廃棄した」ものが、「あった」。あってから、1ヵ月たった。出てきて、この言葉(「戦闘」)は違うと。一体何が起こっているのか、わかりません。
 まず、この3点セットを明らかにしていただかないと、前に議論を進めることは難しいのではないかという印象を持っています。
 特に南スーダン派遣施設隊の日報、日々報告。私も見させていただきました。これだけ分厚いもの、しかも今、デジタル化ですからしっかりとデジタルデータで保存されている。公文書が、なぜ「廃棄された」と誤って処理をされていたのか。そして、それがなぜ急に「あった」と発見されたのか。公文書管理のあり方自体も大問題だと思っています。
 (日報の)「戦闘」という言葉を、(国会答弁では)「衝突」になぜ変えたのか。(予算委員会集中審議の)我が党の仲間の質問でも「大本営発表ではないか」という厳しい指摘がありましたが、それぐらい大きな問題だと我々は思っております。
 引き続きこの3点セット、国会で明らかにしていきたいと思います。

○「保育園落ちた」から1年

【代表】
 総理は「政治は結果が全て」だと何度もおっしゃっています。そのこと自体に反対はいたしませんが、この時期になって、1年たって、本当にため息がいろいろなところから絶望とともに漏れてきます。
 「保育園落ちたブログ」から1年たちました、あの質問から。そしてこの時期はちょうど、公立保育園(認可保育所)の(4月入園の)合否がわかる時であります。本当に仕事に復帰したい、生活のために働かなければいけない、でも保育園に入れない、そのリスクは女性が、男女の給与差もあって、負わざるを得ないという現実に、今の政権が1年たって向き合ってこなかった。向き合っていない。今年度の予算案でも、その最短の解決策である保育士の給与が大きく改善されていないことに、安倍政権の本気度(の薄さ)を感じます。極めて残念だと思います。


■質疑

○南スーダン日報問題について

【共同通信・田川記者】
 南スーダンの日報の問題だが、稲田大臣の責任について代表はどのようにお考えになるか。

【代表】
 まず、一体何があったのかをしっかり説明しないといけないと思います。
 我々としては、辞任に値するという考えを委員会の質問でも仲間が言及していますが、まず公文書管理のあり方。どこに責任があるのか、処分は行ったのか。そしてなぜ「戦闘」という文字を大臣自身が見逃していたのか。そのことに気づかないで、「衝突」という言葉にあえて変えていたのか。幾つものわからない点がありますので、まずこれは自らはっきりしていただきたいと思います。
 その上で、進退はご自身が決める問題だとは思っておりますが、こうしたことも予算委員会で引き続き指摘をし、その答弁を慎重に聞きたいと思います。それが結果として国民の皆様方に、この方が大臣に値するかどうかという判断材料にもつながると思っています。

【NHK・花岡記者】
 稲田大臣は南スーダンの衝突の時に「戦闘ではない」ということをおっしゃっていた。今回の答弁で「法的な意味の戦闘行為ではない」、憲法9条上の問題で「戦闘」とは認められないということだったが、そうすると結論ありき、派遣ありきだったのかという批判が出ている。この点について代表はどうお考えか。

【代表】
 特に南スーダンへの自衛隊派遣は、言葉がどうこうという以前に、法律、憲法、隊員の安全、さまざまなものにかかわってくる。それが言葉で、「法的解釈」だ、「一般的」だと答弁自体が、私には信じられません。
 実際に国連事務総長特別顧問が7日に、南スーダンの情勢について「大虐殺が起きるおそれが常に存在する」と指摘しています。まさに国内で戦闘が継続していると、情報が入る立場の方が発言していることの重さを考えた時に、文言がどうこうというよりも、一体現地はどういう状態で、大臣はそれを本当に把握していたのか。派遣ありきだったのか。国会での答弁は言葉でお茶を濁していればいいという程度の認識だったのか。これは極めて国会軽視だと私は思っています。

【NHK・花岡記者】
 おっしゃるように国連の特別顧問が、ジェノサイドが起きる可能性が常に存在していると。特にジュバのすぐ南部では大量の難民がまた発生しているが、戦闘が実際にあったという日本の問題と、そういう指摘が今もなされていること、あとは今「駆けつけ警護」も付与されているが、そういったもろもろの条件を含めて、今、南スーダンのPKO派遣がどうあるべきなのか、もう撤退するべきなのか。そこら辺、代表はどうお考えか。

【代表】
 PKO5原則に照らして、現地の情勢が適していなければ撤退すべきです。ただ、残念ながら我々は現地を目視、確認することができません。このことにおいては、国連のレポートであるとか、日本国政府の報告をもって判断せざるを得ない。その日本国政府の報告が極めて揺れているという事態でありますので、やはりここは政府の情報の信頼性も含めて、引き続き国会でも取り上げていきたいと思いますが、より慎重にならざるを得ないという感覚は持っています。

【読売新聞・佐藤記者】
 きょうの午前中の予算委員会で後藤祐一議員が大臣の辞任要求に言及されたが、現時点での党としての見解としては、そこまで行っていないという認識でよろしいか。

【代表】
現段階では衆議院国対の中で、国対委員長と相談もしましたが、まだこの問題は、先ほど来何度も言っていますが、文書管理の問題。虚偽の報告だったのか、単なる誤りだったのか。なぜ出てきたのか。こういうことに対しての大臣としての組織内の処分や問題の検証の説明もされていません。「戦闘」という言葉と「衝突」という言葉の使い分けについても説明は十分になされていません。
 このことで既に大臣の任に値しないという、そういう考え方は我が党として表明はしましたが、まずはもっと説明をしていただかないと、党として認識を共有するにはまだ情報が不十分ではないかという認識です。

【東京新聞・我那覇記者】
 稲田大臣の関係で伺いたい。「辞任に値する」という認識は示されたが、金田法務大臣もそうだったが、最初は、将来的には辞任要求をするかもというところから、4党で辞任要求に移り変わっていったかと思うが、これは稲田大臣に対してもそういうような可能性が今後あり得るか。

【代表】
 国会の答弁が日々動いています。その答弁の信頼性、あるいは国民の皆様方もそうした国会の審議を通じて、大臣の任に値するかどうかという考えも出てくると思いますので、引き続き、一律的に「こうだ」ということではなくて、国会の質疑、もう少し見極めさせてください。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 金田法務大臣のほうは、答弁能力がないというか、資質の欠格ということだと思うが、稲田さんのほうは、自衛隊員が今どれほど過酷で危険なところにいるかということを、かりそめにも隠していたのかもしれないという意味では、私は、こちらのほうが国民レベルでは関心もあるし責任も重いと。後藤さんの言うように、辞任ということも当然だと思うが、その辺の罪の重さをどうお考えになっているか。私は後者こそしっかり民進党にはやってほしいと思っているが。

【代表】
 まず、情報を唯一知り得る政府、その担当閣僚として、資質に問題があると思わざるを得ません。まさに去年7月のジュバでの、ある意味の「戦闘行為」、300人近くの方が犠牲になられたという報道もありました。極めて看過できない、何かしらが起きている。そこに、自衛隊員に新たに「駆けつけ警護」を付与して送り出す。そのことについて国会でも相当議論になりました。
 その時に一番大きな議論になったのは、やはりPKO5原則に合致しているのか。現地では戦闘行為が発生しているのではないか。それを「戦闘行為」ではなくて単なる「衝突」であると言い切って、「駆けつけ警護」を付与して、そして南スーダンに(新任務を付与された)自衛隊を送り出したのは防衛大臣のご判断ということになりますから。
 それだけ重い立場にいる方が、情報公開請求で「ない」としたものが、文書が「あった」。あったものを、それを1ヵ月伏せておいた。そして今、国会で追及されて、今度は法的用語で使った。これはまさに政府に都合のよい使い分けでしかないし、言葉の部分ではなくて、本当に自衛隊員のご家族、あるいは我が国としての国際貢献のあり方、根幹を揺らすものだと思っていますので、私達はこの大臣の資質の問題、決して軽いものではないという姿勢で、総理の訪米がありますが、予算委員会には臨んでいきます。

○天皇陛下の退位をめぐる議論について

【朝日新聞・中崎記者】
 天皇陛下の退位をめぐる問題について伺いたい。今、両院議長・副議長のもとで各党各会派からの意見聴取の場が設けられているが、自民・公明両党が昨日、副総裁・副代表が会談し、1代限り特例法での対応で進めていくという方向で一致された。その上で、民進党とも協議をしていくという方向のようだが、民進党としては、自民・公明の「1代限りで」という考えについてどのように対応されていくお考えか。

【代表】
 各党のお考えは報道ベースでは承知はしていますが、実際に国会に設けられた会議体でこれからも意見表明を行っていくことになると思いますので、その都度その都度、拝聴した上で考え方をまとめていきたいとは思っています。
 ただ基本的には、去年の8月8日に明らかにされました陛下のお気持ちであるとか、あるいは各種世論調査を通じた国民のお考えを重視しますと、1代限りではなく恒久制度が望ましいというのが私達の基本的な考えであることには変わりはありません。

【産経新聞・豊田記者】
 天皇陛下の退位に関する法整備について伺いたい。「天皇の意思」を退位の要件にすると憲法違反のおそれがあるという一部指摘があるが、党の皇位検討委員会がまとめた論点整理も踏まえて、この指摘についてのお考えを伺いたい。

【代表】
 まさに、皇室典範を改正すべきだと、我々が基本的な考え方をまとめたのは、(特措法だけの対応では)憲法違反の疑いがあるという疑念があったからです。
 そういう部分では、本当に各党のさまざま主張、声を聞きながら、憲法違反にならない形で、そして陛下のお気持ちを十分に立法府の一員として考えた上で、そして何が最適なのかが、今、両院で設けられた会議体の中で審議されていますので、そこは慎重な議論を見守りたいと思っています。
 ただ、我が党としてまとめた中では、ご指摘のように「陛下のご意思」というのはありますが、あわせて「皇嗣が成年に達している」、「皇室会議」等を通じて、という条件も加えておりますので、その1点だけで憲法違反という指摘には当たらないという考えをまとめました。

○日米首脳会談・日米関係について

【日本テレビ・黒島記者】
 今夜から安倍総理が訪米され、トランプ大統領とゴルフをされる予定になっている。安倍総理とトランプ大統領がゴルフをすることについてどのようにお考えになっているかということと、あらためて日米首脳会談に期待する成果について伺いたい。

【代表】
 まず認識として、我が国の総理として日米首脳会談に向かうのであって、ゴルフをしに行くとは思っていません。まさかゴルフをしに行くために訪米するという考えを総理が持っているとは思っていません。
 ただ、日米首脳会談におきましては、アメリカ側からどのような要求・要請並びに提案がされるのか。それに対してどういう答えが、即答できるのか、国会で議論するのか、あるいはさまざまな声を聞かなければいけない。その都度その都度においてやらなければいけない段階があるとは思っているのです。だから、そこはもう少し見きわめなければいけないと思っていますが、まず我が国の総理として、日本が主張するべきことはしっかり主張してもらいたいと希望します。

【日本テレビ・黒島記者】
 我が国の総理として日本が主張すべきことは主張しなくてはいけないというお話だったが、具体的にどういったことを主張されるべきだとお考えか伺いたい。

【代表】
 日米両国の重要性はもちろんですから、信頼関係を両国トップが築くことは、私達も肯定いたします。
 ただ、例えば自動車であるとか、あるいはさまざまな業界に狙い撃ちをするかのような、自由貿易を阻害するかのような発言等が続いていますので、自由貿易の大切さというものはしっかりと伝えていただきたいし、これまで日米両国がまさに共有していた価値観、これを共有するための主張もしていただきたいと思います。

【フリーランス・上出記者】
 トランプさんの関係で。今、世界じゅうで問題になっているのは、特定の国を狙い撃ちにして、全く普通の人が入れなくなっている入国禁止措置。これに対しては、アメリカの憲法にも違反すると、司法的な措置が、杉原千畝の「命のビザ」ではないが、今のうちならば入れると。ただ、これがどうなるかわからない。これについてはメルケルさんあたりははっきり批判しているが、日本からは、政府関係はこういう批判をしていない。この問題について蓮舫代表はどういう認識で、どうあるべきかについてあらためて伺いたい。

【代表】
 これまでも何度も言っていますが、人の自由な移動の制限、あるいは宗教や特定国家を指定して区別・差別を助長するかのような判断を下されるのは極めて遺憾です。
 このことについて国会でも総理に問わせていただきましたが、「コメントする立場にない」と明言されました。私は、それはおかしいと思います、コメントする立場にあると思っています。日米同盟を考えた上でも、やはりその部分でしっかり主張する立場にあると思っていますので、今回の首脳会談でどのようなご発言をされるのか注視したいと思っています。

【フジテレビ・寺田記者】
 明日の日米首脳会談の後、ゴルフを予定されているが、総理とトランプ大統領がゴルフをすることで個人的な信頼関係を強化するという狙いもあると思うが、こうした個人的な信頼関係が今後の日米関係、安全保障、経済の面で影響をよくも悪くも与えるとお考えになるか。

【代表】
 個人的な信頼関係を両国首脳がしっかりと築き上げることは、外交面においてはとても大事だと思います。ただ、その個人的な信頼関係を築き上げて、領土問題が1ミリも前進しなかった日ロ首脳会談というのが昨年末にありましたので、同じようなてんまつにならないことを強く強く願いたいと思っています。

○参議院選挙制度改革について

【時事通信・島矢記者】
 明日から参院の改革協議会が発足し、参議院選挙制度の改革の議論がスタートするが、あらためて民進党として参院の選挙制度、どのように改革していくべきだとお考えか。

【代表】
 まず、改革協が参議院に設けられて、議長主導のもとで各党幹事長が参加して議論を始めることは、ようやくという感はありますが、歓迎いたします。
 これまで党の政治改革推進本部の中でもこの議論はまとめてきましたが、制度改正を2年半後の選挙に向けて必ず行うこと、これが我々の姿勢であります。
 その時に三つのパターンとして、一つは、これは過去、民主党が公明党とともに国会に提出したのは、20県10合区を基本とする案。今よりさらに(合区を)増やした案です。これが一つ。
 もう一つは、日本維新の会とかみんなの党が提案しましたブロック制の導入を基本とする考え方。
 もう一つ、これに加えまして、合区を基本としつつ、選挙区と比例区の定数の比率を変えることで合区数を減らすということも考えられるのではないか。
 いずれも一長一短、それぞれの党の立場においてはお考えがあると思いますが、こうした三つのパターンを基本としつつ、参議院民進党としても党の政治改革推進本部と連携を密にして、何が最適で、何が合法で、国民が納得できる形なのかという成案を得るべく最大限の協力と努力はしたいと思います。

○原発・エネルギー政策について

【テレビ朝日・延増記者】
 一部報道で、脱原発政策をまとめるエネルギー環境調査会で、原発ゼロを30年という方向で調整をしていると。その上で原発ゼロ基本法という法案として策定する方向で調整に入っているということだが、この中で法案として党大会で打ち出すこと、それから公約から前倒しして30年ということに関してどのように蓮舫代表はお考えか。

【代表】
 現段階でエネルギー環境調査会の中で議論しているものと承知していますので、それ以上でもそれ以下でも、現段階では特段私は述べるものはありません。

【日本経済新聞・宮坂記者】
 あらためて、エネルギー環境調査会で原発を含めたエネルギー政策をこの段階で取りまとめていくことの意味、党としてどういうことを狙っているのかということについて、代表としての考えを伺いたい。

【代表】
 昨年、代表に就任して、まず二つの政策をまとめてもらいたいということでチームをつくりました。一つが、政策アップグレード検討会。もう一つがエネルギー環境調査会。総選挙がいつあっても対応できるように、その中で軸となる政策をまとめてもらいたいという思いです。
 一つは、「教育」という形でまとめていただいています。もう一つは、我が国のエネルギー、次世代に紡ぐ環境、どのようにあるべきかという部分をまとめていただきたいということで、特段、この段階に来てということではなくて、去年(玄葉議員が)会長に就任してから継続性を持ってまとめていただいているものと承知しています。

【東京新聞・我那覇記者】
 原発・エネルギー政策に関して、中身についてはエネルギー環境調査会の玄葉光一郎会長に預けていると思うが、成果物としてどういうようなものを期待しているか伺いたい。例えば法案という形なのか、あるいは、もともと「2030年代原発ゼロ」を掲げているが、それをより細かく落とし込んでいったもの、工程表みたいなものを期待しているのかということを伺いたい。
 もう1点は、目標期限というか時期について、党大会と設定していると理解してよろしいか。

【代表】
 昨年の代表選の公約でも、私は原子力政策・エネルギー政策においては工程表を明らかにすると公約をしました。それを受けて代表に就任して、エネルギー環境調査会を設けて、玄葉会長のもとで何ができるのか論点を挙げて、各議員の意見も伺いながらまとめていただきたいというお願いをしました。
 総選挙が、年末にも年始にも(行われる可能性が)あるというような時期だったものですから、なるべく早くまとめていただきたいと言っていたものが、丁寧なヒアリング等も行っているようで、しかも総選挙の時期がに若干余裕が出たのではないかということも含めて、今なお丁寧な審議をしていると聞いております。
 その出口も含めて、なるべくならば党大会でとは思っております。

【東京新聞・我那覇記者】
 党大会の後になる可能性というのは。

【代表】
 党大会までに総選挙がなければ、という前提ですが、その部分でのゴールは党大会かなと思っています。

○憲法改正をめぐる議論について

【産経新聞・豊田記者】
 衆院の憲法審査会の与野党筆頭幹事が先日、会談して、自民党側から8項目の議題について提案があった。この提案について代表がどうお考えかということと、今国会で改憲項目を絞り込むことについてはどうお考えか。二つお聞きしたい。

【代表】
 これはまず、我が党の憲法調査会、枝野幸男会長に一任をしています。
 そして、国会内での話し合いですので、どういう展開になるのかも含めて、まだ報告は得ていませんが、決して消極的という立場ではありませんが、本当にそれを国民が求めているのかどうかも含めて、党内での検討も必要だと思います。

【朝日新聞・中崎記者】
 憲法改正について伺いたい。自民党が先日、推進本部の勉強会の中で、非常事態についての勉強会を開き、国会議員の任期延長について議論があった。民主党政権時代は、憲法改正でしか任期延長はできないという閣議決定をされたと理解しているが、この点を改憲項目として自民党が求めてくる可能性があると思うが、そういった場合に民主党政権時代の閣議決定と、民進党としての対応について現時点でお考えがあれば伺いたい。

【代表】
 これは枝野会長とお話もしないとなかなかお答えするのが難しい、個別具体的な課題だということは理解してください。
 ただ、その上で、今私達は民進党ですが、民主党の時の閣議決定等も踏まえて、何が望ましいのかという議論をすることを否定するものではないと思います。
 ただ、優先順位というのは、自民党が決めるものでもございません。我々としては枝野会長のもとで、例えば総理の解散権の制限も含めて、提案型の中身を役員会で議論していると承知していますので、その部分、向こうが出してきたからこっちはそれにこう答えるという、そのステージにまだ至っていないと認識しています。

○国際組織犯罪防止条約・「共謀罪」について

【共同通信・田川記者】
 「共謀罪」について、きょう、法務省の刑事局長が「テロ等準備罪」について、個別の法改正では国際組織犯罪防止条約の締結は困難だという認識を示したが、これについてどのようにお考えか。

【代表】
 そもそも過去3回廃案になった時の審議の経過でも、法務省の大前提は、外務省も含めてなのですが、条約に合致するには600を超える犯罪を対象にすることが必要だとしていたものを、我々はあの時対案で、300に絞れるのではないかという考え方も示しましたが、それも却下してきた。その考え方がどこで変わったのかの説明も、大臣からは明確に出てきていません。
 また、法務省が提示した立法事実となっている3事例につきましても、これは我が党の山尾志桜里衆議院議員を中心として、既にその穴は埋めることが可能だと、個別法で、政省令で、あるいは法改正、条文改正で埋めることは可能だという考え方をお示ししています。
 それ以外に、法務大臣がまだ立法事実となる事例は多数あると言っているにもかかわらず、それ以外の事例、どれがあるのか、提示していただけていません。
 こうした具体的な審議を積み重ねた上で、条約を批准することができるのか、「共謀罪」が必要なのかどうなのかというのは、その先に是非があるのではないでしょうか。

○東京都議会議員選挙について

【読売新聞・佐藤記者】
 東京都議選に関して伺いたい。今週7日に連合東京が、民進党から離党し「都民ファーストの会」に公認された人物に対して支援していくことを三役会で決めたようだ。そういう判断について代表はどういうふうに受け止めているかということと、その判断によって今後さらに離党する議員が出るのじゃないかというような懸念があると思うが、それについてどうお考えか。

【代表】
 連合は確かに私どもの最大の支援組織ではありますが、一体ではありませんので、その都度その都度ご判断があると承知しています。
 さまざまな懸念があることも承知していますが、とにかくそうした懸念を一つ一つ払拭して、仲間の勝利に向けて全力で頑張りたいと思います。

【テレビ朝日・延増記者】
 小池都知事が先週末に、民進党とそっくりそのまま連携することについては全く考えていないとした上で、党全体ではなく候補者ごとの政治姿勢などを見て判断するという考えを示された。蓮舫代表としては連携を模索されていたが、今後どういうふうにこの連携については対応されるのか、お考えを伺いたい。

【代表】
 私から「連携を模索している」と明言したことはこれまでないと思っています。私が一貫して言っているのは、都知事の行っている改革、古い政治体質との決別、あるいは、情報が表に出ないで何が起きていたのか後から検証ができないような政治を改めるという姿勢には共鳴すると、何度も言ってきました。その部分ではこの夏の選挙では、そうした古い体質と別れるためにも、非自民の部分でそれなりの数を取って、やりたい改革を進めていく知事の姿勢というのは望ましいとは思っています。
 その中で我々の仲間が1人でも多く成果を出せるように、全力で頑張りたいと思います。

【TBS・牧野記者】
 先ほどの都連の小池さんとの連携の話の中で、懸念については一つ一つ払拭していきたいとおっしゃっていたが、具体的にどのような形で払拭していくお考えか。

【代表】
 その課題、課題に合わせて払拭していきます。

【TBS・牧野記者】
 今回の都議選の対応については東京都連に任せるということなのか、党本部も関与するのか。どのように考えていらっしゃるか。

【代表】
 基本的には東京都連がしっかりと対応していくものですが、本部としてもそれはバックアップしていく。過去4年前、8年前、これまでの都議選と同じです。

○天下り問題について

【フリーランス・上出記者】
 天下りの問題で伺いたい。つい最近の国会答弁で安倍首相が、我々は一応やっている、やっていないのは民進党だ、みたいなことを言っていたと思う。これについて、民主党時代には「仕分け」で、天下りがいるところには非常に厳しい対応をされたというのは私も取材して存じ上げているが、この辺ちょっと国民の誤解を招くと思うので、あらためてこの辺をちょっと説明していただきたい。

【代表】
 それは総理の器の小ささだなと思うのですが、行革においては与野党のどっちがより優秀だという話ではないと思う。政治への信頼が損なわれている話ですから、与野党が、いい提案があればそれをしっかり審議して、政府がそれを形にする。あるいは議員立法等で我々が出したものを、しっかり形にする。こういう部分でいい結果を出す競争をするのは私は賛成しますが、お互いを非難し合うような次元の話に矮小化しているのは総理の残念なところだと思っています。
 我々、事業仕分けも含めて行革で行ってきたのは、元職員、いわゆる職員OBの再就職の是非だけではなくて、そこに予算がついているのではないか、権限がついているのではないか、口利きがあるのではないか、政・官・業の癒着があって国民が納得できない税金の使われ方をしているのではないかというところが一番大きなところでした。
 ただ最近、その後の、例えば独立行政法人とか公益法人とか、いわゆる「村」と言われているところを私自身も調べてはいますが、そうした声を受けて、確かに再就職先への国からの随意契約は激減をしています。ただ、応札率が、競争(入札)にもかかわらず98%であるとか、あるいは1社しか応札していないとか、こういうものを含めると、形を変えて一度行った行革が骨抜きになっている事象というのが、まさに今回の文科省もそうですが、表れているのであれば、それをどうやって是正するのかをしっかり提案していくことだと思っています。総理の姿勢はむしろそれに対して積極的ではないと思っていますので、非常に残念です。

【フリーランス・堀田記者】
 天下りの問題だが、要するに実際にカネが流れている。どれくらいのカネが流れているんだと、そういったことを聞くのが一番いいと思う。

【代表】
 おそらくカネの流れ方は、私学助成金が枠で、フレームでありますので、どの私立大に幾ら、どの事業名、補助金名で流れているのかというのは把握はできます。
 実際に再就職者を、今回の文科省の場合、あっせんして予算にどれだけ反映したのかが、再就職等監視委員会の調査で既に8件ほぼ確定されて、27件が疑わしいと言われていて、今、衆議院の予算委員会でその資料要求、つまり黒塗りにされていますから。隠蔽されている部分を明らかにするべきだというのは言っています。これが明らかになることによって、どんなカネが要求されていたのか、実際に動きがあったのかが見えますから。
 残念ながら、これは私達の力では独自に調査するのには限界がありますので、まずその公開を待っています。だから、これは隠蔽しないでもらいたいと言っていますし、さらに大きな話で言うと、来年度予算案の審議をしていますから、来年度予算案の中に人事あるいは人のあっせんと引きかえに要求して反映された額であれば、当然これは修正して予算案を出し直すべきだと思っていますので、そうした準備もしているところです。